「Fi 156 (航空機)」の版間の差分

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1935年、[[ドイツ航空省]]は数社に対して[[ドイツ空軍]]向けの新型連絡機の入札を行った。フィーゼラーが提示した機体は短距離離着陸性能([[航空機の離着陸方法#STOL機|STOL性]])が抜きん出ており、離陸には向かい風で50m、着陸には20mで十分であった。
 
'''Fi 156A'''の原型機は1936年の春に初飛行した。[[V型8気筒]]で180 kW (240 HP)の[[アルグス As 10 (エンジン)|アルグス As 10C]]という[[レシプロエンジン]]を装備したこの機体は、馬力の割には低速な175 km/hしか出せなかった<ref>[[第一次世界大戦]]時の複葉戦闘機は、100HP台で同等以上の最高速度性能であった。</ref>。とはいえ、この大馬力は無駄になっていたわけではなく、高いSTOL性能として生かされていた。シュトルヒは50 km/hという低速でも飛行が可能で、45 mで離陸でき、18 mで着陸することができたのである(巡航速度より低速でも高速でも[[抗力]]は増大する。抗力最小の速度より遅く飛ぶにも、余分なパワーが必要となる<ref>主翼の発生する[[揚力]]は速度の2乗に比例する。低速では揚力を増大させるために[[迎角]]を大きく取るか,[[高揚力装置]]を作動させる必要があり、抗力が増大する。高速では速度の2乗に比例して機体自体の空気抵抗が増すほか、揚力が過剰になるためそれを打ち消すため負の迎角を取る必要があり、抗力が増大する。離着陸性能、ひいては低速性能を重視する機体であれば、迎角をゼロにする速度が低く設計され、つまりより低い速度域から負の迎角を取る必要が生じる。</ref>)。ドイツ空軍から16機の契約を得るとただちに生産開始を命じられ、最初のFi 156Aは1937年中頃に運用が開始された。
 
== 設計 ==