「アタルヴァ・ヴェーダ」の版間の差分

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『'''アタルヴァ・ヴェーダ'''』('''अथर्ववेदः''' Atharva-Veda)は、4つある[[ヴェーダ]]本集のひとつで、主に[[バラモン教]]の呪術的な儀式典礼が記されたものである。
 
==概要==
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伝承では九つの派があったとされるが、現存しているのはシャウナカ派とパイッパラーダ派の二派で、通常アタルヴァ・ヴェーダといえば前者を示す。シャウナカ派の本集は全20巻731賛歌。アタルヴァ・ヴェーダの哲学賛歌と呼ばれるものは、第8巻から第12巻にほぼ含まれ、リグ・ヴェーダ末期の哲学賛歌と[[ウパニシャッド]]をつなぐ部分に相当する。
 
アタルヴァとは、アタルヴァンという名の種族が伝えたヴェーダ(知識)という意味である。古名は、アタルヴァ=アーンギラサといい、アタルヴァン族とアーンギラサ族の知識を合わせた非アーリア系の古文書である。アタルヴァン族は主に、吉祥増益の呪文を伝え、呪詛調伏の呪文はアーンギラサ族のものとされている<ref>『アタルヴァ・ヴェーダ讃歌 ―古代インドの呪法』 244頁、辻直四郎訳 (岩波文庫 第4刷1998) 。</ref>。他の三ヴェーダが、他所からきた支配者階級([[アーリア人]]系)の知識であることに対し、『アタルヴァ・ヴェーダ』はアーリア系の知識に土着の民族(非アーリア系)の知識を加え集大成したものという見方もある。主に呪文が書かれていることが強調されているため、[[密教]]の源流となった文献ともみなされる。
 
また医学に関する記述も多く、[[古代インド]]の医学書であるだけでなく、現存する'''世界最古の医学書'''と目され、[[古代ギリシア]]や[[古代中国]]の医学にも影響を与えていると考えられている。ヴェーダが軸となった時代は、病気は悪霊の仕業と考えられ、悪霊を退治するための呪術と医学は区別されていなかった。ただし今日、医学健康に関する部分は『[[アーユルヴェーダ|アーユル・ヴェーダ]]』として抜き出し用いられ、『アタルヴァ・ヴェーダ』よりも著名となっている。
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*[[アーユルヴェーダ|アーユル・ヴェーダ]]
*[[インド哲学]]
*[[ウパニシャッド]]
 
== 脚注 ==
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==参考文献(訳書)==
*『アタルヴァ・ヴェーダ讃歌 ―古代インドの呪法』 [[辻直四郎]]訳、[[岩波書店]]〈[[岩波文庫]]〉、1979年(復刊1998年・2014年ほか) ISBN 4003206517
 
== 脚注 ==
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