「性的嗜好」の版間の差分

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'''性的嗜好'''(せいてきしこう、{{lang-en|'''sexual preference'''}})とは、[[人間]]の性的行動において、対象や目的について、その人固有の特徴のある方向性や様式を意味する。すなわち、対象や行動目標において特定の好みやこだわりが存在する場合、何らかの性的嗜好を持つと表現できる。ただし、根本的な対象の性別についての方向性に関しては特に'''[[性的指向]]'''と呼び、通常は性的嗜好には含めず分けて扱う。
 
== 概説 ==
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[[キリスト教]]を文化の脊柱に持つ[[西欧]]においては、[[同性愛]]は嗜好の一種で禁忌とされ、[[宗教]]的世俗的にも逸脱で、罪であった。西欧近代においては、社会の[[規範]]に反するとされる性的嗜好の様式が想定されるようになり、[[リヒャルト・フォン・クラフト=エビング|クラフトエビング]]は『性の精神病理』において、異常な性的嗜好・[[性的倒錯]]の類型を症例記載した。
 
しかし、西欧では異常とされた同性愛は、自余の多数の社会においては、特筆すべき異常な嗜好とも、[[精神障害|精神の障害]]とも見なされていなかったことも事実で、[[古代ギリシア|古典ギリシア]]では、男性のあいだの愛は称賛されるものであり、[[古代ローマ]]においては、人間の性的成熟には、[[異性愛]]と[[同性愛]]の両方が必要であるとも考えられていた。そのことは、近代以前の[[日本]]や[[中国]]、また他の非西欧社会でも似たような事情であった。日本でも明治維新前の時代には[[バイセクシャル]]的な考えが必ずしも異常とはされていなかった。
 
[[1980年代]]以降は、国際医学会や[[世界保健機関|WHO]](世界保健機関)により同性愛は「異常」「倒錯」「変態」とはみなさず、治療の対象から外され、同性愛は異性愛と同じ単なる性別対象性として[[性的指向]]という語で嗜好とは分類されている。
 
また、かつては禁忌とされた西欧の多く(オランダなど)で、[[2001年]]以降は[[同性結婚]]が認められているほか、[[国連]]では[[2008年]]に性的指向と性自認に基づく差別の撤廃と人権保護の促進を求める声明が出されている。
 
=== ローマと中国の性的放縦 ===