「国粋主義」の版間の差分

'''国粋主義'''（こくすいしゅぎ, {{lang-en-short|Japanese nationalism}}）とは、[[国家主義]]の極端な一形態で、日本では[[志賀重昂]]が1888年に雑誌『日本人』で論文・国粋保存旨義を発表して以来、用語として一般化した。明治維新に始まる極端な西欧文化の流入による近代化に警笛をならし、明治政府の政策を欧化主義として非難したもので、日本人の本来の文化や歴史、その長所を重視することを主張したもの。[[万世一系]]の[[天皇]]をいただく日本の国家体制のを賛美し、その優越性と長久性を強調する国体論が主体。

国粋主義の原義に於いては、[[全体主義]]・[[ファシズム]]など、いわば[[国体論]]とは路線が異なる。しかし、[[日露戦争]]以後、対外膨張政策の精神的支柱だった[[皇国史観]]の高まりにより、[[自文化至上主義]]が形成されるようになった。国粋主義は、政府の対外膨張の国策と連動し、国粋主義の西洋文化との相対化といった価値観はから、他文化に対する優越性という価値観にへと変異し、ついには広義の[[ファシズム]]と同一視されるに至るのである。