「ハムスター」の版間の差分
削除された内容 追加された内容
編集の要約なし |
|||
3行目:
{{生物分類表
|名称=キヌゲネズミ亜科
|画像=[[ファイル:
|画像キャプション=[[ゴールデンハムスター]]<br>(''Mesocricetus auratus'')
|省略=哺乳綱
13行目:
|下位分類=
本文参照
}}
'''ハムスター''' (''
[[1956年]]、ゴールデンハムスターが[[風邪]]に感染することが発見され、風邪に関する研究が大いに発展した(それまで、風邪の[[ウイルス]]に高い感受性を示す小型の実験動物は知られていなかった)。
{{ == 語源 ==
日本語の「ハムスター」はキヌゲネズミの様々な種を指すが、元はゴールデンハムスターの俗称・通称として一般人に定着したものであり、英語やドイツ語のゴールデンハムスターである
[[古高ドイツ語]]には、hamustraという単語があり(元々1000年頃に[[コクゾウムシ]]の意味で使われていた古い単語であったが)、1607年にはハムスター(クロハラハムスター)という意味で使われており<ref name="Grimm">[http://germazope.uni-trier.de/Projekte/WBB2009/DWB/wbgui_py?lemid=GH01729]</ref>、ヨーロッパに広く生息していたクロハラハムスターの語源となった。しかし、実験動物用としてドイツにゴールデンハムスター(
古高ドイツ語のhamustraにはもともと「強欲で大食い」というニュアンスがあり、一説として、その語源は[[古東スラヴ語|古ロシア語]]のhoměstrǔあるいは、ペルシア語の
ドイツ語の
== 特徴 ==
=== 外見 ===
尾は短く、多くの[[ドワーフハムスター]]は、尻尾が毛皮の下に隠れてしまいほとんど目立たない。ただし例外として[[チャイニーズハムスター]]には2-3cmほどの尾がある。穴を掘るのに適した太い頚部と丸い体形を持ち、進化の過程で地中生活に特化して、四肢が短くなったと考えられている。頬から肩にかけて、伸縮性のある頬袋と呼ばれるエサを収容しておくための袋をもつ。
体重は、[[ジャンガリアンハムスター]]は30-50g、ゴールデンハムスターで80-150g。寿命はジャンガリアンハムスターで2年、ゴールデンハムスターで3年ほどであるが、稀に5年生きた個体などが報告されている。
38 ⟶ 39行目:
野生では[[ヨーロッパ]]から[[アジア]]の乾燥地帯に分布し、地中に掘ったトンネルで生活しているが、野生のゴールデンハムスターは数が少なく絶滅が危惧されている。
頬袋に餌を収納し、一杯になるとその袋は2倍から3倍にもふくれ上がることがある。ここに溜めた食料を、自分の巣穴で吐き出して貯蔵する習性がある。
ハムスターの視力はあまり良くなく、また[[色盲]]である。そのため、外界の状況の把握は聴力と嗅覚に頼っている。臭腺の臭いを周りに散布することでなわばりを主張するとされており、特に自身の臭いに非常に敏感である。また、高周波を聴くことができるといわれており、超音波で互いにコミュニケーションしているとも考えられている<ref name="Fritz">Fritzsche, Peter. 2008. Hamsters: A Complete Pet Owner’s Manual. Barron’s Educational Series Inc., NY.</ref>。
[[夜行性]]で、低温環境下において、[[疑似冬眠]]と呼ばれる、体温が低くなって死んだように眠ってしまう状態になることがある<ref name="KISO" />。
ゴールデンハムスターは縄張り意識が強く、一般的には一匹で生活する。縄張りを侵すと殺し合いのケンカをすることもある。一方、ドワーフハムスターと呼ばれる小さめのハムスターは、同種であれば2匹以上一緒に生活することもありうる。
草原や川岸に生息する野生種のクロハラハムスターは、泳ぐ能力があり、頬袋に空気を貯めて浮き袋にする習性がある<ref name="KISO"
=== 繁殖 ===
[[画像:Hamsters bebe.jpg|thumb|生後間もないハムスター]]
ハムスターが[[繁殖]]可能になる年齢は、種類によって異なるが一般的には[[月齢]]で1ヶ月から3ヶ月で交配可能となる。メスのハムスターの交配可能な期間はおよそ3年であるが、オスはもっと長いこともある。
また、種の違うもの(ゴールデンハムスター×ジャンガリアンハムスター、ジャンガリアンハムスター×キャンベルハムスター等)の交雑は、基本的に不可能であり、妊娠したとしても母体・子供に危険が及ぶ確率が高いので危険であるが、ジャンガリアンハムスターとキャンベルハムスターを交雑させたものは一般のペットショップにも出回っていることがある。
81 ⟶ 80行目:
***[[バイカルキヌゲネズミ]] [[w:Cricetulus pseudogriseus|Cricetulus pseudogriseus]]''
<!-- 英語版では別の科に含まれていたのでコメントアウト
**''[[w:Mystromys|Mystromys]]''属
***South African Hamster ''[[w:Mystromys albicaudatus|Mystromys albicaudatus]]''
-->
90 ⟶ 89行目:
***[[カンシュクキヌゲネズミ]] ''[[w:Cansumys canus|Cansumys canus]]''
**キヌゲネズミ属 ''[[w:Tscherskia|Tscherskia]]''
***[[トリトンハムスター]](キヌゲネズミ)
== 進化 ==
