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{{Otheruses||「夜」を題名とする作品|#「夜」を題名とする作品}}
{{Otheruses||[[アントニオ・ヴィヴァルディ]]の楽曲|夜 (フルート協奏曲)|映画|夜 (映画)}}
 
[[File:PortSaintGoustanAurayQuaiFranklinNuit2002FL.jpg|thumb|right|260px300px|夜の港]]
'''夜'''(よる)は、[[日没]]から日の出までの[[時間]]のことである<ref>『[[広辞苑]]』</ref>。つまり[[太陽]]が[[地平線]]や[[水平線]]の下にある時間帯のことである<ref name='sekaid'>{{Cite book|和書|chapter=夜|title=世界大百科事典|publisher=平凡社|year=1988}}</ref>。'''宵'''(よい)ともいう。
 
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== 神話と伝承 ==
[[File:Nott painting.jpg|thumb|right|140px|夜は様々な[[神秘]]が起きるとされる時でもある。]]
ほとんどの[[創造神話|世界の創造]]の[[神話]][[伝説]]は、天地や日月の創造に加えて、夜や昼の創造を伴っている。
 
=== 古代インド ===
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ギリシア神話では、夜 Nyx [[ニュクス]]は、原初の時に[[カオス]]から生まれた偉大な女神であり、その力たるや神々の王[[ゼウス]]も恐れるほどである。ニュクスは自分の兄弟にあたる地下の[[闇]] [[エレボス]]と結婚し、昼の女神Hemera [[ヘメラ]]を産んだ。母ニュクスと娘ヘメラは西の果てにある夜の館に住んでいるが、一方が帰ってくる時は他方は館から出てゆくので、二人はすれ違うたびに挨拶はかわすものの一緒にいることはけっしてない。ニュクスには、エレボスの種によらず自分だけで産んだ多くの子供たちがおり、そのうちのひとりはどこにでもニュクスのお供としてついてくる眠りの神Hypnos[[ヒュプノス]]であり、その双子の兄弟は死の神[[タナトス]]で、二人は一緒に夜の館の隣に居を構えている。また、ニュクスの子には、女神[[エリス]]がおり、ヒュプノス・タナトスの妹にあたり、彼女から人間の[[死]]と[[苦しみ]]の原因となるあらゆる災いが生まれることになった<ref name='sekaid_mythe' />。
 
[[File:Creation of Light.png|thumb|230px|光の創造("The Creation of Light")]]
=== 聖書 ===
<!--[[File:Adam Elsheimer 002.jpg|thumb|right|160px|[[:en:Flight into Egypt]] ]]
[[File:Bitola-monastery.jpg|thumb|right|160px|夜景に浮かぶ聖堂([[マケドニア正教会]])]]-->
『[[創世記]]』には以下のように記されている。
 
{{Quotation|はじめに神は天と地を創造された。地は混沌としており、闇が淵のおもてにあり、神の霊が水のおもてをうごいていた。神は言われた。「光あれ」。かくして光があった。神はその光を見て、良しとされた。神はその光と闇を分け、光を昼と呼び、闇を夜と呼んだ。|『[[創世記]]』第1章 1-5}}
 
『[[ヨハネの黙示録]]』では、夜は、[[闇]]と同じく[[神]]の[[救済]]が届かない、[[悪]]の支配領域とされている<ref>{{cite book|和書|author = 小河陽訳|title = ヨハネの黙示録|publisher = 岩波書店|year = 1996|pages = 136頁}}</ref>。
{{cite book|和書
|author = 小河陽訳
|title = ヨハネの黙示録
|publisher = 岩波書店
|year = 1996
|pages = 136頁
}}</ref>。
 
=== 西欧の伝承 ===
[[魔法]]や[[魔術]]は、夜間にその力が発揮されると考えられていることが多い。また[[吸血鬼]]は夜に活動すると信じられているし、[[狼男]]は[[満月]]の夜に狼に変身するという伝承がある。
<!--{{要出典範囲|夜は人間にとって最大の感覚である[[視力]]を奪われ、それに基づく危険が多い。また家畜に被害を与える[[オオカミ|狼]]などの獣や[[盗賊]]などの発見と追跡を困難にすることから、危険や悪と関連付けて語られることが多い。|date=2011-4}}-->
<br style="clear"/>
 
