「一様空間」の版間の差分

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故に、集合 ''i'' (''X'') は ''Y'' の稠密な部分集合となる。''i'' は ''i'' (''X'') の上への同型であり、従って ''X'' をその完備化 ''Y'' の稠密部分集合と同一視することができる。
 
== 連続関数空間の一様構造 ==
 
本節では位相空間''X'' から一様空間''Y'' への連続関数全体の集合の上の一様構造を論ずる。以下簡単の為''Y'' がハウスドルフ性を満たす一様空間のみを考えるが、ハウスドルフでない場合に対しても同様の議論が成り立つ。
 
{| class="toccolours collapsible" width="100%" style="text-align:left"
! '''定義'''<ref>『集合と位相空間』、柴田敏男著、共立出版。p270</ref>
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''X'' を位相空間とし、''Y'' をハウスドルフな一様空間とする。さらに<math>\mathcal{S}</math>を''X'' の冪集合2<sup>X</sup> (resp. ''X''のみからなる一元集合<math>\{X\}</math>、''X'' のコンパクト部分集合全体の集合<math>\{K\subset X \mid~K</math>はコンパクト<math>\}</math>)とする。
 
さらに任意の<math>A\in\mathcal{S}</math> と''Y'' 上の任意の近縁''U'' に対しW(A,U)を
 
: <math>W(A,U) :\underset{def}{=} \{(f,g)\in \mathcal{C}(X,Y)^2 \mid \forall x\in A ~:~ (f(x),g(x)) \in U \}</math>
 
により定義すると、
 
: <math>\{W(A,U)\}_{A \in \mathcal{S}}</math>
 
が基本近縁系の定義を満たす事を簡単に確認できる。<math>\{W(A,U)\}_{A \in \mathcal{S}}</math>を基本近縁系とする一様構造を<math>\mathcal{F}(X,Y)</math>上の'''各点収束の一様構造''' (resp. '''一様収束の一様構造'''、'''コンパクト収束の一様構造''')という。
|}
 
 
以下区別の為、<math>\mathcal{C}(X,Y)</math>に各点収束の一様構造、一様収束の一様構造、コンパクト収束の一様構造を入れた空間をそれぞれ<math>\mathcal{C}_s(X,Y)</math>、<math>\mathcal{C}_u(X,Y)</math>、<math>\mathcal{C}_c(X,Y)</math>と表記する。
 
上の定義から分かるように、各点収束の一様構造と一様収束の一様構造の定義は''X'' 上の位相構造を利用していない。したがって''X'' が位相構造を持たない単なる集合である場合においても、集合''X'' から一様空間''Y'' への関数全体の集合<math>\mathcal{F}(X,Y)</math>に各点収束の一様構造、一様収束の一様構造を入れる事ができるが、本論から外れるので詳細は省略する。
 
次に以上で定義した3種類の一様構造の性質と関係を述べる。
まず定義から簡単に確かめられるように、以下が成立する:
 
 
{| class="toccolours collapsible" width="100%" style="text-align:left"
! '''定理'''
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<math>\mathcal{C}(X,Y)</math>上のコンパクト収束の一様構造の誘導する位相構造はコンパクト開位相と一致する。ここで'''コンパクト開位相'''とは、
 
: <math>V(K,U) :\underset{def}{=} \{ f\in \mathcal{C}(X,Y) \mid f(K)\subset U\}</math>
 
とするとき
 
: <math>\{V(K,U)\}</math><sub>KはXのコンパクトな部分集合、UはYの開集合</sub>
 
を準開基とする位相構造の事である。
|}
 
 
以下執筆中
 
== 歴史 ==