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'''[[2006年]]の[[日本プロサッカーリーグ|Jリーグ]]'''は、J1リーグ、J2リーグ共に[[3月4日]]に開幕。[[12月2日]]に閉幕した、J1リーグでの優勝は[[浦和レッドダイヤモンズ]]、J2リーグでの優勝は[[横浜FC]]であった。
 
== J1 ==
=== 2006年シーズンのJ1のクラブ ===
2006年シーズンのJ1のクラブは以下の通りである。この内京都パープルサンガ、アビスパ福岡、ヴァンフォーレ甲府が前シーズンJ2リーグからの昇格クラブである。
* [[鹿島アントラーズ]]
* [[浦和レッドダイヤモンズ]]
* [[大宮アルディージャ]]
* [[ジェフユナイテッド市原・千葉]]
* [[FC東京]]
* [[川崎フロンターレ]]
* [[横浜F・マリノス]]
* [[ヴァンフォーレ甲府]][[Image:Arrowupgreen.png]]
* [[アルビレックス新潟]]
* [[清水エスパルス]]
* [[ジュビロ磐田]]
* [[名古屋グランパスエイト]]
* [[京都サンガF.C.|京都パープルサンガ]][[Image:Arrowupgreen.png]]
* [[ガンバ大阪]]
* [[セレッソ大阪]]
* [[サンフレッチェ広島]]
* [[アビスパ福岡]][[Image:Arrowupgreen.png]]
* [[大分トリニータ]]
 
=== J1レギュレーションの変更点 ===
ベンチ入りメンバーが最大7人まで拡張された。
 
=== J1スケジュール ===
開幕戦は3月4日にG大阪対浦和戦、翌5日に残りの8試合が行われた。5月6日、7日の第12節をもって[[2006 FIFAワールドカップ|ドイツW杯]]による中断期間に入った。再開は7月12日に[[AFCチャンピオンズリーグ]]のため未消化であったG大阪対磐田戦が行われ、翌週の19日から本格的に再開された。以後は[[AFCアジアカップ]]予選などによる2週間程度の中断期間を数回挟みながら、12月2日まで開催された。
 
=== J1リーグ概要 ===
[[2003年]]・[[2004年]]年間王者の横浜FMが開幕4連勝で2年ぶりの優勝に向けて好スタートを切った。しかし第5節で浦和との不敗チーム同士決戦に敗れて以降、15試合でわずか2勝しかできずに首位から12位まで順位を下げ、2003年から指揮を執っていた監督の[[岡田武史]]が不振の責任を取って辞任する事態に至った。また前年は優勝争いをしたC大阪と、充実した戦力を補強をした広島が不振にあえぐ意外な展開も見られた。特に広島に至っては開幕から10戦勝ち星が無かった。横浜FMの失速後は前年王者のG大阪、優勝候補本命と言われていた浦和、開幕2試合で13点を取って勢いに乗った川崎が代わる代わる首位に立ち、[[2006 FIFAワールドカップ|ワールドカップ]]による中断時点では川崎が首位であった。
 
再開後はG大阪・浦和・川崎の3強に、前年J1自動残留ギリギリの15位から躍進を遂げた清水が絡む展開になったが、若手が多く優勝争い慣れしていない清水がまず脱落。第24節まではG大阪が首位であったが、第25節からの4試合で3敗1分けという不振で浦和に首位の座を明け渡す。ただし浦和も首位に立ってからは取りこぼしが目立つようになった。川崎は大量失点の試合も多いという欠点もあったがリーグトップの得点力で食らいつき、第31節終了時点では首位の浦和を勝ち点3差でG大阪、4差で川崎が追いかける状況であった。
 
第32節では浦和が勝ち、G大阪が引き分け、川崎が負けて川崎は脱落。浦和は残り2試合で1勝でもすれば優勝であったが、第33節は浦和が引き分け、G大阪が勝って勝ち点差は再び3になり、最終節の直接対決にもつれ込むことになった。この直接対決でG大阪が3点差以上で勝った場合はG大阪の優勝、それ以外は浦和の優勝であったが、リーグトップの守備力を誇る浦和は攻撃力の高いG大阪の攻撃を2点に凌ぎ、攻撃でも[[ワシントン・ステカネロ・セルクエイラ|ワシントン]]と[[ロブソン・ポンテ|ポンテ]]の活躍で3点を挙げ、14年目での初優勝を勝利で飾った。また、同節で勝利した川崎が逆転で2位になり、翌年の[[AFCチャンピオンズリーグ]]の出場権を獲得した。
 
