「サブプライム住宅ローン危機」の版間の差分

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==概要==
'''サブプライム住宅ローン危機'''の原因である[[サブプライム・ローン]]は、前述の通り、米国の[[サブプライムローン|サブプライム]]層を対象として、彼らの住宅購入用途向けに、ローンへの返済が滞った場合への[[担保]]として購入する住宅に[[抵当権]]を設定し、抵当貸付(詳細は[[譲渡抵当]]を参照)としたローン、即ち'''モーゲージ・ローン'''(mortgage loan)を証券化し、金融商品として販売する事で広く貸主を募ると言うものである。
 
本項で述べている'''サブプライム住宅ローン危機'''の英訳が「'''サブプライム・モーゲージ・クライシス'''(Subprime mortgage crisis)であるのは、この為である。
近年米国の[[サブプライムローン|サブプライム]]層に貸し出された住宅ローンのうち凡そ 80%が変動金利型 ([[:en:Adjustable-rate mortgage]]) だった<ref name="DODD">{{citation|first=Chris|last=Dodd| year = 2007 | url=http://dodd.senate.gov/?q=node/3731 |title=Senator Dodd: Create, Sustain, Preserve, and Protect the American Dream of Home Ownership |publisher=dodd.senate.gov |date=2007-02-07 | accessdate=2009-02-18}}</ref>。米国の住宅価格が 2006年中盤にピークを迎えた後に急速に値崩れを始めた中、ローンの借り換えは前より難しくなった。変動金利型ローンの金利は切り上げられたので、弁済金の滞納が増加した。サブプライム住宅ローンの債権を組み込んだ証券を所有していた金融機関は種類も数も多数に上ったが、こうした証券は価値の殆どを失った。この結果、多くの銀行や政府系企業が資本の大幅な毀損を蒙り、世界的な信用収縮が起こった。
 
[[米国]]の住宅の安定供給を目的として設立された、[[連邦住宅抵当公庫]](ファニー・メイ/Fannie Mae)や、[[連邦住宅金融抵当公庫]](フレディ・マック/Freddie Mac)などが、市場に[[サブプライム・ローン]]を供給する発行元となった。
 
こうした制度によって発行されたサブプライム住宅ローンのうち、およそ80%が変動金利型のアジャスタブル・モーゲージ([[:en:Adjustable-rate mortgage]]) であったとされる<ref name="DODD">{{citation|first=Chris|last=Dodd| year = 2007 | url=http://dodd.senate.gov/?q=node/3731 |title=Senator Dodd: Create, Sustain, Preserve, and Protect the American Dream of Home Ownership |publisher=dodd.senate.gov |date=2007-02-07 | accessdate=2009-02-18}}</ref>。
 
貸し付けた住宅ローンの返済が滞った場合、資金の貸主である[[サブプライム・ローン]]の購入者、[[債権者]]は、借主即ち[[債務者]]である[[サブプライムローン|サブプライム]]層の購入した住宅をその返済の一部として譲渡される事となる訳であるが、米国内での住宅価格が[[2006年]]中盤にピークを迎えた後に下落した為、[[サブプライム・ローン]]の多くが、購入した住宅の譲渡を持ってしてもローンの全額を返済し切れ無い[[不良債権]]へと成り果てた。
 
こうした事情を含む諸処の理由により、変動金利型の[[サブプライム・ローン]]の金利は切り上げられ、更に弁済金の滞納が増加したため、貸主である市場での[[サブプライム・ローン]]の購入者は減り、[[サブプライム・ローン]]の価格が下落した。
 
[[サブプライム・ローン]]の債権を組み込んだ金融商品を所有していた金融機関は種類も数も多数に上ったが、こうした金融機関が買っていた[[サブプライム・ローン]]は、価値の殆どを失った。
 
こうした側面から見れば、[[サブプライム住宅ローン危機]]の根本的な原因は、[[サブプライム・ローン]]の過剰供給にあり、「住宅の値段が上昇し続ける事」を前提とした一種の住宅[[バブル経済]]の発生と、その崩壊で在ったと言える。
 
こうした経緯の結果、多くの銀行や政府系企業が大幅な損失をこうむり、世界的な[[信用収縮]]が起こった。
 
その為、[[市場原理主義]]や[[新自由主義]]の失敗例として、批判される事が多々ある。