「国鉄ED45形電気機関車」の版間の差分

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* 1時間[[定格]]出力においてはED44形がED45形を上回っていたにもかかわらず、25[[パーミル|‰]]勾配上における引き出し能力は、ED44形が360[[トン|t]]に留まったのに対して、ED45形は600tと大きな差がついた。
** 当時の[[貨物列車|貨物]][[輸送]]主力機関車となる[[国鉄D51形蒸気機関車|D51形]][[蒸気機関車]]の25‰上り勾配での牽引定数は最大約350tである<ref name="久保田 (2005) p167">『[[#久保田 (2005)|日本の鉄道史セミナー]]』(p167)</ref>。
* 交流電動機の磁極数が多い上にこれまで経験したことのない[[高圧 (電気)|高圧]]での使用に対して技術的に未熟であったため、1運用ごとに各[[ブラシ]]の[[接点]]を磨かねばならないなど[[メンテナンス|整備]]の手間が想像を超えていた<ref>電気機関車、電車用交流電動機は加速力が低く[[電気車の速度制御|速度制御]]が難しいとの欠点がなかなか克服できず、本格的な実用化は[[可変電圧可変周波数制御|VVVFインバータ制御]]の開発を待たねばならなかった。ただし、交交変換VVVFインバータは[[2000年代]]においても未だ開発されておらず、交流電力を一旦直流に変換することなくそのまま使用するという点では、今なお後継車両が現れていない。</ref>。
 
整流器式のED45形の場合では、電気的な観点から水銀整流器が位相制御による連続的な電圧変換が可能で、起動時に有利であり、しかも[[空転]]しても端子電圧が上昇しにくいことから主電動機の回転数がすぐに復帰し、空転が自然に収まるという特性を持っていた。
* これは当時の[[常識]]からすれば驚異的なことで、優れた[[粘着式鉄道|粘着]]特性がやがて「'''交流機のD形は直流機のF形に匹敵する'''<ref name="久保田 (2005) p167" />」と[[宣伝]]される根拠となる。
 
この結果、今後製造される交流電気機関車には整流器式を用いることとなった。