削除された内容 追加された内容
編集の要約なし
4行目:
[[レンズ]]の収差による現象を最も単純に示すと、被写体側の焦点にある白色の点光源が、像側の焦点で点像にならない、という形で現れる。この像の崩れは、以下で述べる各種の収差が複合した結果であり、被写体のあらゆる点が、同様にして崩れた点となって投影されたものが、最終的な像となる。
 
収差は、[[色収差]]と'''単色収差'''に大きく二分される。色収差は、一般に物質の[[屈折率]]が光線の[[波長]](周波数)によって異なる([[分散 (光学)|分散]])ために、像に色ズレが起きる収差である。これに対し、単色でも発生する収差を単色収差と言う。単色収差のうち主要な5つを分類したものが[[ザイデル収差]]である。さらに後年[[フリッツ・ゼルニケ|ゼルニケ]]らにより研究され、数学的に[[ゼルニケの円多項式]](Zernike多項式)[http://en.wikipedia.org/wiki/Zernike_polynomials]で記述することもできる。また結像面の前後にズレる収差を'''縦収差'''、結像面内で横にズレる収差を'''横収差'''と言う
 
収差の補正は、複数の単レンズを組合せることで行われる。たとえば色収差の場合、屈折率と分散の異なる光学ガラスによるレンズの凹凸の組合せで、目的の屈折率を得た上で複数(アクロマートでは2色、アポクロマートでは3色)の色の光線が1点に収束するよう設計する。近年では加工技術などの進展により非球面も使われるようになった。コンピューターの発達と計算手法の研究によって、複雑な計算が可能になった。他に、複雑な自由曲面を用いた光学系が、21世紀に入る頃から研究されている。なお、[[ピンホールカメラ|針穴写真]]は原理的に無収差である。<!--収差を極限まで補正した光学系の使用例には[[ステッパー|半導体露光装置]]がある。--><!-- ←「極限まで」という言葉が指すものが微妙です。ウルトラマイクロニッコールは確かに超高性能ですが、ステッパで使うには単色光源を前提として色収差は補正の必要が無く、ザイデル収差も、一定の倍率を前提にその倍率での投影に絞って最適化すれば良く「ステッパ用のレンズ=絶対的高性能」と考えるのは誤りです。-->