「ピカレスク小説」の版間の差分

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特徴としては、直截的で口語的な語りと皮肉の口調の文体の中にもユーモアを加えるところ、[[貴種|高貴な血筋]]の生まれではない主人公が、冒険という非日常ではなく現実という日常を舞台に生きるための闘いを繰り広げ、繁栄の中で当時多くの社会的矛盾を内包するスペインを批判的なまなざしで記している事、などが挙げられる。
 
作者不詳の『[[ラサリーリョ・デ・トルメスの生涯|ラサリーリョ・デ・トルメスとその幸運と逆境の生涯]]』<ref group="注釈">''La Vida de Lazarillo de Tormes y de sus fortunas y adversidades''、普通『ラサリーリョ・デ・トルメス』と略す。</ref>(現存最古のものは[[1554年]])は、後述する『ピカロ:グスマン・デ・アルファラーチェの生涯』からさかのぼって、ピカレスク小説のはじまりとされる{{要出典|date=2009年4月}}。主人公ラサリーリョは社会的に差別されていた盲者、司祭、郷士に主人として仕え、彼らの偏屈な行動をピカロの独特な視点からメランコリックで皮肉的に、しかし同情的に親しみを込めて物語る。そこにはある種の親しみやすさがあり、好景気にわく16世紀的楽観さがまだある。
 
== 語源 ==