=== 日本 ===
[[ファイル:SekienOmagatoki.jpg|right|thumb|200px250px|left|「逢魔時」『[[今昔画図続百鬼]]』:鳥山石燕]]
日本では昼と夜の境である《[[たそがれ時]]》は[[神隠し]]などの[[超常現象|不思議な出来事]]のよく起きる時刻とされた<ref name='sekaid_nihon'>{{Cite book|和書|author=村下重雄|chapter=夜<nowiki>[日本の習俗]</nowiki>|title=世界大百科事典|publisher=平凡社|year=1988}}</ref>。(《たそがれ》は「誰(た)そ彼」で、夕方うす暗くて人の見分けのつかない時のことで、一方《かわたれ》は「彼は誰」で主として明け方の薄暗い時を言う<ref name='sekaid_nihon' />)。このような物事の見分けがつかない時間は、いわば[[この世]]と[[異界]]がまじわる時でもあったから、異界から[[神]]や[[魔物]]や[[妖怪]]が多く出現したのである<ref name='sekaid_nihon' />。

この時間帯を「[[逢魔時]](おうまがとき)」とも言う。電灯など無い時代、夜はまさに[[闇]]の世界であり、人々の家のすぐそばまで異界の境は近づいていたのである<ref name='sekaid_nihon' />。「百鬼夜行」という言葉があるように、夜はさまざまな魔物や妖怪が出没する時間帯であったのである<ref name='sekaid_nihon' />。『日本書紀』の伝説には、夜は神がつくり昼は人がつくった、とある<ref name='sekaid_nihon' />。夜は神の世界であったから、祭りや神事の多くは、日没からあかつきにかけて行われる<ref name='sekaid_nihon' />。
 
== 時代と夜 ==
[[画像:Castiñeiras Ribeira Galicia 012.JPG|thumb|160px|月明り]]
<!--{{要出典範囲|[[人間]]は、主に昼に[[経済]]活動などを行い、夜になると[[睡眠]]をとる。|date=2011-4}}-->
 
もともと人というのは日の出とともに起き、日没とともに寝るという、自然のリズムで生活することが主であった。
 
[[画像:Castiñeiras Ribeira Galicia 012.JPG|thumb|160px|月明り]]
ただし、夜は全く活動しなかったわけでもない。月が出ている夜は月明りのもと活動することができた。
[[火]]を使うようになってからは、月が出ていない夜でも、夜の比較的早い段階では一定の活動があったものと考えられる。
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灯火が発達するにつれ、夜間に明かりをつけた下で活動が行われるようになった。人と人のつながりが夜に結ばれるようにもなった。[[イスラム教]]の[[ラマダーン]]の期間中は、昼間は[[断食]]が義務づけられていて静かで、夜間に親族・知人が会して食事をにぎやかにとる。西欧には「歴史は夜作られる」との言葉も生まれた。
 
[[File:Earthlights dmsp.jpg|thumb|right|160px|現代において間に照明が使われている様子の地球(1994.10.1 - 1995.03.31)]]
世界各国を見渡せば、夜はやはり大半の人々にとって自宅で静かに過ごす時間帯である。
(あくまで少数派にすぎないが)近・現代、しかも特に大都市などでは、夜の前半には活発に活動する人もいる。[[仕事]]や[[学校]]を終えた後に、遊ぶ時間に使っている人も多い。だがそうした人でも、夜も半ばを過ぎると睡眠をとる時間帯となる。
 
<!--[[File:Susukino_by_flimdy_in_Sapporo.jpg|thumb|150px|立ち並ぶ24時間営業店]]-->
日本などでは[[コンビニエンスストア]]など24時間営業する店舗の数は近年増えたが、夜間にこうした施設で照度の高い照明に身体がさらされることが体内時計を狂わせ、健康を害し精神的にも不安定にさせる元凶となっているとしばしば指摘されている。何億年という生命の歴史によってもたらされた人の[[体内時計]]は、夜は暗く昼は明るいという自然な状態にあって正常に機能するものなのである。
 
== 天文学的にみた夜 ==
{{right|<gallery widths="150px" heights="100px" perrow="2" caption="太陽光と地軸による夜時間の変化">
[[File:HowTo - Startrail.jpg|thumb|right|180px|星の動き]]
File:Earth-lighting-summer-solstice EN.png|夏至
File:Earth-lighting-winter-solstice EN.png|冬至
</gallery>}}
 
