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進化の[[歴史]]上で、ある段階で発達した器官が、その後に退化を始めることは珍しくない。しかし、逆に退化した器官があらためて発達することは稀であり、退化によって消失した器官が、再び復活するという例は少ない<ref>{{cite journal | author = Goldberg EE, Igić B | title = On phylogenetic tests of irreversible evolution | journal = Evolution | year = 2008 | volume = 62 | issue = 11 | pages = 2727-41}} PMID 18764918</ref><ref>{{cite journal | author = Collin R, Miglietta MP | title = Reversing opinions on Dollo's Law. | journal = Trends Ecol Evol. | year = 2008 | volume = 23 | issue = 11 | pages = 602-9}} PMID 18814933</ref>。例えば[[鳥類]]の前肢は[[翼]]になり、この過程で親指以外の指は退化している。地上動物として生活する鳥類は多くあるが、[[歩行]]や把持のために再び前肢に指を備えた鳥はなく、いずれも[[くちばし]]や後肢で前肢の機能を代用している。唯一、[[南アメリカ]]の[[ツメバケイ]]で幼鳥の親指に爪がある程度である<ref>[http://www.islamcan.com/islamic-books/japanese/darwinism-refuted-jp.doc Free Japanese Islamic Books『反証されたダーウィニズム』]ただし、ワード文書である。</ref>。このように、退化による消失の不可逆性のことを、「進化非可逆の法則」もしくは提唱者である[[ベルギー]]の[[古生物学]]者の名にちなんで「{{仮リンク|ドロの法則|en|Dollo's law}}」という<ref>生物学辞典「ドロ」</ref>。
 
なお、様々な器官が同時に退化傾向を示す例があり、そのような生物では体制そのもの退行してしまう現象がある。特に[[寄生]]性の動物ではその傾向が強く見られる。[[寄生虫]]の生活では、[[摂食器官]]、[[消化器官]]、[[感覚器官]]、[[運動器官]]などを使う必要が少なく、退化することが多い。それが極端に進んだ場合、例えば[[消化管]]が完全に失われ、[[循環系]]や[[排出系]]も退化し、本来その動物[[門 (分類学)|門]]のもつ基本的構造までもが失わる<ref>生物学辞典「寄生動物」</ref>。
 
[[中生動物]]門は、多細胞ではあるが[[組織 (生物学)|組織]]や[[器官]]をもたず、[[原生動物]]と[[後生動物]]の中間に位置するとしてこの名がつけられたが、最近では後生動物が[[寄生]]生活によって単純化したものと考えられている。さらに、[[粘液胞子虫]]類は細胞内寄生の[[単細胞生物]]であるが、近年、どうやらこれも[[後生動物]]が寄生生活によって、単細胞段階にまで退行的進化を遂げた結果と言われるようになっている<ref>{{cite journal | author = Yokoyama H | title = Life Cycle and Evolutionary Origin of Myxozoan Parasites of Fishes. | journal = Jpn J Protozool | year = 2004 | volume = 37 | issue = 2 | pages = 1-9}} (魚類に寄生する粘液胞子虫の生活環と起源) [http://wwwsoc.nii.ac.jp/jsproto/journal/jjp37/001-009.pdf PDF]</ref>。