「財政投融資特別会計国債」の版間の差分

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==概要==
かつて[[財政投融資]]は大蔵省(のち財務相)の'''資金運用部'''が運用していた<ref>旧[[住宅金融公庫]]、旧[[国民生活金融公庫]]、旧[[日本道路公団]]、国の特別会計、地方自治体などに貸し出していた。</ref>。財投改革で2001年4月に資金運用部を廃止、つまり郵便貯金と年金積立金を資金運用部へ預託するのをやめた。結果として、これまで資金運用部から融資を受けていた財投機関は、市場から新たに資金を調達する必要に迫られた。
財政投融資特別会計国債(財投債)は、日本国債の一種で、[[財政投融資]]にあてるために発行される<ref name="seido"/>。
 
そこで、自己の信用で資金調達のできる機関は[[財投機関債]]を発行して調達するようになった。自己の信用では調達できない機関は、財務省の審査を経て政府の保証が付いた[[政府保証債]]を発行する。財投機関債と政府保証債のいずれによっても調達のできない機関は、[[財務省]]が国債を発行して資金を用立ててやるが、この国債が'''財投債'''である<ref>経過措置として、2001年から7年間は市場に配慮して[[郵便貯金]]・[[公的年金]]・[[簡易保険]]積立金が財投債の一部を引き受けていた。
財政投融資にあてるための資金調達で用いられる債券としては、財投債、[[財投機関債]]、[[政府保証債]]の3つがある<ref>[http://www.mof.go.jp/zaito/report2008-03-02.html 「2.資金調達の在り方」]、『財政投融資リポート2008』、財務省。</ref>。このうち、財投機関債と政府保証債は[[特殊法人]]等の財投機関<ref>[http://www.mof.go.jp/zaito/report2008-04-03.html 「Q3 財投機関ってなに?」]、『財政投融資リポート2008』、財務省。</ref>が発行する[[債券]]であるのに対し、財投債は国が発行する債券、すなわち[[国債]](国庫債券)の一種である<ref name="Q5"/>。
:久保田博幸『図解入門ビジネス-最新国債の基本とカラクリがよ~くわかる本』秀和システム 2010年 pp.36-37.</ref>。<!--第一に、財投機関債、政府保証債、財投債の3つは、制度の沿革から切り離して考えることのできない性質を持つ。第二に、財投債というネーミングは、知識がない者には財投と直接の関係する用語にうけとられる。実際は財投とは関係がない。財投機関(かつて財投の融資を受けていた機関)の資金調達のために発行されるというだけである。編集の際は、以上の2点を曖昧にしないよう注意を払うこと。-->
 
財投債は、商品性も通常の国債(普通国債)と同じで、発行も通常の国債と合わせて行われているため、[[金融商品]]として見た場合、通常の国債と全く変わらない<ref name="Q5"/>。したがって、「財投債」という名称の債券が、通常の国債とは別に販売されているわけではない。また、発行限度額について[[国会]]の議決を受けている点でも通常の国債と同じであり、各年度の国債発行計画の中にも位置付けられている<ref name="Q5"/>。
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通常の国債との違いは、次の2点にまとめられる<ref name="Q5"/>。
#国債の発行によって調達された資金が財政融資資金の貸付けの財源となる([[財政融資資金特別会計|財政投融資特別会計]]の財源となる。)。
#償還・利払いが財投機関に融資する資金の貸付回収金によって賄われている。
この点、通常の国債は、[[一般会計]]の歳出の財源となり、[[租税]]などを償還財源としている。こうした扱いの違いから、財投債は、経済指標のグローバルスタンダードである[[:en:United Nations System of National Accounts|国民経済計算体系]](SNA)上も、一般政府の債務には分類されていない<ref name="Q5"/>。
 
2009年度(平成21年度)の財投債の発行予定額は8兆円<ref>[http://www.mof.go.jp/jouhou/kokusai/policy/heisei21/keikaku201224_1.pdf 平成21年度国債発行予定額(当初)]、財務省。</ref>、財投債の残高は2008年度(平成20年度)末で131兆501億円となっている<ref>[http://www.mof.go.jp/gbb/2103.htm 国債及び借入金並びに政府保証債務現在高(平成21年3月末現在)]、財務省。</ref>。