「宗教テロ」の版間の差分

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中野毅の出典は論文データベースで誰でも読めるのでurlを提示。
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彼らは国境を越えて連帯して戦いを行うこともある。[[世界宗教]]は、国境を越えて人々を連帯させるからである。
 
なお中野毅は、(必ずしも宗教テロ全般についてというわけではないが)9.11テロについて言えば、[[宗教社会学]]の[[相対的剥奪論]]からの理解が有効、と指摘した<ref name="nakano">中野毅「宗教テロとグローバル化 -9.11実行犯と背景をめぐって -」(日本宗教学会、宗教研究 81(4), 1177-1178、 2008-03-30)[http://ci.nii.ac.jp/els/110006646405.pdf?id=ART0008661519&type=pdf&lang=jp&host=cinii&order_no=&ppv_type=0&lang_sw=&no=1410301684&cp=]</ref>。中野毅によると、ハイジャック機を操縦した犯人たちは、ドイツやアメリカという西洋先進国で勉強できるような(故国の中で言えば)恵まれた環境にあったが、故国では望むような仕事につけていなかった<ref name="nakano" />。つまり、相対的には貧困や[[経済的不平等|貧富の極端な差]]などの問題が影響している<ref name="nakano" />。犯人らの大半は、もともと故国にいた時は宗教的だったわけではない<ref name="nakano" />。実行犯たちは西欧諸国に[[留学]]し、何名かはドイツ人の家庭に寄宿したが、そこにとけ込めず、放り出されたり、[[差別]]されたことによって、自分たちが西洋人とは異なる文化や価値観をもった民族だと思い知らされた<ref name="nakano" />。そこで過激な宗教思想によって自己確認が行われ、留学先で体験した失望や挫折による不満・反発で生まれたすきまにイスラム過激派の思想と運動が入り込んだ<ref name="nakano" />。つまり、異国の地で[[自己の相対化]]、ついで[[セルフ・アイデンティティー]]の再構築が行なわれる過程で、[[超自然]]的な使命感や目的観が与えられ、さらに甘美な自己犠牲の誘惑もあり、結果として殉教者となる道を歩んだと考えられる、と中野は述べた<ref name="nakano" />。
 
最近では、インターネット上のSNS等々の現代的なツールを用いて世界の若者に対して呼びかけを行う組織が出てきた。[[イスラーム国]]などがそうである。この組織は、中東にあった[[イスラーム]]の巨大な国家、[[オスマン帝国]]が20世紀に西洋諸国の都合や策略によって「イラン」や「イラク」などに恣意的に分断されてしまったことなどをよしとせず、かつて中東にあった大きな統一的なイスラームの国家を取り戻すべく、世界の人々に呼びかけており、イスラーム圏の人々だけでなく、[[イギリス]]や[[米国]]などの白人の若者までもがそのメッセージに共感し、中東に駆けつけて戦闘に加わる者も多く、大きなうねりとなっている。