「累進課税」の版間の差分

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自由主義者とされる[[フリードリヒ・ハイエク]]、[[ミルトン・フリードマン]]は、[[所得]]は貢献度に応じて支払われるべきものであり、累進課税等による所得再分配政策は認めていない。しかし、その一方では、貧困問題を放置するべきではないという姿勢を一貫して示している<ref>[http://research.n-fukushi.ac.jp/ps/research/usr/db/pdfs/00084-00007.pdf 2010年9月 日本における貧困議論の現状と展望 山上俊彦]</ref>。
 
=== 日本 ===
日本の累進税についてなされる議論のひとつは主に税率の高低に関するものであり、他の先進諸国と比較して税率が高いかどうかということが論点となる。もうひとつには累進税そのものの公平性を争う議論もある。
 
経済学者の[[土居丈朗]]は「日本の所得税制度には、大きな歪みがある。国民の所得総額は年間約250兆円あるが、実際に所得税が課される対象となる課税所得はそのう内の約110兆円である。残り140兆円は、控除に次ぐ控除で、課税対象から外されている。控除のやり方に大きな問題がある。日本の所得税制度は世界的に見て、所得課税による格差是正効果が極めて低い。所得の多い人ほど、税負担が軽くなる」と指摘している<ref>[http://jp.reuters.com/article/jp_view/idJPKBN0K70OO20141230 視点:格差是正へ所得税改革が急務=土居丈朗氏]Reuters 2014年12月30日</ref>。
 
[[小泉内閣]]の[[国務大臣]]であった[[竹中平蔵]]は、「(人が)同じように責任を果たし、義務を負うのであれば、税は所得に対して課するのではなくて、[[人頭税]]が望ましいでしょう」として累進課税は「不公平」であるから、人頭税導入が理想であると主張した<ref>『[[Voice (雑誌)|Voice]]』[[2001年]]5月号[http://yoshiko-sakurai.jp/index.php/2001/04/10/post_42/ 竹中平蔵・櫻井よしこ連載対談 目を覚ませ、日本人 第5回]、[[佐藤雅彦 (メディアクリエーター)|佐藤雅彦]]との共著『経済ってそういうことだったのか会議』([[日本経済新聞社]])77ページなど</ref>。また竹中は「一番よい税は一人ずつ払うという意味でシンプルな人頭税であるが、もっと言えば税金の無い社会が一番よい」と指摘している<ref>佐藤雅彦・竹中平蔵 『経済ってそういうことだったのか会議』 日本経済新聞社学〈日経ビジネス人文庫〉、2002年、402頁。</ref>。