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{{by|2009年}}からチームの3代目選手会長に就任。1月に第2子の長男が誕生。[[2009 ワールド・ベースボール・クラシック|第2回WBC]][[2009 ワールド・ベースボール・クラシック日本代表|日本代表]]に選出され、[[松坂大輔]]、ダルビッシュ有と共に先発の三本柱を任される。一次ラウンドでは[[2009 ワールド・ベースボール・クラシック韓国代表|韓国]]との1位決定戦に先発したが、5回1/3を1失点に抑えるも打線の援護がなくチームは0-1で惜敗した。二次ラウンドの初戦[[2009 ワールド・ベースボール・クラシック・キューバ代表|キューバ]]戦では2番手として登板し、1回を2三振で抑える。二次ラウンドのキューバとの敗者復活戦で6回を無失点に抑え、チームは5-0で勝利。この試合ではキューバ中堅手の[[ヨエニス・セスペデス]]が小笠原道大の放った中飛を落球するなど霧深い悪質なグラウンドコンディションであったが、守りやすくしようと「フライを打たせないようにした」と低めにスライダーやシュートを制球し、アウトの15/18は内野ゴロで打ち取り、一次リーグで最も本塁打数の多かったキューバ打線を完全に手玉に取って準決勝進出に貢献した。決勝の韓国戦では[[奉重根]]と投げ合い、大会史上最高投球回数(第2回大会当時)となる7回2/3を2失点に抑える快投を見せる。試合は8回を終わって3対2と日本リードであったが、9回裏から登板したダルビッシュが同点とされたため勝利投手の権利は得られなかった。大会に出場した全投手中最多の合計20回を投げ3失点で防御率1.35、[[WHIP]]0.90を記録。全試合で好投したものの打線の援護は計6点と少なく、救援失敗などもあって個人成績は1勝(1敗)に終わるも優秀選手賞を受賞した。MVPは3戦に先発し3勝した松坂大輔であったが、松坂本人はMVPは岩隈だと思ったらしく「クマにちょっと悪いな」と語っており、決勝戦直後の[[シャンパンファイト]]では、チームメイトらから「クマ!クマ!クマ!」のかけ声で胴上げを受けた。
 
シーズンでは開幕戦でダルビッシュと投げ合い、6回1失点で4年ぶりとなる開幕戦勝利を挙げる。しかし、開幕戦は6回59球で降板し、前半戦は100球に達する前での降板が目立った上、6月末には登録を抹消。更に7月12日の対ソフトバンク戦では4回に[[松中信彦]]、[[多村仁志]]、[[田上秀則]]、5回に[[小久保裕紀]]の4選手から自身ワーストの1試合4被本塁打を浴び、被安打はリーグ最多を記録するなど精彩を欠いた。それでも、チーム2位タイとなる13勝を挙げ、15勝の[[田中将大]]、13勝の[[永井怜]]と共に、チーム初の2位に大きく貢献した。 ソフトバンクとの[[2009年のパシフィック・リーグクライマックスシリーズ|クライマックスシリーズ]]第1ステージでは第一戦に登板し完投勝利。日本ハムとの第2ステージでは2戦目に登板するも、打線の援護無く8回3失点で第1ステージとは相反した結果となった。3敗で迎えた4戦目にリリーフとして志願登板したが、[[ターメル・スレッジ]]に勝負を決定づける3点本塁打を打たれ、涙を見せた。
 
ソフトバンクとの[[2009年のパシフィック・リーグクライマックスシリーズ|クライマックスシリーズ]]第1ステージでは第一戦に登板し完投勝利。日本ハムとの第2ステージでは2戦目に登板するも、打線の援護無く8回3失点で第1ステージとは相反した結果となった。3敗で迎えた4戦目にリリーフとして志願登板したが、[[ターメル・スレッジ]]に勝負を決定づける3点本塁打を打たれ、涙を見せた。
 
{{by|2010年}}、オリックスとの開幕戦では5安打1失点完投の好投を見せるも、打線が[[金子千尋]]に4安打完封と抑えこまれ、敗戦投手となった。その後もなかなか勝ちがつかず、初勝利は4月10日の対オリックス戦であった。4月17日の対ソフトバンク戦で初の完投勝利を挙げると、4月24日の対日本ハム戦ではダルビッシュと投げ合い、完封勝利を挙げる。6月5日の対[[横浜DeNAベイスターズ|横浜ベイスターズ]]戦では[[三浦大輔]]から三振を奪い、通算1000奪三振を記録。7月10日の対[[埼玉西武ライオンズ]]戦では[[涌井秀章]]に投げ勝ち、8月31日の対ロッテ戦では通算100勝を6回無失点の好投で飾った。最終的に防御率2.82、WHIP1.09(共にリーグ4位)の好成績を記録するものの、<!-- リーグ最下位の得点援護率3.46と援護に恵まれず、 -->10勝9敗に終わったが、3年連続二桁勝利を達成。
