「コンパクト化」の版間の差分
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また文脈から<math>i</math>が自明な時は<math>i</math> を略して<math>K</math>を''X'' のコンパクト化という。
例えば''X'' を<math>\mathbb{R}^n</math>上の縁を含まない単位円盤<math>\{x \mid |x|<1\}</math>としたとき、縁を含んだ単位円盤<math>\{x \mid |x|\le 1\}</math>は恒等写像を埋め込み写像とする''X'' のコンパクト化である。一方半径3の縁を含んだ円盤<math>\{x \mid |x|\le 3\}</math>を''K'' とすると、''X'' は''K''の中で稠密ではないので、''K''は恒等写像に対する''X'' のコンパクト化ではない。
位相空間 <math>X</math> のコンパクト化 <math>(K_0,i_0)</math> 、<math>(K_1,i_1)</math> に対し、同相写像 <math>j:K_0\to K_1</math> が存在し、 <math>i_1=j\circ i_0</math> となるとき <math>(K_0,i_0)</math> と <math>(K_1,i_1)</math> は'''同値'''であるという。
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''X'' は<math>i</math> によりそのコンパクト化''K'' に稠密に埋め込まれているので、''K'' はいわば''X'' に「点を付け加えて」コンパクト化したものとみなす事ができる。実応用上、こうした「付け加えた点」(すなわち<math>K\setminus i(X)</math>の点)は直観的には無限の彼方にあるとみなせるケースが多いので、<math>K\setminus i(X)</math> をコンパクト化 <math>(K,i)</math> の'''無限遠境界'''といい、無限遠境界上の点を'''無限遠点'''という事がある。
''X'' をコンパクト化する方法は一意とは限らず、複数のコンパクト化の方法がある事がある。したがって実用上は''X'' の構造を保つなど、''X'' の性質が調べやすくなるコンパクト化の方法を選ぶ必要がある(例えば''X'' が
著名なコンパクト化の方法として、'''アレクサンドロフの一点コンパクト化'''と'''ストーン・チェックのコンパクト化'''
ストーン・チェックのコンパクト化は逆の極端で、''X'' の任意のコンパクト化''K'' に対し、''K'' はストーン・チェックのコンパクト化の商空間になる。すなわち''K'' はストーン・チェックのコンパクト化の無限遠境点を適当な同値関係で割ったものとしてできあがる。したがってストーン・チェックのコンパクト化はいわば「もっとも大きな」コンパクト化である。ストーン・チェックのコンパクト化は''X'' が[[チコノフ空間]]であるときにその存在が証明されている。しかし''X'' が[[T1空間|T<sub>1</sub>空間]]でありさえすればその類似物('''ウォールマンのコンパクト化''')が作れる事が知られている。▼
▲一方ストーン・チェックのコンパクト化は逆の極端で、''X'' の任意のハウスドルフなコンパクト化''K'' に対し、''K'' はストーン・チェックのコンパクト化の商空間になる。すなわち''K'' はストーン・チェックのコンパクト化の無限遠境点を適当な同値関係で割ったものとしてできあがる。したがってストーン・チェックのコンパクト化はいわばハウスドルフな中では「もっとも大きな」コンパクト化である。ストーン・チェックのコンパクト化は''X'' が[[チコノフ空間]]であるときにその存在が証明されている。しかし''X'' が[[T1空間|T<sub>1</sub>空間]]でありさえすればその類似物('''ウォールマンのコンパクト化''')が作れる事が知られている。
== 基本事項 ==
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