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{{Infobox Musician <!--プロジェクト:音楽家を参照-->
| Name = フランク・ブリッジ<br/>Frank Bridge
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{{Portal クラシック音楽}}
'''フランク・ブリッジ'''('''Frank Bridge''', [[1879年]][[2月26日]] - [[1941年]][[1月10日]])は[[イギリス]]の[[作曲家]]、[[弦楽器|弦楽奏者]]、[[指揮者]]。[[グスターヴ・ホルスト|ホルスト]]や[[レイフ・ヴォーン・ウィリアムズ|ヴォーン・ウィリアムズ]]らによる[[民謡]]に依拠した作風が[[20世紀]]初頭のイギリス楽壇の主流となる中にあって、同時代の[[ヨーロッパ大陸]]のさまざまな新音楽([[印象主義音楽|フランス印象主義]]、[[ロシア象徴主義]]、[[表現主義音楽|ドイツ表現主義]])に触発されつつ、独自の[[前衛音楽]]を貫いた。このため存命中は、[[ベンジャミン・ブリテン]]の恩師としてのみ名を残すも、作曲家としては孤立し、ほとんど顧みられなかった。だが[[1970年代]]に「前衛の衰退」が叫ばれる中、ポスト・[[グスタフ・マーラー|マーラー]]世代の忘れられた作曲家の一人として、その進歩性が再評価されるようになる。
 
== 生涯 ==
[[ブライトン]]出身。父親は避暑地に勤める[[指揮者]](または[[バンドマスター]])であった。[[ロンドン]]に上京して[[王立音楽大学]]に進み、[[1899年]]から[[1903年]]まで[[チャールズ・ヴィリアーズ・スタンフォード]]の薫陶を受ける。[[ヴィオラ]]奏者としてイギリス弦楽四重奏団に加わったほか、[[ヨーゼフ・ヨアヒム|ヨアヒム四重奏団]]の補助要員も務めた。また[[指揮者]]としても活動し、[[{{仮リンク|エリザベス・スプラーグ・クーリッジ|label=エリザベス・クーリッジ夫人]]|en|Elizabeth Sprague Coolidge}}の援助のもとに[[作曲]]に没頭できるようになるまでは、[[ヘンリー・ウッド]]の代理を務めることもあった。特定の教育機関に属さず、フリーランスの音楽教師としても活躍し、とりわけ高弟[[ベンジャミン・ブリテン]]が著名である(青年時代のブリテンに、[[ウィーン]]往きと[[アルバン・ベルク]]の許での[[留学]]を薦めたのがブリッジであったとも言われる)。1941年1月10日にイーストボーンにて他界した
 
ブリテンは、恩師の作品を擁護すべく尽力し、「[[フランク・ブリッジの主題による変奏曲]]」([[1937年]])に、ブリッジの「弦楽四重奏のための3つの牧歌」([[1906年]])から第2曲を用いたり、恩師のその他の作品を上演したりした。とりわけ、[[ロストロポーヴィチ]]との共演による、「[[チェロ・ソナタ]] ニ短調」([[1913年]] - [[1917年|17年]])の録音は有名である。
 
== 作品 ==
[[管弦楽曲]]「{{仮リンク| (ブリッジ)|label=海|nl|The Sea (Bridge)}} ''The Sea'' 」([[1911年]])や[[チェロ協奏曲]]「{{仮リンク|祈り (チェロ協奏曲)|label=祈り|nl|Oration}} ''Oration'' 」([[1930年]])、児童向け[[オペラ]]「[[クリスマス・ローズ]] ''The Christmas Rose'' 」([[1929年]]完成、[[1932年]]初演)といった大作があるものの、今日では[[室内楽]]の作曲家として高く評価されている。
 