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{{by|2013年}}は開幕から先発ローテーション入りし、誕生日となった4月12日のレンジャーズ戦ではダルビッシュ有と投げ合い、6回2/3を3安打1失点の投球で2勝目を挙げ、この試合の5回に四球を与えるまで開幕から18回連続無四球も記録した<ref>[http://www.nikkansports.com/baseball/mlb/news/p-bb-tp2-20130414-1112229.html 岩隈、ダルに投げ勝ち2勝!誕生日飾る]日刊スポーツ、2013年4月14日。</ref>。6月10日の[[ヒューストン・アストロズ]]戦まで、ホームの[[セーフコ・フィールド]]では前年から9試合連続でのクオリティ・スタートを記録する安定した投球を続け<ref>[http://www.nikkansports.com/baseball/mlb/news/p-bb-tp2-20130612-1141270.html 岩隈7勝 防御率ア2位1・79]日刊スポーツ、2013年6月12日。</ref>、前半戦は20試合の先発で8勝4敗、リーグ6位の防御率3.02、リーグ1位のWHIP0.94の成績で折り返し、[[2013年のMLBオールスターゲーム|オールスター]]に選手間投票での選出を果たす<ref>[http://www.nikkansports.com/baseball/mlb/news/f-bb-tp2-20130707-1153648.html 岩隈 米球宴「本当に光栄」]日刊スポーツ、2013年7月7日。</ref><ref>[http://www.nikkansports.com/baseball/mlb/news/f-bb-tp2-20130707-1153673.html マ軍、監督と選手が岩隈を祝福]日刊スポーツ、2013年7月7日。</ref>。前半戦最終戦となった7月14日の[[ロサンゼルス・エンゼルス・オブ・アナハイム|ロサンゼルス・エンゼルス]]戦に先発したため、アメリカン・リーグの監督を務めた[[デトロイト・タイガース]]監督の[[ジム・リーランド]]の方針でオールスター当日の登板はなかった。25日のツインズ戦では、6回4安打無失点の好投でメジャー移籍後初の10勝目を挙げ<ref>[http://www.nikkansports.com/baseball/mlb/news/p-bb-tp2-20130727-1163727.html 岩隈も初10勝「すごくうれしい」6回0封]日刊スポーツ、2013年7月27日。</ref>、9月13日の[[セントルイス・カージナルス]]戦で200イニングに到達<ref>[http://www.nikkansports.com/baseball/mlb/news/f-bb-tp2-20130914-1189152.html 岩隈「勝ち星は打線との絡み。気にしない」]日刊スポーツ、2013年9月14日。</ref>。その後も好投を続け、後半戦は13試合の先発で6勝2敗、防御率2.14、WHIP1.11の好成績を残し、最後の3試合は23回連続無失点を記録。シーズン通算ではリーグ7位の14勝、日本人選手歴代2位となるリーグ3位の防御率2.66、同じく日本人選手歴代1位となるリーグ2位のWHIP1.01、同じく2位となるリーグ3位の219.2イニングを投げ、[[WAR (野球)|rWAR]]はリーグ1位かつ日本人投手歴代1位となる7.0、[[RSAA (野球)|RSAA]]はリーグ1位の36.13を記録した。P/IP(1イニングあたりの投球数)はリーグ1位の14.12、ストライク割合(ストライク/全投球)68%、与四死球率1.64は共にリーグ3位と、コントロールと燃費のよさが目立つシーズンとなった。サイ・ヤング賞投票では[[マックス・シャーザー]]とダルビッシュ有に次ぐ3位に入る<ref>[http://www.nikkansports.com/baseball/mlb/news/f-bb-tp2-20131114-1218010.html ダル2位、岩隈3位でサイ・ヤング賞逃す]日刊スポーツ、2013年11月14日。</ref>。
 
{{by|2014年}}1月20日南カリフォルニアで練習中にネットをつかんだ際右手中指の第一関節を痛め、4週間から6週間の投球禁止となったことを2月12日に発表した<ref>{{cite web|url=http://espn.go.com/mlb/story/_/id/10445614/hisashi-iwakuma-seattle-mariners-suffers-strained-tendon-finger|title=Hisashi Iwakuma has strained tendon|work=ESPN MLB|author=|date=February 12, 2014|accessdate=February 13, 2014}}</ref>。