残留争いは中断時点では福岡・京都・甲府の昇格組に、前年は躍進を見せていたC大阪・広島、ここ数年不振が続く名古屋が加わり、シーズン終盤にはFC東京・大宮もこれに加わった。特に前年最後の最後まで優勝争いをしていたC大阪は開幕から大量失点を繰り返し、監督の[[小林伸二]]が早々と解任されるシーズン前の予想からは信じられない状況であった。再開後は15位以上の勝ち点もそれほど伸びなかったが、前半不振だった名古屋は[[フローデ・ヨンセン|ヨンセン]]の補強、広島も新監督に[[ミハイロ・ペトロヴィッチ|ペトロヴィッチ]]を迎えるとそれぞれ順位を上げ、残留争いからは脱出した。シーズン終盤はFC東京・大宮がやや不振気味で順位を落としていたが、それ以上に16位以下のC大阪・京都・福岡の3チームが勝てず、残留争いはこの3チームに絞られた。最終的には京都が第31節からの3連敗で最下位が確定してJ2降格が決定、残り1試合の段階でC大阪が福岡に勝ち点差1を付けており、最終節で勝てば[[J1・J2入れ替え戦]]に進出できた。しかし、最終節でC大阪が負けて福岡が引き分けたため勝ち点で並んだが、得失点差が2上回った福岡が16位、C大阪が17位となり、C大阪の降格が決まった。福岡はJ2・3位の神戸と入れ替え戦を戦うことになった。
 
なお、[[大宮アルディージャ]]は[[さいたま市大宮公園サッカー場]]のJ1基準スタジアムへの改修をするため閉鎖中だったため、[[さいたま市駒場スタジアム]]へ暫定移転した。[[大分トリニータ]]本拠地の[[大分スポーツ公園総合競技場]](大分ビッグアイ)は、[[命名権]]締結により「[[九州石油]]ドーム」に改名。
 
=== J1順位表 ===
{| class="wikitable"
|-
!順位!!クラブ名!!勝点!!勝!!分!!負!!得点!!失点!!差!!備考
|- align=center style="background:#ffcc66;"
|'''1'''|| align=left |浦和レッドダイヤモンズ||'''72'''||22||6||6||67||28||+39||
|- align=center style="background:#FFFF99;"
|'''2'''|| align=left |川崎フロンターレ||'''67'''||20||7||7||84||55||+29||[[AFCチャンピオンズリーグ2007|ACL2007]]出場権<ref name="example">優勝した浦和が[[第85回天皇杯全日本サッカー選手権大会|第85回天皇杯]]で既にACLへの出場権を手にしているため2位が出場枠獲得</ref>
|- align=center
|'''3'''|| align=left |ガンバ大阪||'''66'''||20||6||8||80||48||+32
|- align=center
|'''4'''|| align=left |清水エスパルス||'''60'''||18||6||10||60||41||+19
|- align=center
|'''5'''|| align=left |ジュビロ磐田||'''58'''||17||7||10||68||51||+17
|- align=center
|'''6'''|| align=left |鹿島アントラーズ||'''58'''||18||4||12||62||53||+9
|- align=center
|'''7'''|| align=left |名古屋グランパスエイト||'''48'''||13||9||12||51||49||+2
|- align=center
|'''8'''|| align=left |大分トリニータ||'''47'''||13||8||13||47||45||+2
|- align=center
|'''9'''|| align=left |横浜F・マリノス||'''45'''||13||6||15||49||43||+6
|- align=center
|'''10'''|| align=left |サンフレッチェ広島||'''45'''||13||6||15||50||56||-6
|- align=center
|'''11'''|| align=left |ジェフユナイテッド市原・千葉||'''44'''||13||5||16||57||58||-1
|- align=center
|'''12'''|| align=left |大宮アルディージャ||'''44'''||13||5||16||43||55||-12
|- align=center
|'''13'''|| align=left |FC東京||'''43'''||13||4||17||56||65||-9
|- align=center
|'''14'''|| align=left |アルビレックス新潟||'''42'''||12||6||16||46||65||-19
|- align=center
|'''15'''|| align=left |ヴァンフォーレ甲府||'''42'''||12||6||16||42||64||-22
|- align=center style="background:#9999FF;"
|'''16'''|| align=left |アビスパ福岡||'''27'''||5||12||17||32||56||-24||J1・J2入れ替え戦
|- align=center style="background:#808080;"
|'''17'''|| align=left |セレッソ大阪||'''27'''||6||9||19||44||70||-26||J2自動降格
|- align=center style="background:#808080;"
|'''18'''|| align=left |京都パープルサンガ||'''22'''||4||10||20||38||74||-36||J2自動降格
|}
<references />
 
