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流通目的の[[金貨]]として利用する場合は、単体では軟らかすぎる(因みにこの軟性を利用して、嘗ては金貨などを噛む事で歯形が付くかどうかで本物か紛い物かを判別していた時期がある(すなわち歯形が付かないほど不純物が混ざっている事になるため)。[[近代オリンピック|オリンピック]]などの競技で優勝者が[[金メダル]]を咥えて見せる事があるが、この名残である。あるいは金地金を充分に用意できないなどの理由で、銀や銅など他の金属と混ぜた合金として利用されてきたが、最近の主に[[投資]]目的の[[地金型金貨]]においては純金製のものが一般的になっている。日本でも[[江戸時代]]には[[小判]]、[[一分金|一分判]]などの金貨が流通していた。[[明治|明治時代]]になっても、金は[[銀行]]が発行する[[紙幣]]との交換が可能で、その価値が保証されていた(兌換貨幣、[[金本位制]]。[[日本の金貨]]を参照)。
 
現在は、紙幣との交換はできないが、今なお各国の[[中央銀行]]が支払準備金として金を保有している。また、[[鉱山会社]]や[[証券会社]]や[[銀行]]や地金商などの貴金属専門業者、[[商品取引員]]等で、金を投資対象とする金融商品(金[[上場投資信託|ETF]]、[[純金積立]]など)が取り扱われている。[[キロバー]]の購入の場合は、地金商や鉱山会社などの貴金属専門業者等で購入するよりも[[商品取引員]]で購入するほうが、[[東京商品取引所]]の金先物市場の期近を活用しているため、[[東京商品取引所]]の受渡供用品且つ受渡供用品の商号又は商標の指定は出来ないが中間マージンが低い分安いコストで購入できる。逆にキロバーを鋳造する地金商からの購入の場合は、自社で溶解し自社ブランドの刻印を刻んで販売するため、その分コストを上乗せされ販売されている。金本位制が崩壊した今も、(恐らくはその名残として)貨幣のような価値をまだ認められていると考えられる。
 
他の貴金属と同様、金も取引の際には[[トロイオンス]]、または[[グラム]]建で価格が決定される。
 
 
金の価格は、公開された市場取引によって決められる。現在一般に「金価格」と呼ばれているものには、1919年に[[ロンドン]]で設立された [[:en:Gold fixing|The London Gold Market Fixing Ltd.]] (TLGMFL) にて1日2回(午前と午後)決定される現物価格(呼値1[[トロイオンス]]当たり0.25US $(USD)) と、[[ニューヨーク・マーカンタイル取引所]](NYMEX。旧ニューヨーク商品取引所(COMEX)から承継)及び同取引所の親会社に当たる[[w:en:CME Group|CMEグループ]]が運営する24時間稼働の電子取引システム「グローベックス」で決められる金[[先物取引]]中心限月価格(呼値1[[トロイオンス]]当たり0.10US $(USD)標準品純度99.50%以上の金地金) の2つがある。後者は経済指標として用いられることもある。その他、世界各地で相対取引([[Over The Counter]](OTC))されているロコ・ロンドン(Loco London)取引(建値1[[トロイオンス]]当たりUS $(USD)受渡品最低純度99.50%以上の金地金「グッドデリバリーゴールドバー」) 、[[インド]]の[[マルチ商品取引所]](呼値10[[グラム]]当たり1ルピー(INR)標準品純度99.50%以上の金地金) 、[[ドバイ金商品取引所]](呼値1[[トロイオンス]]当たり0.10US $(USD)標準品純度99.50%以上の金地金) 、[[東京商品取引所]](呼値1[[グラム]]当たり1円(JPY)標準品純度99.99%以上の金地金)や[[上海期貨交易所]](呼値1[[グラム]]当たり0.01元(RMB)標準品純度99.95%以上の金地金)などでの[[先物取引]]など世界各地で取引されている。日本での金価格は、ドル円相場、ロコ・ロンドン価格及び国内要因等により形成され(東京金先物価格)、加え、東京金先物の受渡など流通段階で金価格に対する消費税が加算され、小売価格では利益業者への手数料等が加算される。
 
TLGMFL設立時のメンバーは[[N・M・ロスチャイルド&サンズ]] (N.M.Rothschild & Sons)、モカッタ&ゴールドスミド (Mocatta & Goldsmid)、ピクスリー&アベル (Pixley & Abell)、[[サミュエル・モンタギュー]]・アンド・カンパニー (Samuel Montagu & Co)、シャープス・ウィルキンズ (Sharps Wilkins) であった。TLGMFL 会員権はその後変遷を辿り、2011年現在のメンバーは[[バークレイズ]](子会社のバークレイズ・キャピタル [[:en:Barclays Capital|Barclays Capital]] が加入<ref>2004年にN・M・ロスチャイルド&サンズから会員権譲受。</ref>)、[[香港上海銀行]] (HSBC)<ref>1992年のミッドランド銀行 [[:en:Midland Bank|Midland Bank]](現 HSBC バンク [[:en:HSBC Bank (Europe)|HSBC Bank plc]])買収に際し、同行系列にあったサミュエル・モンタギュー・アンド・カンパニーを傘下に収める。</ref>、[[スコシアバンク]](子会社のスコシア・モカッタ [[:en:Scotia-Mocatta|Scotia-Mocatta]]<ref>モカッタ&ゴールドスミドはハンブロス・バンク [[:en:Hambros Bank|Hambros Bank]](現在はソシエテ・ジェネラル傘下)、[[スタンダードチャータード銀行]]と親会社の変遷を経て1997年にスコシアバンク傘下に入った。</ref> が加入)、[[ドイツ銀行]]<ref>ピクスリー&アベルとシャープス・ウィルキンズは1966年に合併してシャープス&ピクスリーとなり、2001年にドイツ銀行傘下に入った。</ref>、[[ソシエテ・ジェネラル]]<ref>シャープス&ピクスリー発足により空席となった会員権はジョンソン・マッセイ [[:en:Johnson Matthey|Johnson Matthey]]、[[クレディ・スイス|クレディ・スイス・ファースト・ボストン]]を経てソシエテ・ジェネラルに移った。</ref>である。