初期作品では、恩師スタンフォードや[[ヨハネス・ブラームス|ブラームス]]、[[カミーユ・サン=サーンス|サン=サーンス]]らの影響のもとに、後期[[ロマン派音楽]]の流れに沿って作風を繰り広げたが、[[第一次世界大戦]]に打撃を受けたことを機に次第に調性の浮遊した作品が増え、後期作品では、たとえば[[新ウィーン楽派]]に影響された「弦楽四重奏曲 第3番」([[1926年]])や「同 第4番」([[1937年]])のように、[[和声]]的に見て急進的で、非常に個性的になっている。ヴィオラ奏者として、[[クロード・ドビュッシー|ドビュッシー]]や[[モーリス・ラヴェル|ラヴェル]]の[[弦楽四重奏曲]]のイギリス初演にもかかわった経験から、これらの作品(とりわけ和声法)にも影響されている。戦死した親友[[アーネスト・ファーラー]]を偲んで作曲された「[[ピアノソナタ|ピアノ・ソナタ]]」([[1922年]] - [[1925年|25年]])や、「小川の枝垂れ柳 ''There is a willow grows aslant a brook'' 」([[1927年]])では、たとえば[[ハ短調]]の主和音と[[ニ長調]]のそれを組み合わせたような、[[神秘和音|合成和音]]の鋭い響きへの好みが認められ(「ブリッジ和音」)、結果的に[[アレクサンドル・スクリャービン|スクリャービン]]の後期や[[ニコライ・ロスラヴェッツ|ロスラヴェッツ]]の初期の作風に似ている。有名な「{{仮リンク|ピアノ三重奏曲第2番 (ブリッジ)|label=ピアノ三重奏曲第2番|nl|Pianotrio nr. 2 (Bridge)}}」([[無調]]、[[1929年]])は、同時期の[[カロル・シマノフスキ|シマノフスキ]]の作品に似て、聴き手を眠りに誘なうような、静かでゆっくりとした、中東風の楽章から始まる。左手のためのピアノ曲集「3つの即興 Three Improvisations」(1919年)は、[[舘野泉]]の舞台復帰の契機となった作品として有名になった。
 
== 主要作品一覧 ==
{{main|ブリッジの楽曲一覧}}
#<small>弦楽四重奏曲第1番の副題は、イタリアで催された作曲コンテストに入賞したことにちなむ。ブリッジがボローニャ四重奏団のメンバーだったというわけではない。</small>
#<small>初期の室内楽曲に「ファンタジー」という名称の単一楽章の作品が多いが、これらは作曲コンクールの提出作品として、そのような規定に従ったためである。この場合の「ファンタジー」は、「幻想曲」という近代的な意味でなく、16世紀イギリス・[[ルネサンス音楽]]への復古的な意図がこめられていた。古風な綴りもそれによっている。</small>
 
=== 管弦楽曲、協奏的作品 ===
* 交響組曲「{{仮リンク| (ブリッジ)|label=海|nl|The Sea (Bridge)}}」 'The Sea', symphonic suite (1910-11) ※ブリテンの『4つの海の間奏曲』(『[[ピーター・グライムズ]]』から)への影響が指摘されている。
* 交響詩「夏」 'Summer', symphonic poem (1914)
* 弦楽合奏のための「哀歌」:[[ルシタニア号事件|ルシタニア号]]沈没の犠牲者キャサリンの追憶に Lament for string orchestra (1915)
* 管弦楽のための二つの詩曲 Two Poems for orchestra (1916)
* 狂詩曲「春よ来い(早春)」 rhapsody 'Enter spring' (1927)
* 弦楽合奏のためのクリスマス舞曲「サー・ロジャー・ド・カヴァリー」 'Sir Roger de Coverley' - Christmas dance (1922)
* 悲歌的協奏曲「イノ{{仮ンク|祈り (チェロ協奏曲)|label=祈り|nl|Oration}}」 'Oration: Concerto Elegiaco' (1930)
* ピアノと管弦楽のための狂詩曲「死霊」'Phantasm', rhapsody (1931)
 
