「阿闍梨」の版間の差分

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ただし、現代では一定期間の修行を経て「[[伝法灌頂]]」を授かった、宗派の認定する資格を有する職業としての僧侶を意味する。従って、現在の真言宗や天台宗では、阿闍梨は普通に密教を学んだ僧侶一般を指し、特別な高僧の称号ではない。
 
本来、阿闍梨の称号を得るためには「阿闍梨の五明」といわれる教養と学問と、実技や修行とを身に付けなければならないため、現在でも、中国密教やチベット密教では厳しい基準<ref>その例を挙げると、中国密教では阿闍梨になる基準の一つとして、「護摩供養法」を一万座も行じるというのがある。単純に計算すると、一日に一座(一回)を行じて約28年、一日に三座を行じて約9年かかることになる。</ref>や、特別な[[三昧耶]]の「阿闍梨戒」があり、衆僧や一般信者の尊敬を一身に受ける立場となる。なおまた、中国密教の[[唐密]](タンミィ)[[西密]](シーミィ)、チベット密教においては、密教の阿闍梨を[[金剛乗]]の阿闍梨という意味で、「金剛阿闍梨」(チベット語;ドルジェ・ロプン)ともいう。
 
なお、例外としてチベット密教でも亡命の状態によるチベット文化の理解と普及を含め、大檀家獲得と資金調達を目的として、阿闍梨灌頂の儀式のみを一般の在家に対しても行なうことがある、これは柔道や空手等のスポーツ振興において「名誉何段」というのと同様で、灌頂の儀式を授ける側も参加する側も、あくまでも「'''参加することが名誉'''」であって実質的な内容を伴うものではない事を知った上で行なうものである。他方、日本においても各寺院ごと等では、宣伝を兼ねて阿闍梨の称号を大檀家や有名人に対して授けることがある。