「ティル・オイレンシュピーゲルの愉快ないたずら」の版間の差分

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大言壮語的な表現を削り、室内楽編曲版について加筆整理
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== 概要 ==
「[[ロンド形式]]による昔の無頼の物語」とサブタイトルされているように、14世紀の北ドイツの伝説の奇人[[ティル・オイレンシュピーゲル]]の冒険談物語題材に、シュトラウスの巧みな[[管弦楽法]]{{要出典範囲|date=2010年11月|全て}}が巧妙に生かされで音楽化し。オーケストラの各楽器の融合離散の様が大変な聞き物であり、シュトラウス流のユーモアとウィットの洪水となる。冒頭の[[ホルド形式]]による昔旋律が{{要出典範囲|date=2010年11月|有名}}。シュトラウス無頼交響詩の中では{{要出典範囲|date=2010年11月|最も演奏機会が多物語」と}}う副題を持つ
 
なお、後年F.ハーゼンネールが本作を室内楽用(8人編成)に短縮・編曲し『もうひとりのティル・オイレンシュピーゲル』と題した。こちらの編曲版も世に知られている。
 
== 作曲の経緯 ==
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*[[ロンド形式]]で作曲されている。[[ヘ長調]]。Gemächlich(落ち着いた感じで)‐Volles zeitmass(sehr lebhaft)(イン・テンポで(非常に生き生きとして))。
*弦楽器による親しみやすい短い前奏で始まる。これは昔話の「むかしむかし……」を表すテーマである。続いて[[ホルン]]によるティル・オイレンシュピーゲルの第1のテーマが出る。続いて[[クラリネット]]でティルの笑いを表すテーマが示される。まず[[市場]]に現れたティルは牛馬を解き放し、市場は大騒ぎになる。ティルは空を飛ぶ靴で遁走する。続いてティルは[[僧侶]]に変装し、でたらめなお説教で人々を煙に巻く。独奏[[ヴァイオリン]]が退屈したティルのあくびを表現するが、ふと彼の心に破滅への予感がよぎる(金管群による信号)。続いてティルは[[騎士]]に変装し、美しい淑女を口説くが彼女にあっさりと袖にされる。怒ったティルは全人類への復讐を誓う(金管の鋭い上昇音型)。最初の標的を俗物学者([[ファゴット]]によるユーモラスな音型)に定めたティルは、彼らに論争をふっかける。しかし次第に旗色が悪くなり、論破されたティルは悔しまぎれに小唄を歌う。再びホルンによるティルのテーマが現れ、次第に勢いを増していく。好き放題にいたずらを繰り返すティルの活躍が描かれるが、突如[[小太鼓]]が鳴り響き、ティルは逮捕される。金管によるいかめしい裁判のテーマが奏される。ティルは裁判を嘲笑しているが、やがて彼は死の予感におびえて金切り声を上げる。ついに[[死刑]]の判決が下り、ティルは絞首台に昇らされ敢えない最期を遂げる。冒頭の「むかしむかし……」のテーマが回帰し、ティルは死んでも彼の残した愉快ないたずらは不滅であることを示すティルの笑いの動機で曲が締めくくられる。
 
== 室内楽編曲版 ==
[[オーストリア]]の作曲家フリードリッヒ・ハーゼネール({{lang|de|Friedlich Hasenöhrl}}、1885年-1970年)は、本作を室内楽に編曲した『もうひとりのティル・オイレンシュピーゲル』({{lang|de|Till Eulenspiegel Einmal Anders!}})を発表している。
 
編成は[[ヴァイオリン]]、[[コントラバス]]、[[クラリネット]]、[[ホルン]]、および[[ファゴット]]。原曲に忠実な編曲ではなく、全体に最構成されており、演奏時間は原曲のおよそ半分に短縮されている。
 
== 脚注 ==