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{{参照方法|date=2014年2月}}
[[File:Gorskii 04414u.jpg|thumb|220px|20世紀初頭に[[ハンガリー]]の[[ブダペスト]]で製造され、[[水力発電所]]で利用されているオルタネーター]]
'''オルタネーター'''({{lang-en|alternator}})は[[交流]](alternating current)の電気を生成する[[発電機]]である。[[自動車]]や[[オートバイ]]、小型[[航空機]]などに搭載されているものは、[[ダイオード]]などを使った[[整流器]]で[[直流]]へと整流される場合も多く、これらの分野では[[整流器]]を含めてオルタネーターと呼ばれる。オートバイの分野では、整流器を含めずにジェネレーター({{lang-en-short|generator}})とも呼ばれる。
 
== 概要 ==
オルタネーターの基本原理はコイルを[[電機子]]とし、[[磁石|永久磁石]]を[[界磁]]とする[[永久磁石同期発電機]]である。コイルと永久磁石を近づけたり遠ざけたりすることでコイルの中を通る[[磁束密度]]を変化させ、[[電磁誘導]]によりコイルに発生する電流を[[三相交流]]として取り出す。多くの場合、永久磁石かコイルの一方を回転させ、もう一方を固定するが、回転する側を[[回転子]]({{lang-en-short|roter}})、固定される側を[[固定子]]({{lang-en-short|stater}})と呼ぶ。永久磁石とコイルの相対的な位置関係を直線的に往復させるものもあり、{{仮リンク|リニアオルタネーター([[:|en:|linear alternator}}({{lang-en-short|linear alternator]]}})と呼ばれる。
 
== 自動車等 ==
[[ファイル:Automotive alternator.jpg|thumb|自動車等オルタネーターの内部構造図]]
自動車などに搭載されるオルタネーターは[[原動機|エンジン]]の回転を動力源として利用し、電装部品の[[電源]]を発電する。出力軸の回転を直接オルタネーターの回転とする場合や、[[ベルト_(機械)|ベルト]]と[[滑車|プーリー]]を介して伝達される場合がある。発電した交流電力は直流に変換されてバッテリー([[二次電池|蓄電池]])や[[コンデンサ]]に蓄えられる。オートバイでは1950年代半ばにイギリス製の車種に初めて搭載された<ref>{{cite web|url=http://www.vehicle-electrical-rewinds.co.uk/how-alternators-work.html|title=How Alternators Work|publisher=Armoto Motor Units Ltd.|accessdate=2014-02-20}}</ref>。自動車では、古くは[[整流子発電機|直流整流子発電機]]([[ダイナモ]])が用いられてきたが、[[1960年代]]からオルタネーターへと置き換えが進んだ<ref>{{cite web|url=http://www.srmclassicbikes.com/electrical-department/alternators|title=Alternators | SRM Engineering|publisher=SRM Engineering Ltd.|accessdate=2014-02-20}}</ref>。直流整流子発電機と比較すると、オルタネーターは構造が簡単なため高速回転が可能で、アイドリング中も発電できることから採用されるようになった<ref>{{citeCite book|和書|publisher=三栄書房|year=2003|title=大車林-自動車情報辞典|editor=飯田一・編|isbn=4879046787}}</ref>。
 
オルタネーターで発電された交流は[[整流器]](レクチファイア、{{lang-en-short|rectifire}})によって直流に変換される。[[ダイオード]]を用いた半導体整流器が利用される。また、オルタネーターは回転速度が高くなるほど高い電圧を発生するため、電圧レギュレータ({{lang-en-short|voltage reglator}})によって一定に保たれる。古くは[[リレー]]と[[抵抗器]]を用いて段階制御していたが、近年は[[集積回路]](IC)で電圧を制御している。整流器とICを利用した電圧レギュレータは冷却フィンが備えられた鋳造アルミ製のケースに納められ、オルタネーターのケースに固定されている場合が多い。
オルタネーターは発電機の特性上、負荷が多かった(より高出力の電力を得ようとしてプーリー比を変えたり回転子の電力を上げ磁力を増すと発電時の抵抗が増す)が、固定子の改良により負荷が軽減されたものが社外品として発売されている。
 
従来の車輌においてはバッテリーがフル充電を維持する形でオルタネーターには常時負荷がかかっていたが、近年の自動車においてはオルタネーターは部分的に負荷を低減、もしくは発電を停止する充電制御を行うようになっている。これは減速時などに集中的に稼働させるように制御する事で、電圧が一定値を下回らない範囲で通常走行時や加速時の負荷を低減し燃費向上につなげている。この減速時に[[回生ブレーキ|回生発電]]を行うことで、極力エンジンではなく車両の持つ運動エネルギーを電力に変換し、燃費を向上できるため、より回生発電によるエネルギーを取り入れるために従来のバッテリーとは別途に[[リチウムイオン二次電池|リチウムイオン電池]](スズキ エネチャージ)や[[電気二重層コンデンサ|キャパシタ]](マツダ [[i-ELOOP]])を追加するケースも出てきており、オルタネーターによる回生発電は重要な要素となっている。
なお、上記のi-ELOOPではキャパシタを用いる関係上から可変電圧式のオルタネーターが用いられている。
 
自動車における発電以外の用途としては、[[セルモーター|スターター]](モーターとして駆動させる)が挙げられる。また、駆動力をエンジンアシストに使うことで[[ハイブリッド車]](いわゆるマイルドハイブリッド)とするケースもある。このケースでは12V12[[ボルト (単位)|V]]ではなく36Vや48Vなどで発電し、補機類には[[DC-DCコンバーター]]を介して12Vで供給する形となっている。
 
オルタネーターは自動車においては、一般的に搭載される装置である。ただ、モーターによる発電を行い高電圧大容量の駆動バッテリーへ蓄電するハイブリッド車においては、DC-DCコンバーターを介して12Vの通常バッテリーや補機類に電力供給ができるため、搭載されない例も多い。
 
== 脚注 ==
{{脚注ヘルプ}}
<references/>
 
== 参考文献 ==
* 社団法人{{Cite book|和書|publisher=[[電気学会]]「[[|title=電気工学ハンドブック]]」 |editor=電気学会・編|edition=第2版}}
 
== 関連項目 ==
{{Commonscat|Alternators}}
{{Portal|交通}}
* [[ダイナモ]]
* [[セルモーター]]