「性別適合手術」の版間の差分

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; 陰茎会陰部皮膚翻転法
: 尿道と直腸の間を切ってスペースを作り、そこに海綿体、陰茎、精巣を除去した[[陰嚢]]の皮膚を血流を残したまま移植して膣を形成する。これを造膣と呼ぶ。感覚を残すために、動脈と静脈と神経をつないだ陰茎亀頭の3分の1を移植して[[陰核]]を形成する。感覚には個人差が大きく、また術後約1年間は、神経が未結線のために無感覚である。性腺も温存するため若干の体液が出るが、それは[[カウパー腺]]液であり、女性の[[バルトリン腺]]液および[[スキーン腺]]液・子宮頸管粘液([[本気汁]])とは質・量が全く異なる。このことから、性交渉に必要な分泌液が十分でないことがこの手法の弱点である。また、術後3か月以上の長期間に渡って、1日2~3回程度定期的に[[補綴|プロテーゼ]](スティック、ダイレーターとも呼ばれる)による拡張ケア(ダイレーション)を行い、膣の収縮を抑えることが必要である。長年の[[女性ホルモン]]投与による男性器の萎縮などの理由で陰茎や陰嚢の皮膚が不足する場合に、尿道を利用して造膣することも近年可能になった。この術法はモロッコ在住のフランス人医師の[[ジョルジュ・ビュルー]] ([[:de: Georges Burou]]) によって1960年代に考案され後の1973年に彼が[[スタンフォード大学]]医学部においてその術法を公開したことで世界に普及した。1966年に[[ジョンズ・ホプキンス大学]]病院で行われた性別適合手術もこの技法を基に若干の変更を加えられたものである。現在タイ王国などアジア諸国も含めて世界的にこの手法が主流となった。日本では、術前に新しく形成した膣から毛が生えないよう電気脱毛を行う。
; 大腸法
: 尿道と直腸の間を切ってスペースを作り、下腹部を15cm程度開腹して、大腸の肛門側部分である[[S字結腸]]を10数cm切り取り、造膣をおこなう。性交渉を重視する場合に用いられる手法。分泌される[[腸液]]がバルトリン腺液に似た効果を与えるが、つねに分泌し続けるためにナプキンなどで常時ケアをしなければならないという欠点がある。しかし、術後の膣収縮が少なく、ダイレーションが陰茎会陰部皮膚翻転法に比べて少ない回数で済むという利点がある。デンマークやスウェーデンなど欧米圏ではかつて1950年代を中心にこの手法が行われていたが、現在では古典的な術法とされ、陰茎会陰部皮膚翻転法が不可能な場合にしかおこなわれない。