「クロム」の版間の差分

削除された内容 追加された内容
編集の要約なし
91行目:
|isotopes=
{{Elementbox_isotopes_decay | mn=[[クロム50|50]] | sym=Cr
| na=4.345 % | hl=> [[1 E24 s|1.8×10<sup>17</sup> y]]
| dm=[[二重電子捕獲|εε]] | de=-| pn=[[チタン50|50]] | ps=[[チタン|Ti]]}}
{{Elementbox_isotopes_decay2 | mn=[[クロム51|51]] | sym=Cr
97行目:
| dm1=[[電子捕獲|ε]] | de1=- | pn1=[[バナジウム51|51]] | ps1=[[バナジウム|V]]
| dm2=[[ガンマ崩壊|γ]] | de2=0.320 | pn2= | ps2=-}}
{{Elementbox_isotopes_stable | mn=[[クロム52|52]] | sym=Cr | na=83.789 % | n=28}}
{{Elementbox_isotopes_stable | mn=[[クロム53|53]] | sym=Cr | na=9.501 % | n=29}}
{{Elementbox_isotopes_stable | mn=[[クロム54|54]] | sym=Cr | na=2.365 % | n=30}}
|isotopes comment=
}}
 
'''クロム''' ({{lang-en-short|chromium}}, {{lang-la-short|chromium}}) は[[原子番号]]24の[[元素]]。[[元素記号]]は '''Cr'''。[[クロム族元素]]の1つ。銀白色の[[金属]]で、硬く、[[融点]]は1903 {{℃}}、[[沸点]]は2200 {{℃}}(他に融点に関しては1857 {{℃}}、沸点に関しては2670 {{℃}}、2690 {{℃}}という値がある)。常温、常圧で安定な[[結晶構造]]は、[[体心立方構造]] (BCC)。表面はすぐさま酸化皮膜に覆われ[[不動態]]を形成するので[[錆|さび]]にくく、[[鉄]]の[[めっき]]によく用いられる(クロムめっき)。希[[塩酸]]、[[希硫酸]]には溶けるが、[[濃硝酸]]、[[王水]]など[[酸化]]力の強い[[酸]]には[[不動態]]をつくり[[反応]]しにくい。クロムに1 %程度の[[マンガン]]を混ぜると[[反強磁性]]金属となる。別名:'''クロミウム'''。
 
== 歴史 ==
109行目:
 
== 用途 ==
金属としての利用は、光沢があること、固いこと、[[腐食|耐食性]]があることを利用するクロムめっきとしての用途が大きい。また、鉄と[[ニッケル]]と10.5 %以上のクロムを含む[[合金]]([[フェロクロム]])は[[ステンレス鋼]]と呼ぶ。ステンレス鋼ではクロムが不動態皮膜を形成するため、ほとんど[[錆]]を生じないので[[車両]]や[[機械]]といった重工業製品から[[流し台]]、[[包丁]]などの[[台所|台所用品]]まで幅広い用途がある。
 
この金属は、[[日本]]国内において[[産業]]上、重要性が高いものの、産出地に偏りがあり供給構造が脆弱である。日本では、国内で消費される[[鉱物]][[資源]]の多くが他国からの[[輸入]]で賄われている実情から、万一の国際情勢の急変に対する[[安全保障]]策として、国内消費量の最低60[[日]]分を国家[[備蓄]]すると定められている。
118行目:
1日の必要量は、50-200 µg。クロムを多く含む[[食品]]は、[[酵母|ビール酵母]]、[[レバー (食材)|レバー]]、[[エビ]]、未精製の[[穀物|穀類]]、[[豆|豆類]]、[[キノコ|キノコ類]]、[[コショウ|黒胡椒]]などである。
 
もともと、クロムは体内に吸収されにくいミネラルであるが、穀物を精製するとクロムが大幅に失われてしまう問題が存在する。[[小麦粉]]の場合、精白すると98 %のクロムが失われ、[[米]]を精米すると92 %のクロムが失われるとされている。そのため、体内へのクロム吸収率の向上を図った[[サプリメント]]なども開発・販売されている。また精製された砂糖にはクロムの体外排出を促進してしまう働きがあるため、クロムを効率よく摂取する際にはこれらを極力控える必要がある。
 
== クロムの毒性 ==