[[地球]]は、[[地軸]]を[[軌道 (力学)|軌道]]面と[[垂直]]な方向から約23.4[[度 (角度)|度]]傾けて、太陽の周りを[[自転]]しながら[[公転]]している。このため、太陽は、[[天の赤道]]から約23.4度傾いた[[黄道]]上を、1[[年]]かけて一周するように見え、太陽の[[赤緯]]が変化する。これにより、ある地点での夜の長さは1年周期で変化する。[[夏至]]の頃には、[[北半球]]では夜が最も短くなり、逆に[[南半球]]では最も夜が長くなる。[[冬至]]の頃にはこの逆になる。夜と昼の長さの変化は高緯度地域になるほど大きくなり、北緯66.6度以北、南緯66.6度以南では、太陽が全く沈まず、一日中昼となる[[白夜]]と、太陽が全く昇らず、一日中夜となる[[極夜]]が生じる。[[北極]][[南極]]に近づくほど、白夜や極夜が続く期間は長くなり、北極と南極では、1年のうち半分は夜が続き、残り半分は昼となる。赤道では、ほとんど昼夜の長さの変化は生じない。
<br style="clear:center"/>
 
[[File:HowTo - Startrail.jpg|thumb|right|180px|星の動き]]
日の出、日の入りの定義が、太陽の中心が地平線または水平線に重なった瞬間ではなく、太陽の上端が地平線または水平線に重なった瞬間であること、さらに地平線、水平線付近では大気の影響で太陽が実際よりも上に見えることから、春分、秋分の日でも、昼と夜は同じ長さにならず、夜が少し短くなる。
 
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== 気象から見た夜 ==
[[File:AMANECER SANTANA PUTUMAYO.jpg|thumb|right|180px|夜明け]]
[[気象]]面から見れば、夜は何より太陽が見えない時間である。太陽は地表の熱源であるので、夜間は[[気温]]や地温が下がる。気温の低下は太陽が姿を現すまで続き、もっとも気温が低くなるのは夜明け寸前であり、この時に一日の[[最低気温]]となる。
 
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== 生物と夜 ==
{{right|<gallery widths="150px" heights="150px" perrow="2">
[[File:Glow worm lampyris noctiluca.jpg|thumb|right|180px|夜に光を放つlampyris noctiluca]]
[[画像File:Big-eared-townsend-fledermaus.jpg|thumb|180px|[[コウモリ]]は夜行性動物の1つである]]
</gallery>}}
[[動物]]の中には、夜に主に活動するものと、昼に主に活動するものがいる。これをそれぞれ、[[夜行性]]、[[昼行性]]という。ヒトは元々昼行性動物であるが、[[火]]を使用し、さらに[[電灯]]などを用いるようになり、現在では昼夜を問わず活発に活動しているが、基本的には昼行性は維持されていると見て良い。
 
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暖地の[[砂漠]]では、夜行性の動物が圧倒的に多い。昼間は活動するには過酷だからである。植物においては、光合成は当然昼間に行わなければならないが、その時に[[気孔]]を開けては水分が放出されてしまう。そのため夜間に[[二酸化炭素]]を取り込む[[CAM型光合成]]をおこなうものが知られる。
<br style="clear:right"/>
 
== 夜をテーマとした作品 ==
[[画像:VanGogh-starry night.jpg|thumb|180px|[[フィンセント・ファン・ゴッホ|ゴッホ]]の『[[星月夜]]』<br />([[ニューヨーク近代美術館]]所蔵)]]
<!--様々なフィクションで夜は物語の要素として登場するものの、夜が主題となっている作品は数が限られている{{要出典|date=2011-4}}。-->
映画では限られたセットを有効に活用するために夜の闇を効果的に使っている作品が多い。
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[[File:Islamabad.jpg|thumb|right|200px|.]]
[[File:Moon & Jupiter.jpg|thumb|right|200px|.]]-->
 
[[File:AMANECER SANTANA PUTUMAYO.jpg|thumb|right|180px|夜明け]]
== 「夜」を題名とする作品 ==
* [[夜 (フルート協奏曲)]] - [[アントニオ・ヴィヴァルディ]]の楽曲
* [[夜 (映画)]]
 
== 出典 ==
{{脚注ヘルプ}}