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'''カーチェイス'''とは逃走車と追跡車とのレースのこと。
 
==概要 現実社会 ==
=== 現実社会 ===
公道での車の追跡劇と逃走劇について使われることが殆どである。[[カーレース]]が設定したレース場での逃走劇と追跡劇では使われない。
 
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追跡車は[[パトカー]]でかつ警告灯を機能させ警告音を鳴らしていれば[[緊急自動車]]扱いとなるため、停車せずとも交通法規を破ったことにはならない。
 
=== 架空の物語上映画 ===
[[映画]]や[[テレビドラマ]]あるいは[[小説]]や[[漫画]]などの物語においては、[[ドラマトゥルギー]]を盛り上げる要素としてカーチェイスは度々取り上げられる。自動車を主題としない映画でも、主に物語の終盤など緊張感を要するシーンにおいて、突如カーチェイスが登場することが往々にしてある。時にそれは自動車、あるいは二輪車以外の乗り物であったり(自転車<ref>例 - 映画『[[E.T.]]』[[スティーヴン・スピルバーグ]]監督</ref>、馬車<ref>例 - 映画『[[ベン・ハー (1959年の映画)|ベン・ハー]]』[[ウィリアム・ワイラー]]監督(馬車同士の対決)およびそれのパロディとしての漫画『[[テルマエ・ロマエ]]』第6巻、[[ヤマザキマリ]]著(馬車と自動車の対決)</ref>、鉄道<ref>例 - 映画『[[ファントマ/電光石火]]』、[[アンドレ・ユヌベル]]監督</ref>、モーターボート<ref>例 - 映画『[[大混戦]]』、[[ジャン・ジロー]]監督、『[[ミニミニ大作戦]]』</ref>、ヘリコプター、飛行機、宇宙船<ref>例 - 映画『[[スター・ウォーズ エピソード4/新たなる希望]]』、[[ジョージ・ルーカス]]監督</ref>など、あるいはそれらと自動車との対決)、また自動車そのものが通常の乗用車ではない特殊な車<ref>例 - 映画『[[スーパーの女]]』、[[伊丹十三]]監督、[[冷凍車]]と[[デコトラ]]の対決</ref>や現実にはない車<ref>例 - 映画『[[ジェームズ・ボンド]](007)』シリーズのボンドカー、映画『[[バック・トゥ・ザ・フューチャーシリーズ]]』特に[[バック・トゥ・ザ・フューチャー PART2|PART2]]の空飛ぶ車と1955年のクラシックカーとのチェイス</ref>や[[コンピュータグラフィックス|CG]]を用いた演出<ref>CGによるカーチェイスの最初期の例として映画『[[トロン]]』のCGバイクのモーターチェイス、近年の例ではフルCGによる映画『[[ファイナルファンタジー (映画)|ファイナルファンタジー]]』における女性型バイクでのモーターチェイスが挙げられる。</ref>であったり、また映画の画面抜けの良い景色でのロケであったりする<ref>例 - インド映画『Dir Ka Rishta (記憶をなくした時)』は物語の後半を[[南アフリカ共和国]]の[[喜望峰]]付近でロケし、インド映画特有のミュージカルダンスや、物語終盤のカーチェイスもそこで行われる。</ref>。画面に映るスピード感や車のボリューム、また衝突して大破する場面など、映画にとって低予算かつ簡易に迫力のある場面を撮影できるため、この手法は多用される。[[映画音楽]]にとっても、その映画全体のテーマと大きく異なる場合も含めて、緊張する要素を持たせる重要な場面転換として機能する。
 
=== アメリカ映画 ===
アメ[[ハウッド映画]]においては、最初に現代のカーチェイスを主軸とした映画は1968年の『[[ブリット]]』([[ピーター・イェーツ]]監督)であった。<ref>John Alfred Heitmann, ''The Automobile And American Life'' (Jefferson, NC: McFarland & Company, 2009), 182-183.</ref><ref>Jesse Crosse, ''The Greatest Movie Car Chases of All Time'' (St. Paul: MBI Publishing, 2006), 16.</ref><ref>[[Todd Gitlin]], ''Media Unlimited: How The Torrent of Images and Sounds Overwhelms Our Lives'' (New York: Henry Holt and Company, 2002), 90.</ref><ref>William Krause, ''Hollywood TV and Movie Cars'' (St. Paul: MBI Publishing, 2001), 39.</ref>10分以上に及ぶカーチェイスシーンはそれ以前の映画よりもずっと長くそして速く、観客に自分たちが車の中にいることを錯覚させた。映画の中で最も災難なシーンにもかかわらず、主演俳優の[[スティーヴ・マックイーン]]ははっきりと車に乗っていることが画面で確認できた。
 
続いて映画『[[フレンチ・コネクション]]』ではさらにリアリズムが追求された。封鎖された一般道、一般解放前や車通りのほとんどない田舎の高速道路、日曜日の早朝(『ブリット』も含む)などで撮影されたこの映画は、ニューヨーク市内の自動車交通網でのカーチェイスを見事に描いた。両映画のプロデューサーであるフィリップ・ダントーニは、続いて映画『The Seven-Ups』の製作に取り掛かり、主演俳優に『[[フレンチ・コネクション]]』から続投で[[ロイ・シャイダー]]を、またそのスタントマンに『[[ブリット]]』からビル・ヒックマンを起用した。
 
これらの映画によって、その時代の映画はカーチェイスシーンを頻繁に採用するようになった。『ブリット』以後カーチェイスシーンは発展し、またエンターテインメントの主要素の一つとなった。車の衝突もまた重要な要素として発展し、様々な車が画面上で大破して時に観客を喜ばせた。初期の例では『[[マックQ]]』において、ビーチを横切る車が事故を起こす例が見られる。映画の予算は高騰したが、それはスタントマンの[[ハル・ニーダム]]の事故による負傷から支えるためであった。
 
