「コンピュータ囲碁」の版間の差分

削除された内容 追加された内容
編集の要約なし
編集の要約なし
47行目:
2013年からは「[[電聖戦]]」が開催されることとなった<ref>[http://entcog.c.ooco.jp/entcog/densei/denseisen-1st.html 第1回電聖戦]</ref>。これはその年の[[UEC杯コンピュータ囲碁大会]]で決勝に進んだ2つのプログラムが、日本棋院のプロ棋士とハンデ付きで戦うというものである。第1回大会では石田芳夫が4子局で戦い、Zenには中押し勝ちしたもののCrazy Stoneには3目負けした。石田はCrazy Stoneを「アマ六段くらいの力は十分ある。ただ、プロレベルにはまだまだ」と評した。大会実行委員長の伊藤毅志は「プロレベルになるのは約10年後」と語った<ref>[http://mainichi.jp/feature/news/20130325dde012040019000c.html ルポ:第1回電聖戦 囲碁ソフトが3目勝ち 仏大学教員開発の「クレージー・ストーン」] 毎日新聞 2013年3月25日、2013年3月31日閲覧</ref>。
 
2014年2月11日には、[[ドワンゴ]]が主催し日本棋院と電気通信大学が後援する「囲碁電王戦」の第1回が開催された。このイベントでは、[[張豊猷]]八段と[[平田智也]]三段がZenを相手に9路盤でそれぞれ黒と白を1局ずつ持ち、合計4局が互先先番コミ6目半、持ち時間20分・秒読み30秒で打たれ、人間側の4戦4勝となった。Zenの開発者である加藤英樹は「プロ棋士にもミスがあったが、チャンスを生かすことができなかった。これまではコンピューターが打つ手の意外性で人間と戦ってきたが、研究を重ねられて通用しなくなってきたようだ。ソフトに改良を加え、来年こそは勝ちたい」と語り、張は「コンピューターの打ち方を学んでいたからこそ勝てたが、小さい碁盤ではプロとコンピューターは、ほとんど互角だと思う」と感想を話した<ref>[http://www3.nhk.or.jp/news/html/20140211/k10015174611000.html 「囲碁電王戦」プロ棋士が圧勝] NHK NEWS WEB 2014年2月11日、2014年2月13日閲覧</ref>。また、第1回電王戦では[[世界アマチュア囲碁選手権戦 日本代表決定戦]]連覇の実績を持つアマチュア強豪である江村棋弘とZenの13路盤対決、政界きっての打ち手とされる[[小沢一郎]]衆議院議員とZenの19路盤対決も行われており、13路盤対決では江村勝利、19路盤対決ではZenの勝利となっている。
 
モンテカルロ法の限界から(後述)ここ1年程度はプログラムの進歩も頭打ちとなっており、2014年3月の第2回電聖戦では、[[依田紀基]]九段がCrazy Stone(UEC杯準優勝)、Zen(UEC杯優勝)と4子局(下手半目コミ出し)を打ち、Crazy Stoneに2目半負,Zenに中押し勝ちと,第1回とほぼ同じ結果に終わった<ref>[http://entcog.c.ooco.jp/entcog/densei/denseisen-2nd.html 第2回電聖戦]より。なお、手合割の決定に際し、運営委員会は「今年のUEC杯のコンピュータ同士の対戦から、顕著な進歩が見られなかった」としている。</ref>。
 
== 課題 ==
68 ⟶ 70行目:
 
モンテカルロ碁の弱点として、死活など長い一本道の末に決定的な結果が訪れるような手順を見つけにくい点がある。単純なランダム着手によるプレイアウトでは弱いが、着手点を絞るためには手の評価を行わねばならず正確な評価をしようとするほどリソースを消費しプレイアウトの数を減らさざるを得ないという矛盾が生じる。
このため、[[囲碁の形勢判断|目算]]が苦手であるなどの問題点<ref>[http://blog.goo.ne.jp/s-takao-san/e/a9304374a1d0c99575d3dec122589b55 第一回囲碁電王戦初日] たかお日記 2014年2月11日 2014年3月19日閲覧</ref>も明らかとなっている。
 
こうした問題点は2014年2月の段階でも解決されておらず、将棋でコンピュータがプロ棋士を次々と下している([[コンピュータ将棋#人間との対局の歴史|将棋電王戦]]に関する記述を参照)中で、19路盤の囲碁における棋士の優位は全く揺らいでいない。