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== 概要 ==
水上艦もしくは
対潜ミサイルは、空中を飛翔し、潜航中の潜水艦直上に[[弾頭]]部を投下する。弾頭部には爆雷<ref>弾頭に[[核爆雷]]を使用するものも存在した</ref>や短魚雷が用いられる。[[魚雷発射管]]などからの魚雷発射に比べると、目標への到達時間と駛走距離(しそうきょり)が短縮されるため、弾頭である短魚雷の燃料が得られ、また、目標の移動が最小の内に対抗手段を施す余裕を与えずに攻撃する事が可能である。また、目標とされた潜水艦からは空中を飛翔する[[ミサイル]]の探知・迎撃・回避が困難である。
== 構成 ==
対潜ミサイルは
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本[[兵器]]は発射プラットフォームの違いによって、水上艦発射対潜水艦ミサイル(Surface or Ship to Underwater Missile; '''SUM''')と、潜水艦発射対潜水艦ミサイル(Underwater to Underwater Missile; '''UUM''')に分けられる。
その運用は比較的探知距離が長く発射機を搭載しやすい水上艦によって行われることが多い。[[潜水艦]]での運用は、排水量が限られ搭載
対潜水艦戦([[対潜戦]])の主力は[[潜水艦#攻撃型潜水艦|攻撃型潜水艦]]に加えて[[対潜哨戒機]]や[[対潜哨戒機#哨戒ヘリコプター|対潜ヘリコプター]]のような航空戦力が担うようになり、[[冷戦]]終結以後は潜水艦の新たな技術的飛躍もないこともあって、対潜ミサイルの開発事例はあまり多くない。
本兵器は探知された水中の目標潜水艦に向けたおおよその方向に発射され、目標上空で
{{-}}
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; ASROC
: RUR-5 ASROCは、[[アメリカ合衆国]]が[[1961年]]に開発したSUMである。ASROCとは"Anti-Submarine Roket"の意味である。"Match Box"や"Pepper Box"と呼ばれる四角い箱型のMk.112 八連装[[ランチャー]]に格納されていて、発射時には旋回・俯仰してそのまま発射される。大型艦では[[自動装填装置]]による再装填も可能となっている。Mk.112は4列2段、上下2本組が横に4つ並び、4組は独立して俯仰が可能である。また、Mk.10やMk.26などの[[艦対空ミサイル]]発射機からも発射が可能である。
:
: 対潜魚雷としては[[Mk44 (魚雷)|Mk.44]]/[[Mk46 (魚雷)|Mk.46]]が使用された。Mk.44は直径324mmの電池魚雷で、34kgの炸薬を弾頭とする雷速30[[ノット]]で航走距離5.5kmのアクティブ音響誘導魚雷である。Mk.46は直径324mmの斜盤機関魚雷で、44kgの炸薬を弾頭とする雷速40ノットで航走距離11kmのパッシブ・アクティブ併用の音響誘導魚雷である。
: ASROCは[[アメリカ海軍]]から友好国へ供与され、14ヶ国で使用されている。特に[[海上自衛隊]]では[[1966年]]就役の「[[やまぐも (護衛艦)|やまぐも]]」以来[[護衛艦]]の対潜兵器として重用し、[[ちくご型護衛艦|2,000トン以下の小型艦]]にもアスロック・ランチャーを装備しているほか、ランチャーとミサイルを[[ライセンス生産]]して74式アスロックSUM発射機として装備している。弾頭は米国製Mk.46対潜魚雷のほか自国製の[[73式魚雷|73式短魚雷]](G-9B)や[[97式魚雷|97式対潜魚雷]](G-RX4)を搭載している。
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<!--[[en:RUM-139 VL-Asroc]]-->
