|
初名は勝栄（かつなが）。通称は助太郎、源太夫。号は修業堂。
旗本の兵学者である父・[[窪田勝英]]から[[中島流]][[砲術]]、外祖父・[[黒野義方]]から[[山鹿流]]兵法・[[吉富流]][[居合]]を伝授されたほか、[[都築勘助]]から[[甲州流軍学]]、[[松本三甫]]から[[越後流軍学]]、[[斉藤三太夫]]から[[長沼流軍学]]を学び、山鹿流兵法学者として甲越長沼等諸流兵法を兼修したほか、[[鈴木大作]]から[[宝蔵院流槍術]]、[[和田孫次郎]]から[[無辺夢極流]][[槍術]]、[[平野匠八]]から[[田宮流]][[剣術]]・居合・[[関口流]][[柔術]]、[[川勝隆安]]甥の[[小笠原館次郎]]から[[小笠原流]][[弓術]]、[[土井主税]]から[[日置流]]弓術、[[浅井金兵衛]]から[[大坪流]]上田派[[馬術]]、[[井上左太夫]]から[[外記流]]砲術、[[小島元八]]から[[能島流]][[水軍]]を習得、皆伝。<br />
兵法と武術のみならず、[[本多忠憲]]に[[伊勢流]][[武家故実]]、[[加藤千蔭]]に[[国学]]を、[[岡田寒泉]]の子・[[岡田真澄 (国学者)|真澄]]に和歌、書を学び、師範免許を得ている。<ref>「兵法者の生活」第六章.幕末兵法武道家の生涯 三.窪田清音の業績(P221-229)</ref>
1842年（天保13年）兵法と武術のみならず、[[御納戸頭本多忠憲]]の職位にある時に[[天保の改革伊勢流]]原案作成をめぐり[[羽倉簡堂武家故実]]と論争を起こし、[[水野忠邦加藤千蔭]]によって御役御免となった。寄合に編入された清音は[[国学]]を、門人育成と古伝[[岡田寒泉]]の著述子・[[岡田真澄 (国学者)|真澄]]に力を注ぎ和歌、「山鹿伝采幣伝授」「剣法略記」「形状記」書をはじめ兵書50部学び、剣法38部、水軍2部、砲書3部、雑書11部、武家故実類書13部など生涯で130部師範免許を著し、兵法、武家故実の研究家、武術家とし得て大きな業績を挙げた。いる<ref name="kubotaheihou221-229">「窪田清音略伝」</ref><ref>「兵法者の生活」第六章.幕末兵法武道家の生涯 三.窪田清音の業績(P221-229)</ref><ref>「剣道集義」例言(P3-9)</ref>。
1842年（天保13年）[[御納戸頭]]の職位にある時に[[天保の改革]]原案作成をめぐり[[羽倉簡堂]]と論争を起こし、[[水野忠邦]]によって御役御免となった。寄合に編入された清音は、門人育成と古伝の著述に力を注ぎ、「山鹿伝采幣伝授」「剣法略記」「形状記」をはじめ兵書50部、剣法38部、水軍2部、砲書3部、雑書11部、武家故実類書13部など生涯で130部を著し、兵法、武家故実の研究家、武術家として大きな業績を挙げた<ref name="kubota">「窪田清音略伝」</ref><ref name="heihou221-229"/>。
1855年（安政2年）幕府が[[講武所]]を新設すると、古伝研究の第一人者として頭取兼兵学師範役に就任。<ref>「陸軍歴史」巻18.講武所創設上、巻19.講武所創設</ref>
<ref>講武所 六.職員の任命及び総裁の意見(P9-13)、二十.講武所の軍学(P99-102)、二十八. 講武所の名士(P181-206)、巻末.講武所年表</ref><br /> ▼18601855年（安政2年）幕府が[[万延講武所]]元年）にはを新設すると、清音古伝研究の序を載せた第一人者として頭取兼兵学師範役に就任<ref>「陸軍歴史」巻18.講武所版「武教全書」五創設上、巻が版行されている。19.講武所創設</ref><ref>「講武所」 六.職員の任命及び総裁の意見(P9-13)、二十.講武所の軍学(P99-102)、二十八. 講武所の名士(P181-206)</ref><ref>「兵法者の生活」第六章.幕、巻末兵法.講武道家の生涯 三.窪田清音の業績(P221-229)所年表</ref>。
