「住井すゑ」の版間の差分

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住井の説明によると、これらの翼賛的な文章は、思想犯としてたびたび検挙された夫の罰金を支払うために不本意ながら書いていたものであるという<ref name="前田">[https://opac.tenri-u.ac.jp/opac/repository/metadata/3111/YMN004502.pdf 住井すゑの「少年倶楽部」に掲載された作品とラジオ放送された作品]</ref>。それに対し前田均は、戦時中の言論弾圧は罰金程度で済むほど甘いものだったのかと疑念を呈している<ref name="前田" />。前田はまた、「いずれにせよ、住井はそれ以前は、他の作家たちの戦争協力の例を挙げる一方で『書けないと突っ張ったのは私一人です』と言っていたが、それが『虚構』であることが櫻本にとって(ママ)明らかにされたわけである」とも評している<ref name="前田" />。
 
櫻本による上掲のインタビューについて、[[高崎隆治]]は「[[佐多稲子]]をはじめ、[[林芙美子]]・[[吉屋信子]]・[[豊田正子]]・[[円地文子]]・[[真杉静枝]]など」の女性作家にも戦争協力の過去があるのに、なぜ住井だけを槍玉に挙げたのかと詰り、「同質の多数の中から特定の『一人だけ』を標的にするのは」「いじめ以外のなにものでもない」と非難した<ref>「いま、なぜ住井すゑなのか─『RONZA』特集記事への疑問」(『週刊金曜日』1995年9月15日号)</ref>。これに対して前田均は「同質の多数の中から特定の『一人だけ』をかばうのはその意図のあるなしにかかわりなく、神格化以外のなにものでもない」と批判した<ref>[https://opac.tenri-u.ac.jp/opac/repository/metadata/2426/JNK000201.pdf 住井すゑの戦争責任とその弁護者たち]</ref>。
 
なお、[[ABCラジオ]]特別番組によると、住井は講演で過去の戦争協力の非を認める発言をしたという{{信頼性要検証|date=2015-01}}。