:: RUM-139 VL-ASROCは、RUR-5 ASROCの後継として米国が[[1993年]]から配備を始めたSUMである。[[アナログ]]時代の兵器であるASROCを最新の[[イージスシステム]]に組み込むために射撃管制をデジタル化してMk.116[[火器管制装置]]と統合し、[[Mk 41 (ミサイル発射機)|Mk.41 VLS]]での運用を可能とした物である。"VL-ASROC"は"Vertical Launch Anti Submarine ROCket"、垂直発射対潜水艦ロケットの略である。
:: 垂直発射機では旋回俯仰式発射機の様に目標方向へ向けて発射できないので、発射されたASROCは自分で方向を変えなければならない。このための[[慣性誘導装置]]と可動ノズルによる推力ベクトル制御機構が組み込まれた結果、分類がRUR(ロケット)からRUM(ミサイル)へ変更されている。弾頭は、Mk.46/[[Mk50 (魚雷)|Mk.50]]対潜魚雷が使用される。Mk.50バラクーダ対潜魚雷は直径324[[ミリメートル|mm]]のタービン機関魚雷で、雷速70
:: {{main|アスロック#VLA}}
; SUBROC
: [[1965年]]から部隊配備が開始された核弾頭
: {{main|サブロック (ミサイル)}}
; シーランス
: [[1980年代]]に開発されていた
: {{main|シーランス (ミサイル)}}
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; RPK-1
[[File:SUW-N-1 missile system.jpg|thumb|RPK-1(SUW-N-1)]]
: RPK-1 ヴィフリ(Vikhr)([[NATOコードネーム]]:SUW-N-1 Ugra、FRAS-1<ref>FRASは、Free Rocket Anti Submarine(無誘導対潜水艦ロケット)の略称。</ref>
; RPK-3/4/5
: RPK-3(NATOコードネーム:SS-N-14 Silex)は、ソ連が
: 射程は最大45km、誘導は指令更新付きオートパイロットである。60RUは弾頭として核出力5ktの核爆雷を、70RUは対潜魚雷を、80RUは対潜魚雷と共に対艦用赤外線ホーミング
: 対潜魚雷はパッシブ・アクティブ併用の音響誘導電気魚雷であるAT-2UM(E53-72)、VTT-1(E45-75)、UMGT-1M(E40-79)が使用される。AT-2UMは直径533mmの電池魚雷で、80kgの炸薬を弾頭とする雷速40ノットで航走距離10kmのパッシブ・アクティブ併用の音響誘導魚雷である。VTT-1は直径450mmの電池魚雷で、90kgの炸薬を弾頭とする雷速38ノットで航走距離8kmのパッシブ・アクティブ併用の音響誘導魚雷である。UMGT-1Mは直径406mmの電池魚雷で、60kgの炸薬を弾頭とする雷速40ノットで航走距離15kmのパッシブ・アクティブ併用の音響誘導魚雷である。
: {{main|RPK-3 (ミサイル)}}
; RPK-2
: RPK-2 ヴィユーガ(Vyuga)(NATOコードネーム:SS-N-15 Startfish)は、ソ連が[[1969年]]に開発したSUM/UUMである。ミサイルは単純な円筒形で533mm
: [[ロシア海軍#ソ連海軍|ソ連海軍]]の
; RPK-6/7
<!--[[en:SS-N-16]]-->
: RPK-6ヴォドパド(Vodopod)と、RPK-7 ウェテル(Veder)(NATOコードネーム:SS-N-16 Stallion)は、ソ連が開発し[[1981年]]に配備したSUM/UUMである。この2種類の違いは発射に使用される魚雷発射管にあり、RPK-6は533mm魚雷発射管が、RPK-7は650mm魚雷発射管が使用され、これが射程の差となる。
: ロケットエンジンは水中時から点火されるため、発射深度が深ければ射程が短くなる。RPK-6の射程は50-60km、RPK-7は100-120kmに達する。なお水上艦から発射される場合は、ミサイルは一旦水中に投じられる。
: ミサイルは単純な円筒形で魚雷発射管から発射されて固体燃料ロケットで飛行し、飛行中は慣性誘導装置によって進路が維持される。目標上空付近に到達すると弾頭部は推進部から分離される。弾頭は核出力20ktとも200ktともいわれる核爆雷、または直径406mmのUMGT-1対潜魚雷である。