[[ジャック・ズレンシック]]GMは「手術の必要はないだろう」と話している<ref>{{cite web|url=http://seattle.mariners.mlb.com/news/article.jsp?ymd=20140212&content_id=67700120&vkey=pr_sea&c_id=sea|title=Medical update on right-handed pitcher Hisashi Iwakuma|work=MLB.com Mariners Press Release|author=|date=February 12, 2014|accessdate=February 13, 2014}}</ref>。2月28日の再検査でさらに3週間の投球禁止と診断され<ref>{{cite web|url=http://seattle.mariners.mlb.com/news/article.jsp?ymd=20140228&content_id=68489574&vkey=pr_sea&c_id=sea|title=Medical update on right-handed pitcher Hisashi Iwakuma|work=MLB.com Mariners Press Release|author=|date=February 28, 2014|accessdate=March 1, 2014}}</ref>、3月29日に15日間の故障者リスト入りした<ref>{{cite web|url=http://seattle.mariners.mlb.com/news/article.jsp?ymd=20140329&content_id=70420510&vkey=pr_sea&c_id=sea|title=Hisashi Iwakuma, Taijuan Walker, Stephen Pryor placed on 15-day DL|work=MLB.com Mariners Press Release|author=|date=March 29, 2014|accessdate=March 30, 2014}}</ref>。4月27日からAAA級[[タコマ・レイニアーズ]]でリハビリを開始し<ref>{{cite web|url=http://seattle.mariners.mlb.com/news/article.jsp?ymd=20140426&content_id=73491096&notebook_id=73502156&vkey=notebook_sea&c_id=sea|title=Iwakuma nearing return, first rehab start|work=MLB.com|author=Adam Lewis|date=April 26, 2014|accessdate=April 28, 2014}}</ref>、5月3日に故障者リストから外れた<ref>{{cite web|url=http://seattle.mariners.mlb.com/news/article.jsp?ymd=20140503&content_id=74177432&vkey=pr_sea&c_id=sea|title=RHP Hisashi Iwakuma activated from 15-day disabled list; LHP Lucas Luetge optioned to AAA Tacoma|work=MLB.com Mariners Press Release|author=|date=May 3, 2014|accessdate=May 3, 2014}}</ref>。メジャー通算50試合目の先発となった同日のアストロズ戦で復帰しシーズン初勝利を挙げ<ref>[http://www.nikkansports.com/baseball/mlb/news/p-bb-tp2-20140505-1296031.html 岩隈1勝「やっと」220日ぶり登板で復活]日刊スポーツ、2014年5月5日。</ref>、その2戦目からは3連勝を挙げる<ref>[http://www.nikkansports.com/baseball/mlb/news/p-bb-tp2-20140522-1304805.html 岩隈スローカーブで3連勝]日刊スポーツ、2014年5月22日。</ref>。6月には2試合けて100の5失点を喫したが<ref>[http://www.nikkansports.com/baseball/mlb/news/p-bb-tp2-20140627-1324526.html 岩隈5回途中KO 最速148キロも制未満難]日刊スポーツ、2014年6月27日。