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'''ジビエ'''({{Lang-fr-short|gibier}})とは、[[狩猟]]によって、食材として捕獲された野生の鳥獣である。主に[[フランス料理]]での用語。
 
本来はハンターが捕獲した完全に野生のもの({{Lang-fr-short|sauvage}}、ソヴァージュ)を指すが、供給が安定しない、また入手困難で高価になってしまうといった理由で、飼育してから一定期間野に放ったり、また生きたまま捕獲して餌付けしたものもドゥミ・ソヴァージュ({{Lang-fr-short|demi sauvage}}、半野生)と呼び、ジビエとして流通している。
 
==工程==
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: 血の色が濃く、野趣に満ちた味を持つ。雌の方が[[脂肪]]層が厚く、風味も強いとされている。ちなみにコルヴェールとは「緑の首」という意味であり、日本語での鴨の異称である「青頸」と同義である。
; [[アヒル]]({{Lang|fr|canard}}、カナール)
: 鴨が家禽化されたもの<!--野禽=野生の鳥-->だが、ドゥミ・ソヴァージュによってジビエとなる。シャランデ鴨({{Lang|fr|Canard challandaise}})が特に有名で、雛を一週間飼育した後に2か月ほど自然の中で生育させる。屠殺する場合は針を打って仮死状態にした後、窒息死させる。
; [[ヨーロッパヤマウズラ|ヤマウズラ]]({{Lang|fr|perdreau}}、ペルドロー)
: [[Image:Perdix perdix (Marek Szczepanek).jpg|thumb|right|200px|ヤマウズラ(ペルドリ)]]代表的な鳥のジビエ。1歳以下の若鳥をペルドローといい、それ以上をペルドリ({{Lang|fr|perdrix}})と呼んで区別する。肉質は淡白な灰色のもの、野性味の強い赤色のものとがある。現在出回っているものはほとんどがドゥミ・ソヴァージュである。
; [[キジ]]({{Lang|fr|faisan}}、フザン)<!--フェザンは誤音訳です。詳しくはこの記事のノートを参照してください。-->
: キジもポピュラーなジビエである。雄より雌の方が肉質が柔らかく、珍重される。なお、肉の熟成を意味する「フザンダージュ」は、キジの[[フランス]]名に由来している。
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[[日本]]で一般的に肉食が広まったのは[[明治|明治時代]]以降とされているが、それ以前にも狩猟・肉食の文化はあった。[[マタギ]]やシカリといった猟師がシカや[[クマ]]、イノシシを獲っていたし、海から離れた山岳地では[[ツグミ]]やキジなどの野鳥も食べられていた。[[ウサギ]]を一羽二羽と数えるのも、鳥と偽りながら食べられていた名残である。そうした意味においては、日本人もジビエを食べてきたといえる。
 
フレンチ食材としてのジビエは、1990年代の中頃から日本に輸入されるようになった。ピジョン、コルヴェール、ペルドロー、フザン、リエーヴル、シュヴルイエなどがフランスから入ってきている。ただし全てがフランス産という訳ではなく、[[ベルギー]]、[[イタリア]]、[[スペイン]]、[[ドイツ]]、さらには[[オーストラリア]]などで獲れたジビエがいったんフランスに集められる。これは日本における[[検疫]]の都合によるものである。[[テレビ]]番組「[[料理の鉄人]]」で「ジビエ対決」が組まれるなど、知名度が上がるにつれて、ジビエ料理を出すレストランも増えてきている。
 
[[長野県]]では、農作物のシカによる[[食害]]に悩まされていることから、生息密度をコントロールするために、毎年一定量の駆除を行っている。しかし捕獲されたシカが食肉として利用されることは少ない。例えば2006年に長野県で駆除された[[ニホンジカ]]約9,200頭のうち、食肉となったのは820頭で僅か9%に過ぎない。大半はハンターに自家消費されたり、山中に埋設されたりしている。そうした中、捕獲したシカを「モミジ鍋」ばかりではなくジビエとして消費を拡大し、地域振興につなげようという動きも出始めている。長野県[[大鹿村]]などでの取り組みが代表例としてあげられるが、近年は全国各地の自治体も取り組み始めている<ref>徳島県の取り組み例。{{cite news |title=鹿の食害減らしたい、ジビエ料理5店舗認定 |newspaper= [[読売新聞]]|date=2013-3-22|url=http://www.yomiuri.co.jp/gourmet/news/cooking/20130322-OYT8T00332.htm |accessdate=2013-8-26}}</ref>。