「使用貸借」の版間の差分
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=== 使用貸借の性質 ===
* 要物契約
*: 賃貸借が[[諾成契約]]であるのに対して使用貸借は[[要物契約]]である([[b:民法第593条|593条]]の「物を受け取ることによって」の文言)。沿革的な理由によるもので、目的物の交付は[[現実の引渡し]]のほか[[簡易の引渡し]]や[[占有改定]]でもよい<ref name="kawai204">川井健著 『民法概論4 債権各論 補訂版』 有斐閣、2010年12月、204頁</ref>。現代的な意義としては単なる合意の段階で[[裁判]]によってまで目的物を貸すことを要求する権利を認める必要はない点が理由とされる<ref name="uchida174"/>。ただし、要物性を緩和し、使用貸借の予約や'''諾成的使用貸借'''も有効に成立する(通説)<ref>近江幸治著 『民法講義Ⅴ 契約法 第3版』 成文堂、2006年10月、175頁</ref>。
* 無償契約
*: 使用貸借は[[無償契約]]である。多少の[[金銭]]等の交付があっても対価性が認められない限り無償契約である<ref>川井健著 『民法概論4 債権各論 補訂版』 有斐閣、2010年12月、205頁</ref>。貸主の[[担保責任]]については同じ無償契約である贈与者の担保責任の規定([[b:民法第551条|第551条]])が準用される([[b:民法第596条|第596条]])。したがって、貸主は目的物の[[瑕疵]]について原則として責任を負わず、例外的に貸主がその瑕疵を知りながら借主に告げなかったときに限って責任を負う([[b:民法第596条|第596条]]・[[b:民法第551条|第551条]]第1項)。なお、負担付贈与が認められるのと同様に'''負担付使用貸借'''も認められる<ref name="kawai204"/>。
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