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その原因として、「日本の社会には人々が生きづらくなるような社会的な悪条件や困難が多い」とする分析がある<ref name="nhk_shitenronten_20120413" />。「自殺」とは言うものの、実際には、本人が死を積極的に選んでいるというわけではなく、死を選ばざるを得ない状況に追い込まれて亡くなっている<ref name="nhk_shitenronten_20120413" />。そうした状況(要因)というのは例えば、「将来についての不安や絶望」「家族からの[[虐待]]や周囲からの[[いじめ]]」「[[過重労働]]」「[[貧困]]」「[[介護疲れ]]」「[[孤独]]」などである<ref name="nhk_shitenronten_20120413" />。
しかも、遺族の人々の協力を得て実態調査をして、人が自殺に追い込まれるプロセスを分析する「自殺の危機経路図」を作成したところ、自殺で亡くなった人は、これらのさまざまの要因を、平均で4つ抱えていた。日本の社会は、人に悪条件が複合的に(あるいは連鎖的に)のしかかってくるような構造が放置されている<ref name="nhk_shitenronten_20120413" />。例えば、[[失業]]率が高く<ref group="注">名目の失業率、(厚生労働省などが発表する、あえて長期失業者を無視する「[[完全失業率]]」という指標では低く算出されてしまうが)、日本の実態的な失業率はその統計よりかなり高い{{要出典|date=2014年2月}}。</ref>、失業者に対する生活支援策は少なく、多重債務を抱えることになり、失業や多重債務に陥った人々に対して精神的なケアをする組織が少なかったり、その連絡先の広報・周知徹底がなされておらず彼らがたどり着くことが少なく、 [[うつ病]]になり、うつ病に追い込まれたために再就職がなお一層難しくなり、自殺に追い込まれる、というような経路がある<ref name="nhk_shitenronten_20120413" />。
 
また例えば日本では、高校中退 → 不安定な職にしか就けない状況 → 経済的困窮・借金 → 家庭内の人間関係の悪化 → 自殺 というような複合的(連鎖的)なことも起きうる<ref name="nhk_shitenronten_20120413" />。あるいは、子供のころ虐待を受ける→結婚して家族からの暴力をきっかけに精神疾患に → 離婚 → 経済的困窮 → 自殺、といった連鎖もある<ref name="nhk_shitenronten_20120413" />。日本ではこうした悪条件が複合的・連鎖的に起きているにもかかわらず、日本の中央政府や[[自治体]]の対策は、こうした連鎖に対応したものになっておらず、連携不足で、「点的」になっており、自殺要因の連鎖を食い止めるような形での連携的な対策になっていないので、十分に防げないのである<ref name="nhk_shitenronten_20120413" />。