98 ⟶ 97行目:
{{wikibooks|ハムスターの飼育}}
[[画像:Djungarian Hamster Pearl White run wheel.jpg|thumb|回し車を回すパールホワイト]]
ハムスターの中でもよく知られているのが、ゴールデンハムスター(シリアンハムスター)である。[[ペット]]として飼われているゴールデンハムスターは、[[1930年]]に[[シリア]]で捕獲された1匹の雌とその12匹の仔の子孫が繁殖し、世界中に広まったものである
日本国内に[[ジャンガリアンハムスター]]が輸入されたのは、昭和40年代で、ペットとして出回り始めたのは、1993年頃とされている<ref name="KISO" />。
106 ⟶ 105行目:
歯が伸び続けるため、飼育下では、固い餌を与えたり、齧り木を与えるなどして歯を削る必要がある。また、ハムスターの大きさにあった[[回し車]]を与えることにより、運動不足が解消される。
急激な温度変化や乾燥には弱い。低温の環境下にみられる擬似冬眠状態のままにしておくと死亡するリスクがある。
=== エサ ===
主食は、獣医師が推薦するような専用ペレット、または市販の鳩の餌(トウモロコシ・ひえ・粟・麦など低脂肪で腐りにくい穀物のミックス)を与え、副食は少量ずつ水を切ったもの(にんじんや大根の葉、ブロッコリーなどの野菜や、農薬などに汚染されていないタンポポ、クローバー、レンゲなどの野草)をペレットと同量程度、与えれば良いとされている。また、ハムスターは下痢をし始めると致命的な状況になりやすく、また肥満させないような食事を与えるとよい<ref name="env">[http://www.env.go.jp/nature/dobutsu/aigo/2_data/pamph/manu_dealer/mammal.pdf ペット動物販売業者用説明マニュアル
ピーナッツやヒマワリの種子は脂肪分が多いため、肥満を誘発しないように、おやつとして少量に制限することが推奨されている<ref name="env"/><ref name="yuzu"/><ref name="tokiwa">[http://www.tokiwa-v.com/styled-10/index.html ときわ動物病院 健康管理(ハムスター)]</ref>。たんぱく質的なおやつとして、ゆで卵の黄身、白身、低塩チーズ、[[ヨーグルト]]、ペット用の煮干し、[[ミールワーム]]を極少量与えると良いが、専用ペレットを与えていれば必須ではないとされている<ref name="yuzu" /><ref name="tokiwa" />。
==== 中毒を起こす物質 ====
ハムスターに食中毒を起こさせる主な化学物質としては、[[アリルプロピルジスルファイド]](ネギ、タマネギ、ニラ、ニンニクの類に含まれる[[溶血]]を引き起こす物質)、[[テオブロミン]]及び[[カフェイン]](チョコレート、紅茶、コーヒーなどに含まれる嘔吐・下痢・昏睡を引き起こす物質)、[[ソラニン]](ジャガイモの芽や皮に含まれ、[[催奇性]]、嘔吐・下痢などを引き起こす[[ステロイドアルカロイド]])、[[ペルシン]](アボカドなどに含まれる中毒物質。嘔吐・下痢・呼吸困難・肺水腫を引き起こす危険のある物質)、アルコール飲料などがある<ref name="
卵については、生卵の白身だけ与えるとビオチン欠乏症を発症するが、白身を加熱したり黄身と一緒に与えるとビオチン欠乏症にならないとされる<ref name="
ハムスターにとってゆで卵の黄身は毒性はない。
=== 飼育される種類 ===
*[[画像:Золотистый хомячок.jpg|left|50px]][[ゴールデンハムスター]](学名: Mesocricetus auratus):ペットのハムスターとしては大型で知能が高く、人になれやすい。多少のことでは噛むことはない。
*[[画像:Phodopus roborovskii.jpg|left|80px]][[ロボロフスキーハムスター]](学名: Phodopus roborovskii):体長は約7cm~10cmでペットとして最小のハムスター。臆病でなつきにくく、もっぱら鑑賞用として飼われているハムスター。興味のあるものは噛んで確かめにくる習性がある。
*[[画像:PhodopusSungorus 1.jpg|left|80px]][[ジャンガリアンハムスター]](学名: Phodopus sungorus):ドワーフハムスターとしては温厚で慣れやすい。丸っこい体型で野生種は背中の濃い筋が特徴だが、品種改良によってスーパーホワイトやサファイヤなど様々な品種が存在する。
*[[画像:Campbell's Hamster (redeys).jpg|left|80px]][[キャンベルハムスター]](学名: Phodopus
== ハムスターが原因となる人間の病気 ==
143 ⟶ 142行目:
== 参考文献 ==
{{参照方法|date=2012年5月|section=1}}
*『ハムスターのお医者さん : ハムスターパラダイス』([[主婦と生活社]]、[[中村ちはる]]監修、
*『ハムスターの上手な育て方—ハムスターパラダイス
*『ハムスターの気持ちが100%わかる本—幸せな飼い主になるための
*『ハムスターの気持ちが100%わかる本
*『ハムスター : ハムスターの飼育・医学・エサ・生態・歴史すべてがわかる』([[スタジオ・エス]]、[[長坂拓也]], [[石橋徹]]監修、ISBN 4-921197-11-3)
*『小動物ビギナーズガイド ハムスター』([[誠文堂新光社]]、大野
== 関連項目 ==
|