</ref>、7月7日のツインズ戦8メジャー通算30勝目に到達し<ref>[http://www.nikkansports.com/baseball/mlb/news/p-bb-tp2-20140709-1331132.html 岩隈吠えた!毎を投げきり10K7回0封7勝]日刊スポーツ2014年7月9日。</ref>、12日時点[[オークランド・アスレチックス]]戦ではMLB8回2/3を無失点の投球1920規定投球回に到達するなど復調<ref>[http://www.nikkansports.com/baseball/mlb/news/p-bb-tp2-20140714-1334201.html 岩隈8勝 メジャー初完封あと1人で逃す]日刊スポーツ、2014代以降507月14日。</ref>。14試合の先発以上した右腕投手の中8勝4敗ベストの防御率(22.58)98、WHIP1.00の成績で前半戦記録折り返す。7月29日の[[クリーブランド・インディアンス]]戦では日米通算2000投球回に到達てい9勝目を挙げる<ref>[http://gyaowww.yahoonikkansports.co.jpcom/baseball/mlb/columndarvishnews/0037p-0001/bb-tp2-20140731-1343324.html 岩隈9勝 左打者8人に強気の内角攻め]日刊スポーツ3試2014年7月31日。</ref>。10勝目を挙げた8月8日のホワイトソックス戦で前年からの計350イニングに到達し、翌年の契約オプションの更新条件を満たす<ref>[http://www.nikkansports.com/baseball/mlb/news/p-bb-tp2-20140810-1348633.html 岩隈10勝、年俸7億マリナーズ残留]日刊スポーツ、2014年8月10日。</ref>。9月5日のレンジャーズ戦で2年連の14勝目を挙げ<ref>[http://www.nikkansports.com/baseball/mlb/news/p-bb-tp2-20140907-1362950.html 岩隈連続14勝「なんとか並ぶことできた」]日刊スポーツ、2014年9月7日。</ref>、チームも[[ワイルドカード (スポーツ)#メジャーリーグベースボール|ワイルドカード]]を争う好調を見せ100球未満いたが、その後3連敗を喫し、9月は防御率7.61、WHIP1.56と絶不調に陥る。シーズン最終登板8は61/34安打2失点の球でメジャー自己最多の15勝目を挙が<ref>[http://www.nikkansports.com/baseball/mlb/news/p-bb-tp2-20140928-1374111.html JAPANESE PITCHERS’岩隈「全力で」自己最多15勝 REPORT VOL.7PO残った]MLB_jp MLB本公式サイト刊スポーツ、2014年592128日。</ref>、チームは1勝差で13年ぶりのポストシーズン進出を逃しシーズンを終えた<ref>{{cite web|url=[http://mynorthwestwww.nikkansports.com/893baseball/2526636mlb/Puttingnews/f-Hisashibb-Iwakumastp2-brilliance20140929-in-perspective|title=Putting Hisashi Iwakuma's brilliance in perspective|work=ESPN MLB|author=|date=February 21,1374779.html 岩隈のマリナーズ13年ぶり進出ならず]日刊スポーツ、2014|accessdate=February 21, 2014}}年9月29日。</ref>。
 
== 選手としての特徴 ==
[[File:Iwakuma hisashi.jpg|right|thumb|岩隈の投球フォーム(2011年)]]
2014年まで通算450イニング以上の現役先発投手でメジャー2位の与四球率1.66を記録している抜群の制球力で、平均球速89.5mph(約144km/h)の[[速球]](フォーシーム、[[速球#ツーシーム・ファストボール|ツーシーム]])<ref>[http://www.fangraphs.com/pitchfx.aspx?playerid=13048&position=P Hisashi Iwakuma PITCHf/x]FanGraphs</ref>と[[フォークボール|スプリッター]]、球速や変化の違う2種類の[[スライダー (球種)|スライダー]]<ref>{{Cite book|和書|author=岩隈久志|year=2014|title=岩隈久志のピッチングバイブル ― メジャーリーグトップクラスの少ない球数で打ち取る投球術|publisher=舵社|pages=118-119頁|id=ISBN 978-4-807265-55-8}}</ref>、[[カーブ (球種)|カーブ]]を投げ分ける。
