「中国漁船サンゴ密漁問題」の版間の差分

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'''中国漁船サンゴ密漁問題'''(ちゅうごくぎょせんサンゴみつりょうもんだい)とは、[[2014年]]に[[小笠原諸島]]と[[伊豆諸島]]周辺の[[日本]]の[[領海]]と[[排他的経済水域]](EEZ)で、[[中華人民共和国]]の[[漁船]]により[[サンゴ]]が大規模に[[密漁]]された問題。同年10月末にはサンゴ密漁船と見られる中国漁船がこれまでで最多となる212隻確認された
 
小笠原諸島の周辺海域で密漁されているサンゴは希少な[[宝石]]サンゴであり、その背景には中国周辺海域での密漁による資源の枯渇と、それによる中国国内での密漁と販売の規制強化と価格高騰がある<ref>[http://www.tokyo-np.co.jp/article/national/news/CK2014110202000103.html 東京新聞:狙われる宝石サンゴ 伊豆諸島・小笠原 中国密漁船が急増:社会(TOKYO Web)]</ref><ref>[https://www.jimin.jp/news/policy/126451.html 小笠原諸島周辺海域等における中国漁船のサンゴ密漁に対する 厳正な対処と厳重な抗議を求める決議 | 政策 | ニュース | 自由民主党]</ref>。日本で大規模に密漁が行われるようになったきっかけは、[[2013年]]の末に中国のある船主が日本近海で大量の赤サンゴを密漁し、これを日本円にして約39億円で売り抜けたという話が広まったことにあるという<ref>[http://mainichi.jp/select/news/20141109k0000m040065000c.html サンゴ密漁:日本の赤サンゴ16万円でどうだ…中国・福建 - 毎日新聞]</ref>。
 
同年10月末には該当海域にサンゴ密漁船と見られる中国漁船がこれまでで最多となる212隻確認されていたが、取締りを行う[[海上保安庁]]の[[巡視船]]の投入隻数が追いつかず、仮に積極的に違法漁船を摘発した場合、本土への移送に巡視船とヘリコプターが割かれてしまい残りの漁船が野放しになってしまうため、摘発せずに漁船に警告をして領海から追い出す措置に留めていた。11月21日に該当海域に巡視船を大幅に増勢できたことから積極的に摘発する方針に転換し<ref>[http://www.asahi.com/articles/ASGCP3CMRGCPUTIL00M.html サンゴ密漁船を一斉摘発 海保、追い出しから方針転換] 朝日新聞 2014年11月21日</ref>、10月から12月21日までに10人の中国人船長を逮捕した。このうち4人が[[外国人漁業規制法]]違反となる領海内操業容疑であった<ref name = "sankei1221">[http://www.sankei.com/affairs/news/141221/afr1412210015-n1.html サンゴ密漁で10人目逮捕 罰金上限額引き上げ後初めて] 産経ニュース 2014年12月21日</ref>。なお[[週刊文春]]によると、海上保安庁の[[特殊警備隊]]が出動して刃物を振り回して抵抗する中国人船長を銃器で制圧して逮捕した事例もあったという<ref>[http://www.j-cast.com/2014/11/17221050.html 大手メディアが静かすぎる... サンゴ密漁船逮捕劇に海保「SST投入」は本当なのか] J-CAST 2014年11月17日</ref>。
この問題を受けて、[[日本政府]]は外国人密漁者に対する厳罰化の方針を掲げ、2014年[[11月19日]]には早くも、外国人によるEEZでの無許可操業を取り締まる[[排他的経済水域における漁業等に関する主権的権利の行使等に関する法律]](漁業主権法、EEZ漁業法)と、領海内で外国人の漁業を禁じる[[外国人漁業の規制に関する法律]]の改正案を成立させ、同改正法は12月7日に施行された。これにより、EEZでの外国人の密漁は1000万円以下の罰金が3000万円以下の罰金に、領海での外国人の密漁は懲役3年以下若しくは400万円以下の罰金が懲役3年以下若しくは3000万円以下の罰金に強化された。加えて[[漁業法]]違反となっていた立入検査忌避に対しても、別途上記2法の改正で罰則が定められ、漁業法では30万円以下の罰金だったものが、上記2法では300万円以下の罰金に強化された。さらに、[[逮捕]]された[[船長]]らが、ボンド制度による早期釈放の条件として支払う[[担保]]金も大幅に増額され、無許可操業と禁止海域操業の担保金が3000万円に、立ち入り検査忌避の担保金が300万円に、違法採取されたサンゴ1kgあたりの加算担保金が600万円に定められた<ref>[http://www.huffingtonpost.jp/2014/11/19/coral-poaching-schooner_n_6183076.html サンゴ密猟、罰則強化の改正案成立 小笠原に中国船、依然70隻] ハフィントンポスト 2014年11月19日</ref>。
 
この問題を受けて、[[日本政府]]は外国人密漁者に対する厳罰化の方針を掲げ、2014年[[11月19日]]には早くも、外国人によるEEZでの無許可操業を取り締まる[[排他的経済水域における漁業等に関する主権的権利の行使等に関する法律]](漁業主権法、EEZ漁業法)と、領海内で外国人の漁業を禁じる[[外国人漁業の規制に関する法律]]の改正案を成立させ、同改正法は12月7日に施行された。これにより、EEZでの外国人の密漁は1000万円以下の罰金が3000万円以下の罰金に、領海での外国人の密漁は懲役3年以下若しくは400万円以下の罰金が懲役3年以下若しくは3000万円以下の罰金に強化された。加えて[[漁業法]]違反となっていた立入検査忌避に対しても、別途上記2法の改正で罰則が定められ、漁業法では30万円以下の罰金だったものが、上記2法では300万円以下の罰金に強化された。さらに、漁業主権法違反で[[逮捕]]された[[船長]]らが、ボンド制度による早期釈放の条件として支払う[[担保]]金も大幅に増額され、無許可操業と禁止海域操業の担保金が3000万円に、立ち入り検査忌避の担保金が300万円に、違法採取されたサンゴ1kgあたりの加算担保金が600万円に定められた<ref>[http://www.huffingtonpost.jp/2014/11/19/coral-poaching-schooner_n_6183076.html サンゴ密猟、罰則強化の改正案成立 小笠原に中国船、依然70隻] ハフィントンポスト 2014年11月19日</ref>。12月21日に改正法施行後初となる逮捕者が出た<ref name = "sankei1221"/>。
 
== 脚注 ==