▲1860年（[[万延]]元年）には、清音の序を載せた講武所版「武教全書」五巻が版行されている<ref> 「講武所 」六.職員の任命及び総裁の意見(P9-13)、二十.講武所の軍学(P99-102) 、二十八. 講武所の名士(P181-206) 、巻末.講武所年表</ref>< brref name="heihou221-229"/> 。
==門人==
兵学門人は[[諸侯]].、[[旗本]]以下3000人余、剣術門人は600人余。兵学門人には[[宍戸弥四郎]]、[[若山勿堂]]、[[筧弥太郎]]、[[武藤為吉]]、[[駒井朝温]]など。柔術門人には[[小栗忠順]]など、剣術門人には[[田都味嘉門]]、[[鈴木重嶺]]、[[中條金之助]]、[[戸田忠道]]、[[江原素六]]、[[小泉弥一郎]]、[[依田伴蔵]]、[[加藤田平八郎]]、[[高野武貞]]などがいる。若山勿堂を通じた又弟子に[[勝海舟]]、[[板垣退助]]、[[坂本龍馬]]、[[中岡慎太郎]]、[[土方久元]]、[[佐々木高行]]、田都味嘉門を通じた又弟子には[[児島惟謙]]がいるなど、幕末・明治に活躍した多くの人物に影響を与えている。<ref name="heihou221-229"/><ref>「兵法者の生活武士道教育総論」第六三章.幕末兵法山鹿素行の武士道家の生涯 三.窪田清音の業績論(P221P155-229182)</ref>。
<ref>「武士道教育総論」第三章.山鹿素行の武士道論(P155-182)</ref><br />
「江戸三作」「四谷正宗」と言われた江戸期の天才刀工・[[源清麿]]の師匠としても知られている。[[真田幸貫]]の斡旋で江戸に上り入門した清麿の才能を見抜き、番町の屋敷に鍛冶場を設け、住みこみで修行することを命じ後見、基金を以って作刀に専念させることで清麿を世に出した。<ref>「源清麿」(P109-111)</ref><ref>「生誕200年記念「清麿」」(P120-125)</ref><br />。
清麿から贈られた「（表）為窪田清音君 山浦環源清麿製（裏）弘化丙午年八月日」の銘がある2尺6寸の豪刀は[[重要美術品]]に認定されている。<ref>広井雄一編『日本刀重要美術品全集』第7巻、青賞社、1986</ref>。
==家系==
先祖は[[清和源氏]]・[[井上氏]]流。[[井上頼季]]より八代小太郎長時の時に窪田を称す。長時より十代長義の時に[[武田氏]]に仕官。長義の孫である正勝、正重がのち[[徳川家康]]に仕え、代々幕臣旗本となる。<ref>「寛政重修諸家譜」</ref><br />。
父は兵学者の窪田勝英、外祖父は黒野義方、岳父は[[土屋正方]]。嫡孫の[[窪田正法]]は1878年（明治11年）から1884年（明治17年）まで[[静岡県]][[駿東郡]]郡長を務めた。<br />
墓所は東京都港区青山の玉窓寺にある。<ref>「兵法者の生活」第六章.幕末兵法武道家の生涯 三.窪田清音の業績(P221-229)</ref>
<ref name="kubota"/>
墓所は東京都港区青山の玉窓寺にある<ref name="heihou221-229"/><ref name="kubota"/>。
== 脚注 ==
| 