「スペクトル (関数解析学)」の版間の差分

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[[関数解析学]]において、[[w:en:bounded operator|有界作用素]]の'''スペクトル'''は、行列における[[固有値]]の概念の一般化である。特に、<math>\lambda I - T</math>が可逆でなければ、<math>\lambda \in \mathbb{C}</math>を有界線形作用素<math>T</math>のスペクトルという。ただし<math>I</math>は恒等関数とする。スペクトル及びスペクトルに関連する研究は、[[スペクトル理論]]と呼ばれ多くの応用先を持つ。最も良く知られているのが、[[量子力学]]の数学的な枠組みについてである。
 
有限次元ベクトル空間上の作用素のスペクトルは厳密に、固有値の集合となる。しかしながら、無限次元空間上の作用素は、固有値を持たないことがある。例えば、[[ヒルベルト空間]] [[Lp空間|ℓ<sup>2</sup>]] 上では、右[[シフト作用素]]
は固有値を持たない。
 
固有値をもつつまり<math>Rx=\lambda x</math>を満たすような0でない<math>\lambda</math>が存在するとすると、<math>x_1=0,x_2=0, \dots</math>となる。
一方で、<math>R-0</math>(つまり<math>R</math>自身)は可逆ではない。つまり、ゼロでない第一成分が含まれていないような任意のベクトルについて<math>R</math>は全写ではないので、<math>\lambda=0</math>はスペクトルの元である。
 
== 有界作用素のスペクトル ==
 
''B'' を、[[単位元(環論)|単位元]] ''e'' を含む複素[[C*-環|バナッハ環]]とする。''B'' の要素 ''x'' の'''スペクトル'''(σ<sub>''B''</sub>(''x'') または σ(''x'') と書かれることが多い)とは、''B'' 上で λ''e'' − ''x'' の逆数が存在しない[[複素数]] λ の集合を指す。
 
''X'' が複素[[バナッハ空間]]ならば、''X'' 上のすべての[[線形位相空間|有界線形作用素]]の集合は、バナッハ環 ''B''(''X'') を構成する。有界線形作用素のスペクトルは、これをバナッハ環における要素として考えれば、''B''(''X'') のスペクトルと考えることができる。より厳密に言えば、''B''(''X'') の単位元となる ''X'' 上の[[単位作用素]]を ''I'' とすると、有界線形作用素 ''T'' ∈ ''B''(''X'') について、''T'' の'''スペクトル'''(σ(''T'') と書く)とは、''B''(''X'') 上で λ''I'' − ''T'' の逆数が存在しない[[複素数]] λ の集合を指す。特に、すべての有界作用素は閉作用素である。したがって、[[有界逆定理]]により、もし λ''I'' − ''T'' が[[全単射]]ならば、λ は ''T'' のスペクトルに含まれない。
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