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最初の製品は[[日本ビクター]](現・[[JVCケンウッド]])のポータブル[[ビデオテープレコーダ|ビデオデッキ]]「CityJack・HR-7100」で、当時ポータブルビデオの小型化でVHSの先を行く[[ベータマックス]]に対抗すべく開発された規格であったが、後に登場した[[8ミリビデオ]]への対抗として、[[ビデオカメラ]]に採用されるようになって脚光を浴びた。
 
カセットのサイズはVHSフルカセットのおよそ3分の1。当初の録画時間は20分だったが、そのテープ素材の改良などで40分まで延長され、3倍モードで2時間の録画可能だっにした。記録フォーマットはVHSと互換性があり、カセットアダプタを使用することで通常のVHSビデオテープとしてVHSデッキで再生・録画することができる。カセットアダプタを必要としない「コンパチブルビデオデッキ」(ビクターHR-SC1000等)も発売された。
 
構造上ケースの中でテープがたるみやすく、子供がいたずらしてテープを引っ張り出してダメにしてしまったり、たるみを取らないままカメラに装填してトラブルを起こすケースも少なくなかったようだ。後にセーフティロック機構などと称したたるみ防止の対策を講じた製品が登場している。この機構はケースに[[コンパクトカセット]]テープのケース並みのたるみ防止の突起を設けたり、カセット自体にもロックが解除されないと一切リールが回らないような機構を施していた
 
長年、8ミリビデオと激しいシェア争いを展開していたが、[[1989年]]に[[ソニー]]がパスポートサイズの「ハンディカム・CCD-TR55」を発売し、爆発的にヒットさせると市場は大きく8ミリに傾いた。VHS-C陣営も松下電器産業(現 [[パナソニック]])が「ブレンビー・NV-S1」などの小型タイプのビデオカメラを販売し、VHSデッキでそのまま見られる」と事をアピールして対抗したが、録画時間の短さなども不利となって次第にシェアを落としていった。また初期のVHS-Cビデオカメラで3倍モード録画を行うと8ミリに近い録画時間を得ることは可能だがキャプスタン軸にダイレクトドライブ(DD)を奢ってなくベルトドライブであったためちょっと年数が経過しただけでモノラル(ノーマル)音声が異常にブレる現象も散見された。のちにHiFiステレオ搭載機種の登場やDD方式が主流となったためこの問題は解消された。
フォーマットはVHSと互換性があり、カセットアダプタを使用することで通常のVHSカセットとして取り扱うことができる。カセットアダプタを使用せずVHSとの併用が可能な「コンパチブルビデオデッキ」(ビクターHR-SC1000等)も発売されていた。そのため安定性の高いビデオカセットレコーダーで再生できる。このデッキ並みの安定性を活かすべく1989年に[[三菱電機]]からはデッキと同じ大口径回転シリンダー(ヘッド)を搭載した一体型ビデオカメラ(MV-CS3F)を発売していた。
 
また一方、日本を上回る市場規模を持つアメリカでも、VHS-C規格は普及しなかった。アメリカ市場のニーズではカメラの小型化されたカリット受け入れられず(むしろボタンが小さく、操作がやりにくいと敬遠された)またレンタルビデオソフトの再生機能兼ねる事から、フルサイズのVHS規格のビデオカメラが好まれた。後に安価な韓国製ビデオデッキの登場で、レンタルビデオ再生専用の据え置き型デッキで行う趨勢となった時には、日本の場合と同じく録画時間の短さやテープのたるみの問題からVHS-Cは敬遠され、8ミリ規格のビデオカメラが普及した。
長年、8ミリビデオと激しいシェア争いを展開していたが、[[1989年]]に[[ソニー]]がパスポートサイズの「ハンディカム・CCD-TR55」を発売すると市場は大きく8ミリに傾いた。VHS-C陣営も松下電器産業(現 [[パナソニック]])が「ブレンビー・NV-S1」などの小型タイプのビデオカメラを販売し、「VHSデッキでそのまま見られる」とアピールして対抗したが、録画時間の短さなども不利となって次第にシェアを落としていった。また初期のVHS-Cビデオカメラで3倍モード録画を行うと8ミリに近い録画時間を得ることは可能だがキャプスタン軸にダイレクトドライブ(DD)を奢ってなくベルトドライブであったためちょっと年数が経過しただけでモノラル(ノーマル)音声が異常にブレる現象も散見された。のちにHiFiステレオ搭載機種の登場やDD方式が主流となったためこの問題は解消された。
 
8ミリビデオの攻勢に押される中、VHS-C陣営だった[[シャープ]]や[[日立製作所]]、[[東芝]]は、後に8ミリビデオに転向した。松下電器産業も国内ではVHS-Cを販売する一方で海外メーカー向けに8ミリビデオOEM配給製造しており、たびたび「8ミリ転向説」が噂された事もあった。
また、日本を上回る市場規模を持つアメリカでも、VHS-C規格は普及しなかった。アメリカ市場のニーズではカメラの小型化のメリットは受け入れられず(むしろボタンが小さく、操作がやりにくいと敬遠された)、またレンタルビデオソフトの再生機能も兼ねる事から、フルサイズのVHS規格のビデオカメラが好まれた。安価な韓国製ビデオデッキの登場で、レンタルビデオ再生は専用の据え置き型デッキで行う趨勢となった時には、日本の場合と同じく録画時間の短さやテープのたるみの問題からVHS-Cは敬遠され、8ミリ規格のビデオカメラが普及した。
 
[[1995年]](平成7年)秋には[[DV]]規格が登場。その後、ビデオカメラの市場はDVやメモリーカードタイプなどに置き換わっていった。結局、VHS-C、[[8ミリビデオ]]ともに、廃れていくこととなった。VHS-Cの[[カムコーダ]]については、JVCケンウッドとパナソニックが既に国内での販売を終了させている。ただし、テープとカセットアダプターについては、JVCケンウッドとパナソニックから引き続き国内向けに製造・販売されている。なお、海外ではJVCケンウッドが、[[2011年]](平成23年)現在においても「JVC」ブランドでVHS-C規格のビデオカメラの販売を続けている。
VHS-C陣営だった[[シャープ]]や[[日立製作所]]、[[東芝]]は、後に8ミリビデオに転向した。松下電器産業も海外メーカー向けに8ミリビデオをOEM配給しており、たびたび「8ミリ転向説」が噂された事もあった。
 
[[1994年]](平成6年)[[10月]]には、高画質の[[3CCD]]を採用した[[S-VHS-C]][[ビデオカメラ]]「NV-X100」が松下電器産業から発売され高い評価を受けたものの、8ミリ陣営からもソニーが同時期に3CCDビデオカメラを出しており、8ミリ優位の趨勢を覆すには至らなかった。
 
[[1995年]](平成7年)秋には[[DV]]規格が登場。その後、ビデオカメラの市場はDVに置き換わっていった。結局、VHS-C、[[8ミリビデオ]]ともに、廃れていくこととなった。VHS-Cの[[カムコーダ]]については、JVCケンウッドとパナソニックが既に国内での販売を終了させている。ただし、テープとカセットアダプターについては、JVCケンウッドとパナソニックから引き続き国内向けに製造・販売されている。なお、海外ではJVCケンウッドが、[[2011年]](平成23年)現在においても「JVC」ブランドでVHS-C規格のビデオカメラの販売を続けている。
 
== 仕様 ==