=== J1得点ランキング ===
{| class="wikitable"
|-
!順位!!選手!!得点
|-
| rowspan="2" | 1 || {{flagicon|BRA}} [[ワシントン・ステカネロ・セルケイラ|ワシントン]](浦和) || 26
|-
|| {{flagicon|BRA}} [[マグノ・アウベス・ジ・アラウージョ|マグノ・アウベス]](G大阪) || 26
|-
| 3 || {{flagicon|BRA}} [[カルロス・アルベルト・カルヴァリョ・ドス・アンジョス・ジュニオル|ジュニーニョ]](川崎) || 20
|-
| rowspan="3" | 4 || {{flagicon|BRA}} [[ルーカス・セベリーノ|ルーカス]](FC東京) || 18
|-
|| {{flagicon|JPN}} [[我那覇和樹]](川崎) || 18
|-
|| {{flagicon|JPN}} [[佐藤寿人]](広島) || 18
|-
| rowspan="3" | 7 || {{flagicon|JPN}} [[播戸竜二]](G大阪) || 16
|-
|| {{flagicon|BRA}} [[ウェズレイ・ハイムンド・ペレイラ・ダ・シルヴァ|ウェズレイ]](広島) || 16
|-
|| {{flagicon|KOR}} [[曹宰榛|チョ・ジェジン]](清水) || 16
|-
| 10 || {{flagicon|JPN}} [[前田遼一]](磐田) || 15
 
|}
 
== J2 ==
=== 2006年シーズンのJ2のクラブ ===
2006年シーズンのJ2リーグのクラブは以下の通りである。この内柏レイソル、東京ヴェルディ1969、ヴィッセル神戸が前シーズンのJ1リーグからの降格クラブ。また、愛媛FCが[[日本フットボールリーグ]]から昇格。新しくJリーグに参加した。
* [[コンサドーレ札幌]]
* [[ベガルタ仙台]]
* [[モンテディオ山形]]
* [[水戸ホーリーホック]]
* [[ザスパクサツ群馬|ザスパ草津]]
* [[柏レイソル]][[Image:Arrowdownred.png]]
* [[東京ヴェルディ1969]][[Image:Arrowdownred.png]]
* [[横浜FC]]
* [[湘南ベルマーレ]]
* [[ヴィッセル神戸]][[Image:Arrowdownred.png]]
* [[徳島ヴォルティス]]
* [[愛媛FC]][[Image:Arrowupgreen.png]]
* [[サガン鳥栖]]
 
=== J2スケジュール ===
3月4日から12月2日まで行われた。J1と違い、ドイツW杯の大会期間中も中断することなく開催された。
 
=== J2レギュレーションの変更点 ===
なし。ただしチーム数が13と奇数になったため、毎節1チームずつ試合のないチームが生じることとなった。
 
=== J2リーグ概要 ===
この年は初めてJ1から3チームが降格。降格チームがなく「史上最低レベルのJ2」とまで言われた前年と打って変わり、ハイレベルな混戦になると見られていた。その中でも柏・東京V・神戸の降格組に、[[ブラジル]]の名将・[[ジョエル・サンタナ]]にこれもブラジルの選手3人が加入した仙台、[[柳下正明]]体制3年目となってチームの成熟度の高さが期待された札幌の5チームが中心の争いになると見られていた。
 
しかし、東京V・札幌は失点の多さが響いて開幕から思うように勝ち点を伸ばせず、早々と優勝争いから脱落。一方、第1節で監督交代という思い切った策に打って出た横浜FCの新監督・[[高木琢也]]が監督就任から15試合連続負けなしの新記録を作ったこともあり、前年まで下位の常連だったチームが嘘のように一変して昇格争いに食い込む。前半戦が終わって優勝争いは柏・神戸・仙台・横浜FCの4チームにほぼ絞られた。
 
第3クールに入るとブラジルトリオの個人技頼みの戦術で戦ってきた仙台が、下位チームには大勝するが上位チームには勝ちきれないというこの手のチームにありがちな悪循環に陥って失速。結局得失点差は最後まで最高だったが最終順位は5位と、得失点差1位のチームとしてはJ2史上ワーストの順位になってしまった。一方で残った3チームの争いは第4クールに入っても膠着状態が続いた。10月に入ってそれまで首位を保ち続けてきた柏が調子を崩し、8・9月と調子を上げてきていた神戸が首位に立つ。ところが神戸は第48節からの4試合で2敗2分けと失速。柏も第50・51節と連敗。柏・神戸が調子を落とす一方で、ダントツの失点の少なさで終始安定した戦いを続けてきた横浜FCが最終節を残して優勝とJ1昇格を決める。
 
