「昆虫採集」の版間の差分

削除された内容 追加された内容
Ks (会話 | 投稿記録)
153.193.174.236 (会話) による ID:52416902 の版を取り消し昆虫採集とは関係が薄そう
Ks (会話 | 投稿記録)
65行目:
一頃、昆虫採集のために貴重な昆虫が[[絶滅]]する、と言う論が行われたことがある。そのような場合、昆虫採集家は、大規模な'''環境破壊'''、たとえば森を切り崩しての''土地開発''の方が遙かにひどいものであり、多くの貴重な昆虫の減少の原因はそこにある、人間が捕まえる量はたかが知れていて、すぐに再生するものだという風に言い返すのが常であった。
 
これは確かにその通りで、普通に捕まえる限り、普通の昆虫は減少するものではない。しかしながら、最近では熱狂的な[[マニア]]の中には、'''普通でない昆虫に対して、普通でない捕まえ方をしないするもの'''がいる。たとえば、産地が限定されているチョウの幼虫を捕るために、食草の樹木を切り倒したとか、某島に特産の大木の洞(うろ)にだけ住んでいるクワガタやコガネムシを捕るために、[[チェーンソー]]で洞を切り広げて生活場所である腐植の堆積物を全部掻き出したとか、とんでもない話が報道されているのみならず、現実に行われた実態が保全生態学の研究者からも調査報告されている。このような人物にとっては、目的の昆虫の数が減ることは、手元の標本の希少価値が高まるのでうれしいらしい。いくら昆虫採集とはいえ、節度は守るべきであろう。また、環境破壊により極端に生息数が減少した昆虫の中には全国から愛好家が集中して採集を行うこと自体かなり強い圧力になってしまうものも現れている。
 
こうした特定の昆虫の採集問題は、昆虫採集の一般論とは区別して議論する必要がある。むしろ、特定の土地の生物相を網羅する調査にはアマチュア愛好家も参加した昆虫採集の効果が非常に高い。広範な種の昆虫を採集している愛好家の蒐集した標本群は、その土地の生物相の変化を追跡するためにはきわめて貴重なデータであり、環境破壊を食い止める施策を立てる大きな助けになる。