さらに『[[バニシングin60″]]』では40分以上にわたるカーチェイスが繰り広げられ、また多くの車が大破した。それらの破壊シーンには意図的なものではなく本当に撮影事故として衝突したものもあった。
 
カーチェイスに登場する最も一般的な車は[[パトカー]]である。その一方で、バス、トラック、スノーモービル、列車、戦車、それから架空の世界の車(車輪を伴うか否かにかかわらず)など、奇抜な組み合わせのカーチェイスも多くの監督によって試みられている。
 
カーチェイスは喜劇においても昔から多用される。[[キーストン・コップス]]、W. C. フィールズ、[[三ばか大将]]、『[[おかしなおかしなおかしな世界]]』、『The Shaggy Dog』、『No Deposit, No Return』、『[[フリーキー・フライデー]]』、『The Gnome-Mobile』、『The Million Dollar Duck』、『[[おかしなおかしな大追跡]]』など、多くの喜劇映画でカーチェイスが見られる。
 
最も複雑なカーチェイスの一例としては、『[[L.A.大捜査線/狼たちの街]]』および『[[RONIN]]』における、高速道路を逆走した末のカーチェイスが挙げられる。
 
幾つかの映画では、何台もの車が複雑に絡み合いながら追跡する大規模なカーチェイスが展開される。『[[ブルースブラザーズ]]』、『[[トランスポーター (映画)|トランスポーター]]』、『[[レイダース/失われたアーク《聖櫃》]]』、『[[マッドマックス2]]』、『[[ワイルド・スピードシリーズ]]』などである。もう一つのカーチェイスの複雑化の例としては、登場人物がある車から別の車に乗り移り、その中や上で別の登場人物と戦うというものである。[[ウォシャウスキー姉弟]]は『[[マトリックス リローデッド]]』でこの手法を巧みに用いた。
 
テレビドラマにおいてもカーチェイスが頻出するシリーズがある。『[[爆発!デューク]]』、『[[ナイトライダー]]』、『[[超音速攻撃ヘリ エアーウルフ]]』、そして最近の例としては2010年の『Chase』が挙げられる。
 
最近ではCGを用いたカーチェイスも多く見られる。CGの使用はコスト的に危険度を無視することができる。また[[リアリズム]]を無視して、車や人物のダメージを大きく見せ、迫力や恐怖に訴える表現が可能である。近年では[[マイケル・ベイ]]監督による『[[バッドボーイズ2バッド]]』と『[[アイランド (2005年の映画|アイランド)]]』が挙げられる。低予算映画でCGのカーチェイスを用いた例では『RSTC: Reserve Spy Training Corps』が挙げられる。『[[ドリヴン]]』は特にCGIを用いたカーチェイスが特筆される。一方でCGによるカーチェイスに否定的な批評も多く、『[[RONIN]]』、『[[ボーン・スプレマシー]]』、『[[キングダム/見えざる敵]]』、『[[ダークナイト]]』では実際のカーチェイスを撮影し、CGの使用は極力抑え、または完全に排除してている。
 
=== その他の地域の映画 ===
 
*[[イギリス映画]]『[[ミニミニ大作戦 (1969年の映画)]]』は、カーチェイスを主軸とした映画である。リメイク版の『[[ミニミニ大作戦 (2003年の映画)]]』では、[[ヴェネチア]]の運河でのボートによるチェイスも登場する。
*[[フランス映画]]で常に[[興行収入]]の上位<ref>1位が4回、4位が2回</ref>を記録した『[[ルイ・ド・フュネスのサントロペシリーズ]]』(1964年 - 1982年)には、スピード狂のクロチルド修道女なる人物が登場し<ref>第2作では修道女は脇役で一瞬登場するが、カーチェイスシーンには参加しない。後半にタクシーによる暴走シーンがあるがチェイスではない。</ref>、全てのシリーズでカーチェイスや大破シーンが繰り広げられる。使われる車は主にフランス車の[[シトロエン・2CV]]である。同じく[[ルイ・ド・フュネス]]が準主役を演ずる『[[ファントマ]]』シリーズ(1964年 - 1967年)にも、カーチェイスシーンが頻出する。
*同じくフランス映画の『[[TAXi]]』シリーズ(1998年 - 2007年)では、改造したタクシーのカーチェイスが毎回繰り広げられる。第1作で主人公のダニエルはタクシー運転手に転職する前は宅配ピザ店員として働いており、バイクでも暴走運転シーン(チェイスの有る無しに関わらず)が描かれる。
*フランス・イタリア共同制作映画『[[カトマンズの男]]』(言語は[[フランス語]])では、徒歩から気球、飛行機、ベッドに至るまで様々な乗り物を使った追跡シーンが展開される。
*日本の漫画『[[頭文字D]]』は、一般公道におけるカーレースを描いた作品である。カーブの多い日本の道路で[[ドリフト走行]]を中心としたドライビングテクニックが披露される。アニメ版では、CGをふんだんに取り入れて使用した日本のテレビアニメの最初期の例として挙げられ、アニメの映画化もされている。香港で実写映画化もされている。
*『[[ワイルド・スピードX3 TOKYO DRIFT]]』では、渋谷の中心街(セット撮影)や[[鋸山登山自動車道]]でのロケによる日本を舞台としたカーチェイスが繰り広げられ、やはり[[ドリフト走行]]を中心に物語が展開する。ただしこれは[[ハリウッド映画]]である。
 
{{翻訳中途|1=[[:en:Car chase]] |date=2015年1月}}
==関連項目==
*[[自動車]]