近鉄時代は右腕をダラリとたらす独特なタメから投げ込む特徴的な[[スリークォーター]]から投げる最速153km/hの[[速球|ストレート]]と大きく曲がる縦の[[スライダー (球種)|スライダー]]を武器にしたスタイルだった<ref>{{Cite book|和書|author=小関順二、西尾典文、泉直樹|year=2007|title=プロ野球スカウティングレポート2007|publisher=アスペクト|pages=198-199頁|id=ISBN 978-4-7572-1338-8}}</ref>が、怪我の影響や2005年からNPBにおける[[ボーク#二段モーション|二段モーション]]の規制が強化されたことに伴い、投球フォームや投球スタイルを変化させる。
 
制球力は日本時代から高い評価を得ており、メジャーのスカウトからは「コマンド(狙ったスポットに投げる能力)と球を低めに集めるコントロール(ストライクに投げる能力)はダルビッシュよりずっと上」との評価を得ていた<ref name="sl0906"></ref>。同じくスプリッターも日本時代からメジャーのスカウトより「スプリッターはメジャーでも最高級かも」との評価を得ており<ref name="sl0906">WBCで輝いたMLB未経験選手9人の評価は? MLBのスカウトから見た日韓の選手たち 『月刊スラッガー』2009年6月号、日本スポーツ企画出版社、2009年、雑誌15509-6、50-52頁。</ref>、マリナーズ移籍後もスカウトやGM、選手から、速球とほぼ同じリリースポイントから正確に低めに投げることができる点からメジャー最高の決め球のひとつに挙げられた<ref>最高の決め球を投げるのは誰だ!?『月刊スラッガー』2013年8月号、日本スポーツ企画出版社、2013年、雑誌15509-8、16-18頁。</ref>。クイックモーションにも定評があり、被盗塁成功率が低い<ref>{{Cite web|date=2014-08-22|url=http://full-count.jp/2014/08/22/post4376/|title=【米国はこう見ている】岩隈久志が見せる職人技 “隠れたメジャー記録”にあと「1」に迫る |publisher=Full-Count |accessdate=2014-09-09}}</ref>。
楽天移籍後はストレートがシュート回転することを課題としていたが<ref>{{Cite book|和書|author=|year=2009|title=野球小僧 世界野球選手名鑑2009|publisher=白夜書房|pages=112頁|id=ISBN 978-4-86191-508-6}}</ref>、2008年には下半身が安定したことで球持ちが良くなり<ref name="iwakuma2009"></ref>、球速も2010年には平均球速142.6km/h、最速152km/hをマーク<ref>{{Cite book|和書|author=|year=2011|title=2011プロ野球オール写真選手名鑑|publisher=日本スポーツ企画出版社|pages=183頁|id=ISBN 978-4-930942-98-2}}</ref>。2011年には肩の故障から球速が落ちたが<ref>[http://www.sponichi.co.jp/baseball/news/2011/05/17/kiji/K20110517000841850.html 岩隈 右肩変調…「次はちょっと分からない」]スポニチ、2011年05月17日。</ref>、移籍後は平均球速89.8mph(約144km/h)を記録している<ref>[http://www.fangraphs.com/pitchfx.aspx?playerid=13048&position=P Hisashi Iwakuma PITCHf/x]FanGraphs</ref>。
 
近鉄時代は右腕をダラリとたらす独特なタメから投げ込む特徴的な[[スリークォーター]]から投げる最速153km/hの[[速球|ストレート]]と大きく曲がる縦の[[スライダー (球種)|スライダー]]を武器にしたスタイルだった<ref>{{Cite book|和書|author=小関順二、西尾典文、泉直樹|year=2007|title=プロ野球スカウティングレポート2007|publisher=アスペクト|pages=198-199頁|id=ISBN 978-4-7572-1338-8}}</ref>が、怪我の影響や2005年からNPBにおける[[ボーク#二段モーション|二段モーション]]の規制が強化されたことに伴い、投球フォームや投球スタイルを変化させる。
