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{{出典の明記|date=2010年9月}}
{{otheruses|高い潜在能力を持つギフテッドと呼ばれる英才児|努力(先取り学習)で高い学力を身に着けた高達成者と呼ばれる英才児|早期教育}}
'''ギフテッド''' ('''Gifted''')
ギフテッド (gifted)は、贈り物を意味するギフト (gift) が語源で、神あるいは天から与えられた資質、つまり遺伝による生まれつきの特質と言える「ギフテッドの才能を伸ばす」という言い方はできるが、「こうすればギフテッドになる」とは言わない。
早
'''タレンテッド'''と
[[Image:Gifted class.jpg|right|thumb|ギフテッド・クラスにて[[理科]]の授業を見学する[[ローラ・ブッシュ|ブッシュ大統領夫人]](中央)]]
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== 多重知能の概念から見たギフテッド ==
=== 多重知能の概要 ===
多
多
Gardnerは『Frames of Mind (Gardner 1983/1994)』の中で、ギフテッドの知能は古典的な知能の分野の他にもあると述べている。多重知能理論の概念はそうした、さらなる知能の形が存在
Gardnerは多重知能には以下のような種類があると示唆している:言語的知能、論理数学的知能、音楽的知能、空間的知能、身体運動的知能、博物的知能、対人的知能、内省的知能。
ただし、知能がこうした様々な形で複合的に発現するとしても、それぞれが別個の知能と言えるかどうかは実証データが乏しく推論の域を出ていない。
こ
== ギフテッドの判別法 ==
=== 概要 ===
ギフテッドの生徒の指導には特別な配慮が必要だと考えられ、学校機関が重要な課題として「ギフテッド」の公式な選別方法を模索し始めた。[[20世紀]]にはしばしば[[知能指数|IQ]][[知能検査|テスト]]を
=== ギフテッドの定義 ===
か
1980
Joseph Renzulli (1978) の「three ring定義」は詳しい研究から得られたギフテッドの概念の一つである。これはギフテッド個人というよりギフテッドの行動の定義で、その行動は以下の三つ
ギフテッドの行動を実現できる者とは、こうした三つの特徴を総合的に持っている人、あるい相互的
Susan K. Johnsenは『ギフテッドの子供の判別法:実践ガイド』の中で、ギフテッドの生徒とはアメリカ合衆国によるギフテッドおよびタレンテッドの定義に含まれた分野において高い潜在能力を示す生徒であると説明している。<sub><ref name=johnsen>Johnsen, S. K. (2004). Identifying Gifted Students: A Practical Guide." Waco, Texas: [http://www.prufrock.com/ Prufrock Press, Inc.](英語版脚注)</ref></sub>。
:''子
この定義の一部あるいはすべてがアメリカ合衆国の大半の州で採用され、また大半の州が下記の[[テキサス州]]の例と似通った定義を用いている。
:''ギ
これらの定義の大きな特徴として以下の事柄が挙げられる。
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アメリカの多くの学校ではギフテッドの生徒を選別するために、能力や可能性を様々な方法で判定する<ref name=johnsen />。生徒の過去の作品集、教室での観察、達成度テストや[[知能検査]]などである。教育現場の専門家の多くは、選別の方法を何か一つ使用するだけでは正確にギフテッドを見極めることはできないと考えており、総合的な判断をする。
選
現在、ギフテッドの概念はより広範に考察されているが、確立された単一の定義・選定基準はない。
た
IQの判定はテストの種類、作製者によっても基準が異なる。またIQテストは、高いIQの者同士の優劣を判定するには妥当ではない。ある人がギフテッドかどうかを判別するにはある程度有効だが、どの程度のレベルのギフテッドであるかを測定するものではない。[[Wechsler Adult Intelligence Scale|ウェクスラー成人知能検査]]のIQ最高値が160であることから、ギフテッドの判別に関する著者の一部には[[知能検査#開発の歴史|スタンフォード・ビネー法]] L-M版を並外れたギフテッドを選別できる唯一のテストとして推奨する者もいる。しかし、スタンフォード・ビネー法 L-M版は廃れた測定方法を用いており、これまでアメリカにおいても標準的なテストとして用いられたことがない。
幼い子供のIQ測定は、さらに議論が必要となる。<br />
ま
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高い[[論証]]能力、独創性、好奇心、想像力、洞察力、芸術性、共感的理解、豊富な語彙、優れた記憶力を持つ傾向にある。わずかの反復で全体概念を修得できやすい傾向である。
ギ
==二重に例外的な ( Twice exceptional ) 場合==
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== 日本にギフテッドが浸透しない理由 ==
[[ギフテッド教育]](GATE
日本では、教育機関でなく主に医師や医療関係者などからギフテッドと診断される事も病気や精神病と誤解される理由の1つである。
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日
[[上智大学]]の[[加藤幸次]]は、欧米と日本との「人間観の相違点」として次のように述べている<ref>[http://www.nichibun-g.co.jp/library/sei-kyoshitsu/037/s370104.htm アメリカにおける能力別グループ指導]</ref>。
<blockquote>''欧
''実
</blockquote>
[[恒吉僚子]]の著書『人間形成の日米比較』にも同様の記述が見られる<ref>[http://www.nuclear.jp/~madarame/lec1/tsuneyoshi.html 東京大学工学部システム創成学科 班目春樹 社会のための技術講義ノート]</ref>。
<blockquote>''アメリカにくらべ、日本では、「児童間の学業成績の差はなぜ生じるのですか」という質問を教師や親にした場合、生来の能力差以外の理由が好まれることは、H・スチーヴンソンやW・カミンズなどの数々の研究者によって繰り返し示されてきた。
''学
''これに対して、アメリカでは、日本よりも生来の能力差を肯定する傾向があることは、幾度となく指摘されてきた。''
''「生
現在の日本社会にそぐわない知性論そのものを周知させることが、常に逆差別や感情論などを引き起こし議論を停滞・誤解させる危険を伴う。
また「ギフテッドは生まれつき」という概念を浸透させるには、血にこだわり建前として能力平等を前提とする日本社会において遺伝子論争や[[優生学|優生]]思想を避けては通れないため、ギフテッド・プログラム導入には非常に慎重にならざるを得ない。
ア
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