「フーリエ積分作用素」の版間の差分
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:<math>(Tf)(x)=\int_{\mathbb{R}^n} e^{2\pi i \Phi(x,\xi)}a(x,\xi)\hat{f}(\xi) \, d\xi </math>
ここで <math>\hat f</math> は ''f'' のフーリエ変換を表し、''a''(''x'',''ξ'') は ''x'' についてコンパクトな台を持つ
== 例 ==
フーリエ積分作用素を研究する動機の一つとして、波動作用素についての初期値問題に対する解作用素が挙げられる。実際、次のような問題を考える:
:<math> \frac{1}{c^2}\frac{\partial^2 u}{\partial t^2}(t,x) = \Delta u(t,x) \quad \
および
:<math> u(0,x) = 0, \quad \frac{\partial u}{\partial t}(0,x) = f(x), \quad \
この問題の解は、次のように与えられる:
: <math> u(t,x) = \frac{1}{(2 \pi)^n} \int \frac{e^{i (\langle x,\xi \rangle + c t | \xi |)}}{2 i |\xi |} \hat f (\xi) \, d \xi - \frac{1}{(2 \pi)^n} \int \frac{e^{i (\langle x,\xi \rangle - c t | \xi |)}}{2 i |\xi |} \hat f (\xi) \, d \xi .</math>
上式右辺の積分は、一般的に収束するとは限らないので、振動積分として解釈される必要がある。またこの右辺は、形式的には二つのフーリエ積分作用素の和のように見えるが、各積分の係数は原点において滑らかではなく、したがって標準的な記号ではない。カットオフ函数を用いてこの特異性を除去するなら、その結果として得られる作用素は、初期値問題に対して、滑らかな函数を法とする解を提供する。したがって、初期値の特異性の伝播にのみ興味がある場合は、そのような作用素を考えれば十分である。実際、波動方程式において、音速 c が位置によって変動する場合でも、滑らかな函数を法とする解を提供するフーリエ積分作用素を見つけることは出来る。したがって、速度の変化する波動方程式の解の特異性の伝播を研究する際、およびより一般的な別の双曲型方程式を研究する際に、フーリエ積分作用素は有用な道具となる。
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