; RPK-8
: RPK-8 Zapadは、[[RBU-6000]]として知られる対潜ロケット爆雷(ソ連流ではジェット爆雷)の12連装発射装置において90Rミサイルを使用するSUMシステムの名称である。
: 90Rは誘導装置を持つ固体ロケット推進のミサイルで、弾頭は19kgの高性能炸薬、射程は4.3km、水中の誘導はパッシブによる音響誘導とされる<ref>RPK-8システムの主任務は魚雷の迎撃であり、対潜攻撃は副次的な任務であるという説がある。</ref>。
; RPK-9
: RPK-9 Medvedka(NATOコードネーム:SS-N-29)は、[[ロシア]]が
: 四連装チューブ・コンテナから発射されるが、[[VLS]]化も可能とされる。ミサイルは安定翼を持つ無誘導のロケットと400mm小型誘導魚雷から成り、射程は20kmとされる。
; クラブ
[[File:91RTE2 maquette maks2009.jpg|thumb|250px|MSAK2009で展示された91RTEの模型]]
: クラブ([[ロシア語]]:Клуб)またはカリブル(Калибр)は、[[MAKS]]-93で発表されたロシアの[[巡航ミサイル]]であり、短魚雷を弾頭としている対潜ミサイル型もファミリー化されている。
: 533mm魚雷発射管から発射される
: {{main|クラブ (ミサイル)}}
{{-}}
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=== 米露以外の開発 ===
; アイカラ
: アイカラ([[:en:Ikara (missile)|Ikara]])は、[[オーストラリア]]が
: 射程は最大で24km、
; マラフォン
[[File:Maille-Braize-14.jpg|thumb|250px|マラフォン]]
: マラフォン([[:en:Malafon|Malafon]])は、[[フランス]]が[[1964年]]に開発したSUMである。ミサイルは有翼の飛行機型で胴体の下に魚雷を抱えて固体燃料ロケットで最大13kmまで飛行し、飛行中に指令誘導された。
: 弾頭は自国製のL4対潜魚雷であって、L4は直径533mmの電池魚雷で、150kgの炸薬を搭載しており、雷速30ノットで航走距離5kmのアクティブ音響誘導魚雷であった。マラフォンはすでに退役している。
; ミラス
: ミラス(Milas)は、フランスの[[マトラ]]社と[[イタリア]]のオットー・ブレダ(現[[オート・メラーラ]])社が[[1987年]]に共同開発したSUMで、ロケットとして[[テセオ (ミサイル)|オトマートMk.2 対艦ミサイル]]が使用されており、データリンク更新付き慣性誘導で固体燃料ロケットと[[ターボジェットエンジン]]によって飛行し、射程は55kmである。弾頭は仏伊共同開発の[[MU90 (魚雷)|MU90インパクト対潜魚雷]]である。MU90は直径324mmの電池魚雷で、32.7kgの炸薬を搭載しており、雷速50ノットで航走距離10kmのパッシブ・アクティブ併用の音響誘導魚雷である。また、弾頭は
: ただし、コストの問題から[[フランス海軍]]では採用されず、[[イタリア海軍]]でのみ就役している。
; 07式垂直発射魚雷投射ロケット
: RUM-139垂直発射アスロック(VLA)をもとに開発した
: {{main|07式垂直発射魚雷投射ロケット}}
; K-ASROC
: [[大韓民
: {{main|K-ASROC}}
; CY-1/2/3
: {{仮リンク|CY-1|en|CY-1}}は、
: 試験発射まで行われたが、実戦配備には至らなかった。また、CY-1をベースに空中発射型として開発されたCY-2も、[[SH-5 (航空機)|SH-5(水轟5型)飛行艇]]での試射のみで終わっている。その後、さらに改良されて垂直発射が可能となったCY-3において実用化が始まり、[[江凱型フリゲート|江凱II型(054A型)フリゲート]]へ搭載された。
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