楽天移籍後は肩に負担の大きい縦のスライダーを多投しないようになり<ref name="iwakuma2009">{{Cite book|和書|author=[[小関順二]]、西尾典文、泉直樹|year=2009|title=プロ野球スカウティングレポート2009|publisher=アスペクト|pages=172頁|id=ISBN 978-4-7572-1628-0}}</ref>、真下かシンカー方向に落とす平均球速約85mph(約136km/h)の[[フォークボール|スプリッター]]を中心に、斜めに小さく曲がる横のスライダーや内角へ切り込む速い[[シュート (球種)|シュート]]、110km/h~120km/h台で打者のタイミングを外す[[カーブ (球種)|カーブ]]を稀に使って<ref>プロ野球 投手「球種リスト」 『野球小僧』2010年6月号、白夜書房、雑誌18801-6、148頁。</ref>、アウトの65パーセント近くをゴロで稼ぐ<ref>{{Cite book|和書|author=|year=2010|title=野球小僧 世界野球選手名鑑2010|publisher=白夜書房|pages=94頁|id=ISBN 978-4-86191-595-6}}</ref><ref>{{Cite book|和書|author=|year=2011|title=野球小僧 世界野球選手名鑑2011|publisher=白夜書房|pages=72頁|id=ISBN 978-4-86191-710-3}}</ref>打たせて取る投球を進化させる。特に[[2009 ワールド・ベースボール・クラシック|2009年のWBC]]での[[2009 ワールド・ベースボール・クラシック・キューバ代表|キューバ]]戦では、18個のアウトの内15個のアウトを内野ゴロで打ち取る6回無失点の好投を見せ、大会通算20イニングで1本塁打に抑えた。スプリッターは日本時代からメジャーのスカウトより「スプリッターはメジャーでも最高級かも」との評価を得ており<ref name="sl0906">WBCで輝いたMLB未経験選手9人の評価は? MLBのスカウトから見た日韓の選手たち 『月刊スラッガー』2009年6月号、日本スポーツ企画出版社、2009年、雑誌15509-6、50-52頁。</ref>、マリナーズ移籍後もスカウトやGM、選手から、速球とほぼ同じリリースポイントから正確に低めに投げることができる点からメジャー最高の決め球のひとつに挙げられた<ref>最高の決め球を投げるのは誰だ!?『月刊スラッガー』2013年8月号、日本スポーツ企画出版社、2013年、雑誌15509-8、16-18頁。</ref>。
 
楽天移籍後はストレートがシュート回転することを課題としていたが<ref>{{Cite book|和書|author=|year=2009|title=野球小僧 世界野球選手名鑑2009|publisher=白夜書房|pages=112頁|id=ISBN 978-4-86191-508-6}}</ref>、2008年には下半身が安定したことで球持ちが良くなり<ref name="iwakuma2009"></ref>、球速も2010年には平均球速142.6km/h、最速152km/hをマーク<ref>{{Cite book|和書|author=|year=2011|title=2011プロ野球オール写真選手名鑑|publisher=日本スポーツ企画出版社|pages=183頁|id=ISBN 978-4-930942-98-2}}</ref>。2011年には肩の故障から球速が落ちたが<ref>[http://www.sponichi.co.jp/baseball/news/2011/05/17/kiji/K20110517000841850.html 岩隈 右肩変調…「次はちょっと分からない」]スポニチ、2011年05月17日。</ref>、マリナーズ移籍後は前述の通り平均球速89.8mph(5mph(約144km/h)を記録している<ref>[http://www.fangraphs.com/pitchfx.aspx?playerid=13048&position=P Hisashi Iwakuma PITCHf/x]FanGraphs</ref>。
練習ではラグビーボールを一回り小さくしたボールでキャッチボールしており、ヒジを故障したことを考慮してヒジの位置を確認しながら投げているという。これによりヒジの位置が前年と比べて高くなったことで、フォークの落差が大きくなったと語っている<ref>2008年『[[スポーツ大陸]]』([[日本放送協会|NHK]])</ref>。
 
