ベンジル基は有機化学における原子団のひとつで、アルキル基の一種。ベンゼンの水素の一つがメチレン基に置き換わった構造である。構造式はC6H5CH2-であり、しばしばBnまたはBzlと略記される。
ヘテロ原子に結合したベンジル基はパラジウム触媒存在下水素添加を行うことで切断される。これを利用し、水酸基やカルボキシル基、アミノ基の保護基として常用される。ベンジル基は酸性・塩基性・求核剤・ヒドリド還元などに対して安定であるため、保護基としての利用価値は高い。またバーチ還元、強酸とチオールの組み合わせなどによっても切断することが可能である。
臭化ベンジルは重要なベンジル化剤。酢酸ベンジルはジャスミンの香り成分。