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[[Image:Dichlorcarben.png|thumb|214px|ジクロロカルベンの発生]]
一般によく見られる発生法は、[[ジアゾ化合物]]からの熱、光、または触媒の作用による窒素分子の脱離反応である。
また、クロロホルムと強塩基との反応からも、トリクロロメチルアニオンを中間体として、ジクロロカルベンが生成する。一方、[[イミダゾリウム塩]]と塩基との反応からはプロトンの脱離によりカルベン(イミダゾリデン)が発生するが、これは両隣の窒素原子により強く安定化されており、また、同系統のイミダゾリジニリデンは[[メタセシス|グラブス触媒]]をはじめとする遷移金属触媒の[[配位子]]としてしばしば利用される。
 
一般的な[[カルボカチオン]]が六個の価電子とプラスの電荷を持つ三配位化学種であり、[[カルバニオン]]が八個の価電子とマイナスの電荷を持つ三配位化学種であることを考えると、上記のうち、二番目の反応はカルバニオンからのアニオンの脱離反応とみなすことができ、最後の反応はカルボカチオンからのカチオンの脱離と見ることができる。なお、三配位型のカルボカチオンを特に指す「カルベニウムイオン」という呼称は、カルベンに由来する (carben + ium)。