「クイーン・エリザベス級戦艦」の版間の差分

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== 主砲 ==
[[File:HMS Queen Elizabeth forward guns Gallipoli 1915 AWM G00224.jpeg|left|200px|thumb|写真はクイーン・エリザベスの前部主砲塔]]
本級の前述通りに新設計の「Mark I 38.1cm(42口径)砲」を採用している。これを[[砲塔|連装砲塔]]に納めた。その性能は重量871kgの主砲弾を最大仰角20度で最大射距離2122,702m850m前後<ref name=n67>世界の艦船増刊第67集</ref>まで届かせる事ができる性能で、射距離13,582mで舷側装甲305mmを、射距離18,020mで279mmを貫通できる性能であった。装填機構は自由角度装填で仰角20度から俯角5度の間で装填でき、発射速度は竣工時は毎分2発であった。砲身の仰角は15度・俯角5度で動力は蒸気ポンプによる水圧駆動であり補助に人力を必要とした。砲塔は左右各150度の旋回が可能であった。
 
1番艦クイーン・エリザベスの主砲を管制する射撃式装置は、自艦と目標艦との間の距離変化率を求めるドゥマリック(Dumaresq)計算尺が付いたファイア・コントロール・テーブル(FCT:Fire Control Table)MkIVであった。FCTは第一次世界大戦前に英海軍士官F.C.ドライヤー(F.C.Dreyer)によって開発され、ドライヤー・テーブル(DT:Dreyer Table)とも呼ばれた機械式距離計算機である。最初のバージョンであるFCT MkIは戦艦ドレッドノートのほか、初期のド級戦艦10隻以上に装備された。19世紀末に開発された測距儀(Range Finder)は自艦から目標艦までの距離を正確に測定できる画期的な装置であったが、自艦・目標艦とも高速で移動するため、測距時と発砲時との間に変化する距離を把握必要性などから、FCTが開発されたのである<ref name=n67></ref>。
 
FCT MkIV*(「*」は注記の意味ではなく「Mk IV*」で正式名)が2番艦以降に装備され、クイーン・エリザベスも1920年前後に換装した。目標を照準する方位盤も第一次大戦頃には現代の方位盤に近い形態で完成しており、測距儀とともに前檣および司令塔上に設置された。さらにFCTを小型化したタレット・テーブル(Turret Table)と称する装置及び測距儀が各砲塔に装備され、中央射撃指揮所の管制を受けずに、各砲塔が独立して射撃する事も可能であった<ref name=n67></ref>。
 
クイーン・エリザベス、ウォースパイト、ヴァリアントの3艦については、1937~1940年の改装時に砲塔をMkIからMkI/Nに改修して最大仰角が30度になり、最大射程は30,000ヤード(27,420m)前後に延伸した<ref name=n67></ref>。
 
1942年初めまでに主砲管制用284型射撃指揮レーダーが装備され、さらに高角砲管制用に測距儀/285型射撃指揮レーダー付き方位盤が装備されている<ref name=n67></ref>。
 
=== 副砲、その他備砲、雷装等 ===
[[File:HMS Warspite 6 inch gun casemate closeup.jpg|200px|thumb|写真はウォースパイトの副砲]]
副砲については参戦前に2度の改装で大きく変更されている。
副砲は「Mark XII 15.2cm(45口径)速射砲」を引き続き16基(クイーン・エリザベスは14基)採用した。その性能は重量45.36kgの砲弾を最大仰角14度で射距離12,344mまで届かせる事ができる性能であった。装填機構は自由角度装填で仰角14度から俯角7度の間で装填でき、発射速度は竣工時は毎分5~7発であった。砲身の仰角は15度・俯角5度で動力は人力とした。旋回角度は120度であった。その他に対戦艦用に53および3インチ(7.3cm水中[[魚雷発射管]]を6cm)単装で4門高角砲2基を装備した。一部の艦ではこれらを撤去し、俯仰角範囲が広くて(最大仰角80度)、高発射速度(12発/分)の45口径4.5インチ(11.4cm)連装両用砲または45口径4インチ(10.2cm)連装高角砲で対空防御を強化している
 
その他に対戦艦用に53.3cm水中[[魚雷発射管]]を単装で4門を装備した。
 
==航空兵装==
英国ではレーダーの発達や空母搭載機の威力増大を背景に、戦艦の航空兵装を否定する意見が強く、他の戦艦と同様に本級も1943年前後には水偵を陸揚げしている<ref name=n67></ref>。
 
== 戦歴 ==
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*「世界の艦船増刊第30集 イギリス戦艦史」(海人社)
*「世界の艦船増刊第67集 第2次大戦時のイギリス戦艦」(海人社)
 
==出典・脚注・引用==
<references />
 
== 関連項目 ==