=== 室内楽===
;==== 弦楽四重奏曲 ====
* 3つのノヴェレッテ Three Novelletten (1904)
* ファンタジー ヘ短調 Phantasy for string quartet (1905)
* 弦楽四重奏のための「3つの牧歌」 Three Idylls (1906)
* 弦楽四重奏曲 第1番「ボローニャ」ホ短調 String Quartet No. 1 'Bologna' (1906)
* 弦楽四重奏曲 第2番 ト短調 String Quartet No. 2 (1915)
* 弦楽四重奏曲 第3番(無調) String Quartet No. 3 (1926)
* 弦楽四重奏曲 第4番(無調) String Quartet No. 4 (1937)
* ロンドンデリーの歌(民謡編曲) An Irish Melody "Londonderry Air" (1908)
* 横町のサリー(民謡編曲) Sally in Our Alley (1912)
* 熟したさくらんぼ(民謡編曲) Cherry Ripe (1916)
 
;==== ピアノつきアンサンブル作品 ====
* ピアノ五重奏曲 ニ短調 Piano Quintet (1904/12)
* ピアノ四重奏のためのファンタジー 嬰ヘ短調 Phantasie Piano Quartet (1910-11)
* ピアノ三重奏のためのファンタジー(ピアノ三重奏曲 第1番)ハ短調 Phantasie Trio (1907年ごろ)
* ピアノ三重奏曲 第2番(無調) Piano Trio No. 2 (1929)
 
;==== その他 ====
* 弦楽六重奏曲 String Sextet (1906/12)
* 弦楽五重奏曲 String Quintet (1901)
* チェロ・ソナタ Sonata for Cello and Piano (1913-1917)
* ヴィオラとピアノのための「沈思せる人」 Pensiero (1905)
* ヴィオラとピアノのための「アレグロ・アパッショナート」 Allegro Appassinato (1908)
* 2つのヴィオラのための「哀歌」 Lament for two violas (1912)
 
=== ピアノ曲 ===
* 3つのスケッチ three sketches (1906)
* 4つの個性的な小品 four characteristic pieces (1915)
* 3つの抒情詩 three lyrics (1921)
* ピアノ・ソナタ piano sonata (1925)
 
=== 歌曲 ===
*4つの個性的な小品 four characteristic pieces (1915)
* 過ぎ去るな、幸せなこの日よ
 
=== 合唱曲 ===
*3つの抒情詩 three lyrics (1921)
* 合唱と管弦楽のための「祈り」 'A Prayer' for chorus and orchestra (1916)
 
== 外部リンク ==
*ピアノ・ソナタ piano sonata (1925)
* [http://www.netreach.net/~druid/FrankBridge.html Frank Bridge pages]作品一覧やディスコグラフィを含む(英語)
* [http://www.ne.jp/asahi/mms-classic/mmwsp03f/bridge.htm ブリッジのページ]
* [http://www.geocities.co.jp/MusicHall/6119/museum/bridge/ フランク・ブリッジ Frank Bridge (1879-1941)]
 
[[Category{{DEFAULTSORT:1879年生|ふりつし ふらんく]]}}
===歌曲===
*過ぎ去るな、幸せなこの日よ
 
[[Category:イギリスングランドの作曲家|ふりつし ふらんく]]
===合唱曲===
[[Category:イギリスングランドのヴィオラ奏者|ふりつし ふらんく]]
*合唱と管弦楽のための「祈り」 'A Prayer' for chorus and orchestra (1916)
[[Category:近現代の作曲家|ふりつし ふらんく]]
 
[[Category:1879年生]]
==外部リンク==
[[Category:1941年没|ふりつし ふらんく]]
*[http://www.netreach.net/~druid/FrankBridge.html Frank Bridge pages]作品一覧やディスコグラフィを含む(英語)
*[http://www.ne.jp/asahi/mms-classic/mmwsp03f/bridge.htm ブリッジのページ]
*[http://www.geocities.co.jp/MusicHall/6119/museum/bridge/ フランク・ブリッジ Frank Bridge (1879-1941)]
 
[[Category:1879年生|ふりつし ふらんく]]
[[Category:1941年没|ふりつし ふらんく]]
[[Category:イギリスの作曲家|ふりつし ふらんく]]
[[Category:近現代の作曲家|ふりつし ふらんく]]
[[Category:イギリスのヴィオラ奏者|ふりつし ふらんく]]