「ランバート反射」の版間の差分

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物体の表面が'''ランバート反射'''するとは、その面に入射する光が散乱することにより、観察者から見た面の明るさが、観察者の視点の角度にかかわらず同じになるということを意味する。より技術的に言うと、表面の[[輝度 (光学)|輝度]]が視点の角度によらず同じであるということである。たとえば、荒削りのごつごつした木の表面はランバート反射で近似できるが、つやあり[[ポリウレタン]]塗料で塗られた木材はランバート反射とはいえない(見る角度によって[[鏡面ハイライト]]が見える)。ごつごつした面がすべて完全なランバート反射をするわけではないが、面の特性が分からないときにはしばしばよい近似になる。'''ランバート反射'''は[[ヨハン・ハインリッヒ・ランベルト]]の名前から名づけられた。
'''ランバート反射'''とは、理想的な[[拡散反射]]表面が持つべき性質である。理想的な拡散反射表面の輝度は、どの角度から見ても一定である。
技術的には、表面の[[輝度 (光学)]]が[[等方的]]であり、[[光度 (光学)]]が[[ランバートのコサイン則]]に従う。
'''ランバート反射'''は1760年に自著[[Photometria]]で完全な拡散反射の概念を導入した[[ヨハン・ハインリッヒ・ランベルト]]の名前から名づけられた。
 
==例==
物体の表面が'''ランバート反射'''するとは、その面に入射する光が散乱することにより、観察者から見た面の明るさが、観察者の視点の角度にかかわらず同じになるということを意味する。より技術的に言うと、表面の[[輝度 (光学)|輝度]]が視点の角度によらず同じであるということである。たとえば、荒削りのごつごつした木の表面はランバート反射で近似できるが、つやあり[[ポリウレタン]]塗料で塗られた木材はランバート反射とはいえない(見る角度によって[[鏡面ハイライト]]が見える)。ごつごつした面がすべて完全なランバート反射をするわけではないが、面の特性が分からないときにはしばしばよい近似になる。'''ランバート反射'''は[[ヨハン・ハインリッヒ・ランベルト]]の名前から名づけられた
 
[[:en:Spectralon|Spectralon]]は、ほぼ完全なLambert反射を実現できるように設計された材料である。
 
==コンピュータグラフィックスにおける応用==
 
[[コンピュータグラフィックス]]では、ランバート反射はよく[[拡散反射]]のモデルとしてよく使われる。この反射は、面の正規化[[法線ベクトル]]<math>\mathbf{N}</math>と面から光源を指す正規化ベクトル<math>\mathbf{L}</math>の内積を使って計算される。そして、この値に面の色と面を照らす光の輝度を掛け算する。
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ここで、<math>\alpha</math>は2つのベクトル間の角度である。光線ベクトルと面上の点における法線ベクトルとの方向がまったく同じであれば、光の輝度はもっとも高くなる。(<math>\cos{(0)}=1</math>、つまり面は光の方向に垂直である)。そして法線ベクトルが光線ベクトルに対して垂直であれば、光の輝度はもっとも小さくなる。(<math>\cos{(\pi/2)}=0</math>、つまり面と光の方向が平行である)。
 
光沢のある表面では、ランバート反射は普通とともに[[鏡面反射]]と一緒に見られる。この場合にはの輝度はちょうど鏡面反射源のが来る角度観察者の角度同じになった時いるときにもっとも高くなる。この現象は、コンピュータグラフィックスでは[[フォンシェーディング]]などといった[[鏡面ハイライト]]を考慮したモデルを用いてコンピュータグラフィックスでシミュレーションできる。
 
==その他の波==
[[:en:Spectralon|Spectralon]]は、ほぼ完全なLambert反射を実現できるように設計された材料である。
 
通常、ランバート反射は、物体による光の反射に対して用いられるが、光以外のどのような波についても用いることができる。
例えば、[[超音波検査]]では、「粗い」組織はランバート反射を示すと言われる。
 
==関連項目==