「フラウト・トラヴェルソ」の版間の差分

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Tamie (会話 | 投稿記録)
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古典派以降の時代になると、より多くの調に対応できるよう、半音を出すための新たなトーンホールが設けられ、これを開閉するキーが付け加えられていった。さらに、高音域を出しやすくするために管の内径を細めるなどの改変がなされて、いわゆる「クラシカル・フルート」「ロマンチック・フルート」へと変貌していく。これによって音は明るさや軽やかさを増していったが、これらは当時の楽器製作者たちが、それぞれの考えに基づいて行ったものなので、統一されていたわけではなく、運指も複雑となり、必ずしも十分な効果が得られたわけではない。
[[File:Meyer Flute.jpg|thumb|300px|right|メイヤー式フルート(10キー)]]
1847年の[[フルート#ベーム式]]フルートの登場|ベーム式フルートの登場]]によって、トラヴェルソの時代は終焉を迎えるが、トーンホールの径を大きくして音量を増すなどの改良が加えられた多キーのメイヤー式フルートは、フランスを除くヨーロッパやアメリカで、1930年代まで使われていた<ref name="Shouzou">前田りり子 『フルートの肖像(その歴史的変遷)』 東京書籍,2006年,ISBN 4-487-80138-9</ref>。
 
1キーフルートは、今なお古楽器愛好家のために復元楽器が多数製作されている。いわゆるアイリッシュ・フルートもトラヴェルソの生き残りであり、こちらはキーの無いシンプルなものが多いが、クラシカル・フルートのような多キーのものも作られている。