「D.B.クーパー事件」の版間の差分

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| 名称 = D.B.クーパー事件
| 画像 = DBCooper.jpg
| 脚注 = [[連邦捜査局|FBI]]が公表した[[被疑者]]の似顔絵
| 場所 = {{USA}} [[ノースウエスト航空]]11便
| 緯度度 = |緯度分 = |緯度秒 =
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| 原因 =
| 武器 = [[ダイナマイト]]
| 損害 = [[現金]]200,000[[アメリカ合衆国ドル|ドル]]
| 犯人 = 不明(自称「ダン・クーパー」)
| 容疑 =
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}}
[[ファイル:Rwr727tail.jpg|thumb|250 px|ボーイング727のリアドア。ここから犯人は飛び降りた]]
'''D.B.クーパー事件'''(ディービークーパーじけん)とは、[[アメリカ合衆国]]で発生した、[[身代金]]を要求した[[ハイジャック]]事件である。単独犯による事件であり、パラシュート降下による[[逃亡]]という大胆さなどから、アメリカ国内においてもっとも有名な未解決事件の一つとされる。
 
[[犯人]]は、身代金を受け取った後、飛行中の[[ボーイング727]]の後部にあるドアを開けさせ、現金200,000[[ドル]](2012年現在の貨幣価値にして約1億円)を持って[[パラシュート]]で脱出した。[[検挙]]されず、また犯人の身元も不明な未解決の事件である。後に身代金の一部が[[コロンビア川]]で発見され、実際には犯人は死亡したともいわれているが、死体は発見されていない。
 
「D.B.クーパー」は[[連邦捜査局|FBI]]の手配の際、手違いで広められた犯人の名前であるが、犯人による自称「ダン・クーパー」もまた偽名であることは確実である。
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午後5時45分に[[シアトル・タコマ国際空港]]に緊急着陸後、身代金とパラシュートと引換えに犯人は乗客全員と客室乗務員2名を解放した。午後7時45分にシアトルを離陸し、犯人は機長に対し[[ネバダ州]][[リノ (ネバダ州)|リノ]]に向かえと要求し、高度1万[[フィート]](約3000m)に維持したうえで[[ランディングギア]](車輪)を出し[[フラップ]]の角度を15度下げて飛行するように指示した。こうすることにより、空気抵抗が生じ、時速は320キロまで落ちていた事が判明している。
 
犯人は午後8時11分ごろに、ボーイング727の後部にあった[[リアドア]](昇降用階段)を空中で開き、パラシュートで現金と共に脱出した。その様子は追跡していた空軍の[[F-106 (戦闘機)|F-106]]戦闘機2機は視界がきかなかったため確認できなかったが、犯人はポートランドの北30マイル(約50km)にあるアリエルの郊外に降りたと思われていた。その後当局は18日間[[捜索]]したが彼の行き先に関する手かがりはつかめなかった。
 
ほとんど[[指紋]]を残さないなど、完璧なまでの[[完全犯罪]]にD.B.クーパー人気は社会現象になり、事件のあった日は'''ダン・クーパー・デイ'''として記念日的扱いを受けた。FBIに悪戯で「俺がD.B.クーパーだ」と名乗りだす者が続出したり、ホームパーティーに[[背広|スーツ]]を着用、札束を身につけたクーパーの仮装で登場した者も現れたほどであった。
 
==その後の犯人の行方==
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; 逃亡説
: [[1972年]]には、「パラシュートによって、ハイジャックした旅客機から逃走しようとした事件([[模倣犯]])」が3件発生した。最終的にはいずれも検挙され、「ダン・クーパー」だけが逃げ切ったと思われていた。
:捜査当局が「ダニエル・B・クーパー」を被疑者として拘束したため、「D.B.クーパー」が被疑者であるかの誤解を[[報道機関]]に与え、世間一般に後者の名が広まった。
; 死亡説
: [[1980年]][[2月13日]]、[[ワシントン州]]バンクーバー郊外の[[コロンビア川]]のそばで、ピクニックに来ていた家族によって、身代金の一部5800ドル(20ドル紙幣の束であったという)が発見された。
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: 彼が使用したパラシュート2つのうち、1つは地上訓練用の空中では展開しないダミーであったため、「パラシュートが開かずに墜落死した」という説もあった。
; 逃亡して死んだ説
: 2011年8月2日付の「[[ロサンゼルス・タイムズ]]」など複数の[[海外]][[マスメディア|メディア]]によると、FBIの特別捜査官が「約10年前に[[老衰]]で死亡した男性の正体がD.B.クーパーである」という[[証言]]を入手。現在、死亡した男性の[[指紋]][[DNA]]と、事件当時機内に残された指紋、遺留物に付着した[[DNA鑑定]]が行われている。この結果、同一人物であると判明した場合、犯人は犯行後に約30年間逃げ延びた後、逮捕されずに死んだことになる<ref>[http://www.jiji.com/jc/c?g=int_30&k=2011080400083 伝説の乗っ取り犯は叔父=女性が米テレビに証言] - 2011年8月4日 時事ドットコム</ref>
; その他
: [[1991年]]に[[出版]]された書籍には、「1972年に同様の事件を起こした元軍人の男性(リチャード・マッコイ)が犯人ではないか」という説が書かれた。リチャードは元軍人。今はダイビングのインストラクターとD.B.クーパーの犯人像に重なったばかりか、人相も酷似していた。身代金を奪取してパラシュートで降下したが、逮捕されて[[懲役]]45年を宣告され、後に[[脱獄]]に成功したが潜伏先をFBIに追い詰められ射殺された。
: [[2000年]]、ある女性が、[[1995年]]に死んだ夫につき「夫が死ぬ間際に、『ダン・クーパー』であったと告白した」とする記事が「U.S. News and World Report」に掲載された。同記事は「夫の筆跡と、犯人メモのの筆跡がよく似ていること」などを根拠にする。
 
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: ドラマ『[[プリズン・ブレイク]]』には、登場人物である「チャールズ・ウェストモアランドが、実はD.B.クーパーである」と、他の囚人から噂される描写がある。チャールズは犯行後、着地の際に足を負傷して、金を土に埋めた後、自動車の運転で人をはねて逮捕されている。
; NUMBERS
: ドラマ『[[NUMB3RS]]』のシーズン6、10話には処分の為輸送される古札を狙った連邦準備銀行強盗団を制圧した際、D.B.クーパーが盗んだとされる紙幣が紛れていた話が有り、D.B.クーパーが複数犯で、主犯格は仲間に殺されていて残った1人も[[多発性骨髄腫]][[余命]]4カ月、ほとんどの金は主犯格が[[虐殺]]した[[ベトナム]]、ヌバク村の[[復興]]に送られたことになっている。
; 映画「ハイジャック・コネクション/クーパーの大仕事」
: 冒頭でD.B.クーパー事件を元にしたハイジャック事件が描かれる。物語のほとんどは保険調査員(クーパーの軍隊時代の元上官)がクーパーを追跡するフィクション。