「単純ヘルペス脳炎」の版間の差分

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;側頭葉型または辺縁系型
いわゆる[[辺縁系脳炎]]をおこす典型的な単純ヘルペス脳炎である。側頭葉下内側部、前頭葉眼窩回、[[島回]]、[[帯状回]]、[[海馬]]、[[扁桃体]]、[[被殻]]などが主にされるもので精神症状を呈する。
;側頭葉脳幹型
側頭葉型と同様であるが、脳神経領域の障害が認められるものである。脳幹へのHSVの感染の可能性と頭蓋内圧亢進症の可能性がある。
;脳幹脳炎
側頭葉型に比べて発症早期の発熱の頻度が低い、初回髄液圧が低い、脳波で周期性同期放電がみられない、死亡例、再発例はなく自然軽快例も認められるといった特徴が報告されている。しかし剖検例の単純ヘルペス脳炎の脳幹脳炎型も報告されており予後不良例も存在する。
;慢性脳炎
4~5ヶ月の経過の慢性緩徐進行性脳症の報告例がある。
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後天性免疫不全症候群での単純ヘルペスウイルスの頻度は低い。サイトメガロウイルスとの同時感染例が多い、感染部位が前頭葉下面、側頭葉内側面に限局せず小脳や脳幹、上衣下組織にも認められる。成人AIDS症例では脳炎がHSV-2で起こることが多いといった特徴が知られている。
;小児の単純ヘルペス脳炎
小児の場合HSV初感染で発症することが多いこと、新生児ではHSV-2によっても発症すること、全脳炎を呈することが多いこと、小児例では初回治療終了後2週~2ヶ月以内の再発が20~30%と高率に認められることなど成人と異なる点がある。3歳未満の発症、GCS10[[Glasgow Coma Scale|GCS]]10以下では予後が悪いとされている。
 
== 急性(時に亜急性)脳炎を示唆する症状・症候 ==