「宗教テロ」の版間の差分

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米国のマスコミなどで「宗教テロ」と扱われているものの中には、実は「貧困テロ」に分類したほうが良いものも多く含まれている。世界の人口のおよそ半数が[[貧困層]]で、一日の生活費がわずか2ドル以下で、医療も充分にない、という悲惨な状態で絶望の中で暮らしている<ref name="Bill_Clinton_Berkeley">[[http://wired.jp/2002/02/04/%E3%82%AF%E3%83%AA%E3%83%B3%E3%83%88%E3%83%B3%E5%89%8D%E5%A4%A7%E7%B5%B1%E9%A0%98%EF%BC%9A%E3%83%86%E3%83%AD%E3%83%AA%E3%82%BA%E3%83%A0%E3%82%92%E7%B5%82%E6%81%AF%E3%81%95%E3%81%9B%E3%82%8B%E3%81%AE/]]。[[http://megalodon.jp/2014-0831-0753-44/wired.jp/2002/02/04/%E3%82%AF%E3%83%AA%E3%83%B3%E3%83%88%E3%83%B3%E5%89%8D%E5%A4%A7%E7%B5%B1%E9%A0%98%EF%BC%9A%E3%83%86%E3%83%AD%E3%83%AA%E3%82]]</ref>。だが、先進国の富裕層はそうした事実を知らずに、あるいは認めようとせずに暮らし、よりいっそう低所得の者を都合よく利用して(「[[搾取]]」して)、さらに貧富の格差が広がるような方法ばかりを選び、悪循環が広がっている。貧困層は彼らの苦境を先進国の富裕層に訴えようとしても、そうした声は富裕層にとっては都合が悪く感じられるので、ほとんど届かず無視され、先進国のマスメディアにもほとんど流されない。富裕層にとっては、そうした貧困層の声や実情が知れることは、自分たちのビジネスを進めるうえで都合が悪いので、意図的にそれを隠ぺいしようとすることもある。また、貧困層はしばしば充分な教育を受ける機会も失っており、自分たちの考えをまとまった形にしたり、書籍にしたり論文として発表することも困難である<ref name="nhk">NHK「[[グローバルディベートWISDOM]]」2014年8月放送分 における分析。</ref>。結局、多くの場合、貧困状態におかれた人々の苦しみをしっかりと受け止めてくれ、その気持ちを代弁してくれるのは宗教になる<ref name="nhk" />。多くの宗教が弱者への想いやりの重要性を説いており、互いに助け合うことの重要性を説いており、そうした精神を体現した組織や実践体系を持っていることも多い。かくして、貧困に苦しむ人たちが、宗教へと接近することになる<ref name="nhk" />。そして彼らは、宗教的な装いを帯びつつ、無理解・無慈悲・強欲の(無理解・無慈悲・強欲と彼らの眼には映り)彼らを貧困に追い込んでいる張本人だと思われる先進国の富裕層や、富裕層が実質的に実権を握っている先進国の[[政府]]に対し闘いを挑んでゆくことになる。彼らは国境を越えて連帯して戦いを行うこともある。[[世界宗教]]は、国境を越えて人々を連帯させるからである。
 
最近では、インターネットなど上のSNS等々の現代的なツールを用いて世界の若者に対して呼びかけを行う組織が出てきた。[[イスラーム国]]などがそうである。この組織は、中東にあった[[イスラーム]]の巨大な国家、[[オスマン帝国]]が20世紀に西洋諸国の都合や策略によって「イラン」や「イラク」などに恣意的に分断されてしまったことなどをよしとせず、かつて中東にあった大きな統一的なイスラームの国家を取り戻すべく、世界の人々に呼びかけており、イスラーム圏の人々だけでなく、[[イギリス]]や[[米国]]などの白人の若者までもがそのメッセージに共感し、中東に駆けつけて戦闘に加わる者も多く、大きなうねりとなっている。
 
「宗教テロ」と呼ばれるものが、本質は民族間の紛争であることもある。隣接する民族の宗教・宗派分布の違いによってあたかも宗教テロのように見える場合があるわけである。この場合は、結果として、[[民族主義]]的、[[分離主義]]的傾向を持つことも多い。