「トリオ・ソナタ」の版間の差分

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'''トリオ・ソナタ'''([[英語|英]]:''trio sonata''、[[ドイツ語|独]]:''Triosonate'')は、[[17世紀]]末から[[18世紀]]初めにかけて特に人気のあった[[音楽形式]]。2つの旋律楽器と1つの[[通奏低音]]のために作曲され、3つの声部を形成するところから、「トリオソナタ」の名称がある。しかしながら、当時の演奏習慣では、通奏低音が2つ以上になることが普通だったため([[ヴィオラ・ダ・ガンバ]]や[[チェンバロ]]、[[リュート]]、[[テオルボ]]、[[キタローネ]]などのいずれかの組み合わせ)、演奏者数が3人になるとは限らない。
 
旋律楽器は、たいていは[[ヴァイオリン]]2艇になるのが普通だが、[[オーボエ]]([[シャリュモー]])とヴァイオリン、[[フルート]]とヴァイオリンのような例もあり、[[ヨハン・ゼバスティアン・バッハ|バッハ]]の《[[音楽の捧げもの]]》の有名なトリオ・ソナタは後者の代表例である。
 
またバッハは、[[オルガン]]のために6つのトリオ・ソナタを作曲し([[BWV]] 525-530)、3つの声部を右手、左手、ペダルに割り振り、一つの楽器にまとめて演奏させている(近年では古楽奏者の間で、この作品を通常のトリオ・ソナタの編成に編曲して演奏することも人気がある)。
 
* バッハのトリオ・ソナタは4曲あり(BWV 1036-1039)、偽作の疑いが濃いものを含みながらも、[[バロック音楽]]の典型的な作品となっている。BWV1039のみフルートとヴァイオリンが旋律楽器に選ばれているが、それ以外はヴァイオリン二重奏が選ばれている。
* [[ディートリヒ・ブクステフーデ|ブクステフーデ]]の《6つのトリオ・ソナタ》作品1と《7つのトリオ・ソナタ》作品2は、この二つだけが作曲者の生前に出版された。
* [[ヨハン・パッヘルベル|パッヘルベル]]の《音楽の歓び ''Musikalische Ergötzung''》は、[[スコルダトゥーラ]]された2つのヴァイオリンと通奏低音のためのトリオ・ソナタ集(6曲)である。
* [[ヤン・ディスマス・ゼレンカ|ゼレンカ]]の《ソナタ集》ZWV181は、オーボエと[[ファゴット]]、通奏低音のための曲集で、オーボエが2本使われカルテット・ソナタになることもある。ファゴットに超絶技巧が要求されるなど、難度が高い作品集である。