また、楽天移籍後は肩に負担の大きい縦のスライダーを多投しないようになり<ref name="iwakuma2009">{{Cite book|和書|author=[[小関順二]]、西尾典文、泉直樹|year=2009|title=プロ野球スカウティングレポート2009|publisher=アスペクト|pages=172頁|id=ISBN 978-4-7572-1628-0}}</ref>、真下かシンカー方向に落とす平均球速約85mph(約136km/h)の[[フォークボール|スプリッター]]を中心に、斜めに小さく曲がる横のスライダーや右打者の内角へ切り込む速い[[シュート (球種)|シュート]](現在はツーシームや[[速球#シンキング・ファストボール|シンカー]]と呼ばれる)、110km/h~120km/h台で打者のタイミングを外す[[カーブ (球種)|カーブ]]を稀に使って<ref>プロ野球 投手「球種リスト」 『野球小僧』2010年6月号、白夜書房、雑誌18801-6、148頁。</ref>、アウトの65パーセント近くをゴロで稼ぐ<ref>{{Cite book|和書|author=|year=2010|title=野球小僧 世界野球選手名鑑2010|publisher=白夜書房|pages=94頁|id=ISBN 978-4-86191-595-6}}</ref><ref>{{Cite book|和書|author=|year=2011|title=野球小僧 世界野球選手名鑑2011|publisher=白夜書房|pages=72頁|id=ISBN 978-4-86191-710-3}}</ref>打たせて取る投球を進化させ。特に[[2009 ワールド・ベースボール・クラシック|2009年のWBC]]での[[2009 ワールド・ベースボール・クラシック・キューバ代表|キューバ]]戦では、18個のアウトの内15個のアウトを内野ゴロで打ち取る6回無失点の好投を見せ、大会通算20イニングで1本塁打に抑えた。スプリッターは日本時代からメジャーのスカウトより「スプリッターはメジャーでも最高級かも」との評価を得ており<ref name="sl0906">WBCで輝いたMLB未経験選手9人の評価は? MLBのスカウトから見た日韓の選手たち 『月刊スラッガー』2009年6月号、日本スポーツ企画出版社、2009年、雑誌15509-6、50-52頁。</ref>、マリナーズ移籍後もスカウトやGM、選手から、速球とほぼ同じリリースポイントから正確に低めに投げることができる点からメジャー最高の決め球のひとつに挙げられた<ref>最高の決め球を投げるのは誰だ!?『月刊スラッガー』2013年8月号、日本スポーツ企画出版社、2013年、雑誌15509-8、16-18頁。</ref>
日本での通算与四球率1.99と優秀な数値を残している制球力もあり、メジャーリーグのスカウトからは「コマンド(狙ったスポットに投げる能力)と球を低めに集めるコントロール(ストライクに投げる能力)はダルビッシュよりずっと上」との評価を得ていた<ref name="sl0906"></ref>。2014年にはESPNにより「メジャー最高の先発9投手」に選ばれている<ref>{{Cite web|date=2014-06-08|url=http://full-count.jp/2014/06/08/post2962/|title=【米国はこう見ている】米メディアが選ぶ「メジャー最高の先発9投手」の中に日本人3投手 ダルビッシュ有、田中将大、岩隈久志の凄さ |publisher=Full-Count |accessdate=2014-09-09}}</ref>。
 
練習ではラグビーボールを一回り小さくしたボールでキャッチボールしており、ヒジを故障したことを考慮してヒジの位置を確認しながら投げているという。これによりヒジの位置が前年と比べて高くなったことで、フォークの落差が大きくなったと語っている<ref>2008年『[[スポーツ大陸]]』([[日本放送協会|NHK]])</ref>。
岩隈のクイックモーションには日本時代から定評があり、MLBでも投球時の相手チームの盗塁成功率について取り上げられたことがる<ref>{{Cite web|date=2014-08-22|url=http://full-count.jp/2014/08/22/post4376/|title=【米国はこう見ている】岩隈久志が見せる職人技 “隠れたメジャー記録”にあと「1」に迫る |publisher=Full-Count |accessdate=2014-09-09}}</ref>。
 
== 人物 ==
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== 脚注 ==
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== 関連項目 ==