「勧善懲悪」の版間の差分

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一方、『[[小説神髄]]』で[[坪内逍遥]]などは、勧善懲悪を説く小説を'''勧懲小説'''と呼び、時代遅れの産物であると否定している。なお同書中において坪内は、[[模写小説]]にて[[人情]]を著す方を尊んでいる。
 
== 変形としての勧悪懲悪 ==
勧善懲悪の変形に'''勧悪懲悪'''(かんあくちょうあく)がある。勧悪懲悪とは、勧善懲悪において、本来であれば悪に値する存在が様々な理由(猛悪に対する正義心や義侠心の発露、仲間の裏切りや取り分の相違、権力闘争、あるいは助平心など)によって悪と対峙する立場になり、'''結果的に(他方の視点からして)悪を懲らしめる'''、という勧善懲悪と[[ピカレスク]]の融合による応用形。
 
[[義賊]]、[[強盗]]、[[殺し屋]]、[[闇金]]、[[女衒]]、[[詐欺#詐欺師|詐欺師]]などが勧悪懲悪の物語では典型的なものとしてある。ただし、単に双方とも悪というわけではなく、主人公側は人情が通じたり、合法的には裁けぬ悪を裁くなど心理的には善、もしくは善寄りであるため、懲罰手段が悪、若しくは所属が悪と同じだけの勧善懲悪であるとも言える。また、勧善懲悪とされるものでも、容赦なく手段を選ばず人情もなく悪人を殺し続ける場合などがあるため、勧悪懲悪との差異は明確ではない。
 
なお、[[必殺シリーズ]]は「清廉潔白とは対極の生活を送る女たらしの按摩師」や「[[賄賂|袖の下]]を喜んで受け取る悪党的な面を持つ一見冴えない中年同心」が「金目当て」・「裏の仕事」として悪と対峙する、というようにさらに「洗練」された形となっており、特に前期必殺シリーズではこれらのテーマ性が強調されていた。
 
=== 勧悪懲悪の例 ===
* [[必殺シリーズ]]
* [[水戸黄門]]
* [[鼠小僧]]に関する諸作品
* [[レッド・スコルピオン]] - [[ドルフ・ラングレン]]主演のアメリカ映画
* [[難波金融伝・ミナミの帝王]] - とくに[[竹内力]]主演の[[映画]]・[[オリジナルビデオ]]版
* [[ホワイトハウス狂騒曲]] - [[エディ・マーフィ]]主演のアメリカ映画
* [[ブラック・エンジェルズ]]
* [[クロサギ (漫画)]]、およびそれを原作とした日本のTVドラマ「[[クロサギ (テレビドラマ)|クロサギ]]」
* [[ポパイ]]
* [[トムとジェリー]]
* [[地獄少女]]
この他、『[[ルパン三世]]』のアニメ版諸作品でも、泥棒である主人公一味が結果的に一国や地球的な規模の巨悪までをも粉砕する展開が少なからず見られる。
 
==脚注 ==