迎えた最終節。自動昇格の残り1枠は神戸が柏に勝ち点差1を付けており、最終節で勝てば昇格が決まっていたが、最後にホームで意地を見せた仙台の前に敗北。柏がアウェーで湘南を一蹴したことで柏の逆転昇格が決まり、神戸は福岡との入れ替え戦に回ることになった。なお、柏監督の[[石崎信弘]]は過去3回勝ち点差1でJ1昇格を逃した経験があり、柏と神戸の最終戦が同じ勝敗だったら4回目の悲劇(過去3回と違って入れ替え戦の望みはあるが)を味わっていたところだったが、4回目の正直で昇格を決めた(第51節・最終節に関しては[[2006年J2第51節・最終節]]も参照されたい)。
 
中位以下では鳥栖が第3クール以降では横浜FCと並んで最高の14勝を挙げて5位争いから抜け出し、終盤で仙台を抜いて4位に食い込んだ。また、この年からJ2に参入した愛媛FCは選手の質量差に苦しんだところはあったが、それでも後半戦ではほぼ五分の成績を挙げ、最終的には9位と1年目としては上々の成績を収めた。その一方で、前年同じ昇格1年目で9位だった徳島は最下位に沈んだ。
 
=== J2順位表 ===
{| class="wikitable"
|-
!順位!!クラブ名!!勝点!!勝!!分!!負!!得点!!失点!!差!!備考
|- align=center style="background:#D0F0C0;"
|'''1'''|| align=left |横浜FC||'''93'''||26||15||7||61||32||+29||J1自動昇格
|- align=center style="background:#D0F0C0;"
|'''2'''|| align=left |柏レイソル||'''88'''||27||7||14||84||60||+24||J1自動昇格
|- align=center style="background:#D1E231;"
|'''3'''|| align=left |ヴィッセル神戸||'''86'''||25||11||12||78||53||+25||J1・J2入れ替え戦
|- align=center
|'''4'''|| align=left |サガン鳥栖||'''79'''||22||13||13||64||49||+15
|- align=center
|'''5'''|| align=left |ベガルタ仙台||'''77'''||21||14||13||75||43||+32
|- align=center
|'''6'''|| align=left |コンサドーレ札幌||'''72'''||20||12||16||77||67||+10
|- align=center
|'''7'''|| align=left |東京ヴェルディ1969||'''71'''||21||8||19||69||75||-6
|- align=center
|'''8'''|| align=left |モンテディオ山形||'''65'''||17||14||17||68||57||+11
|- align=center
|'''9'''|| align=left |愛媛FC||'''53'''||14||11||23||51||63||-12
|- align=center
|'''10'''|| align=left |水戸ホーリーホック||'''51'''||14||9||25||48||69||-21
|- align=center
|'''11'''|| align=left |湘南ベルマーレ||'''49'''||13||10||25||61||87||-26
|- align=center
|'''12'''|| align=left |ザスパ草津||'''42'''||9||15||24||54||86||-32
|- align=center
|'''13'''|| align=left |徳島ヴォルティス||'''35'''||8||11||29||43||92||-49
|}
 
=== J2得点ランキング ===
{| class="wikitable"
|-
!順位!!選手!!得点
|-
| 1 || {{flagicon|BRA}} [[ウンベルリート・ボルジェス・テイシェイラ|ボルジェス]](仙台) || 26
|-
| 2 || {{flagicon|BRA}} [[フッキ]](札幌) || 25
|-
| rowspan="2" | 3 || {{flagicon|BRA}} [[レアンドロ・モンテーラ・ダ・シルバ|レアンドロ]](山形) || 23
|-
|| {{flagicon|JPN}} [[新居辰基]](鳥栖) || 23
|-
| 5 || {{flagicon|BRA}} [[ディエゴ・デ・ソウザ・ガマ・シルバ|ディエゴ]](柏) || 21
|-
| 6 || {{flagicon|BRA}} [[カルロス・アドリアーノ・デ・ジョス・ソアレス|アレモン]](横浜FC) || 18
|-
| 7 || {{flagicon|BRA}} [[アンデルソン・アンドラージ・アントゥネス|アンデルソン]](水戸) || 17
|-
| rowspan="2" | 8 || {{flagicon|JPN}} [[平本一樹]](東京V) || 15
|-
|| {{flagicon|JPN}} [[三浦淳宏]](神戸) || 15
|-
| rowspan="2" | 10 || {{flagicon|JPN}} [[田中俊也]](愛媛) || 14
|-
|| {{flagicon|BRA}} [[ウェリントン・ノゲイラ・ロペス|ロペス]](仙台) || 14
|}
 
== 入れ替え ==