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[[信義則]]上、契約関係に立った当事者は、契約の終了後によっても権利義務関係は当然には終了せず相手方に不利益をこうむらせることの無いようにする義務を負う<ref>我妻(1954)37頁</ref><ref>内田(2011)108頁</ref>。これは契約の余後効と呼ばれており、ドイツ法に由来する概念である<ref>内田(2011)110頁</ref>。これを実定法化したものとして日本法では民法654条(委任の終了後の処分)や商法16条([[競業避止義務]])などがある。
 
=== 英米法における契約 ===
===コンシダレイション(Consideration)法理===
[[英米法]]においては、契約(Contract)とは2名以上の当事者間で結ばれた法律上強制力のある合意を意味する。契約の成立要件は[[申込]](Offer)、[[承諾]](Agreement)、[[約因]](Consideration)、[[契約能力]](Capacity)、[[合法性]](Legitimacy)の5つであり、原則として約因を必要とするのが[[大陸法]]諸国との大きな相違点である。さらに、一定の契約は[[詐欺防止法]]の規定に従い書面により作成されなければならない。
コモン・ローにおいては、契約(Contract)が成立するためには、捺印証書(deed)という厳格な書面によって作成されているか、内容の約束がコンシダレイション(Consideration)法理により支えられている必要がある<ref>Curie v.Misa(1875) L.R.10Ex 153, at 162.</ref>。コンシダレイションとは「契約者がその約束と交換に、相手から受け取る利益もしくは不利益」のことで道徳や正義ともイギリス人の慣行とも無関係である。
 
===成立要件===
約因(Consideration)は当事者間の交換取引の存在を裏付けるものを意味し英米法上の契約の最大の特色とされる<ref>樋口(2008)82頁</ref>。英米法上の契約は約因すなわち交換取引の存在を前提としており、例えば片務的で交換取引が存在しない日本法における贈与契約は英米法上の契約にはあてはまらないとされる<ref>樋口(2008)17頁</ref>。
[[英米法]]においては、契約(Contract)とは2名以上の当事者間で結ばれた法律上強制力のある合意を意味する。契約の成立要件は[[申込]](Offer)、[[承諾]](Agreement)、[[約因]](Consideration)、[[契約能力]](Capacity)、[[合法性]](Legitimacy)の5つであり、原則として約因を必要とするのが[[大陸法]]諸国との大きな相違点である。さらに、一定の契約は[[詐欺防止法]]の規定に従い書面により作成されなければならない。約因(Consideration)は当事者間の交換取引の存在を裏付けるものを意味し英米法上の契約の最大の特色とされる<ref>樋口(2008)82頁</ref>
 
約因(Consideration)は当事者間の交換取引の存在を裏付けるものを意味し英米法上の契約の最大の特色とされる<ref>樋口(2008)82頁</ref>。英米法上の契約は約因すなわち交換取引の存在(コンシダレイション)を前提としており、例えば片務的で交換取引が存在しない日本法における贈与契約は英米法上の契約にはあてはまらないとされる<ref>樋口(2008)17頁</ref>。
 
== 公法上の契約 ==